銃の分解は工具不要? 通常分解と完全分解で必要な知識・工具をまとめて解説

ベレッタスライド画像

この記事の要約:

  • 銃の分解には「通常分解(フィールドストリッピング)」と「完全分解(精密分解)」があり、必要な知識と工具の有無が大きく異なる。
  • 通常分解は基本的に工具不要で、メンテナンス目的の簡易作業として設計されている。
  • メンテナンスには真鍮ブラシ、ドライバーセット、ハンマー、ポンチなどの工具が必要。

「銃器の分解は個人でも可能か?」と疑問を持たれる方は少なくありません。

ハンドガン、ライフル、ショットガン、マシンガンといった銃器は、基本的に個人レベルで分解・組み立てが可能な構造を備えています。ただし、その難易度や必要な工具の有無は、銃の種類や設計思想によって大きく異なります。

特に軍用銃では、分解作業は大きく二つの段階に分けられます。

ひとつは日常的なメンテナンスを目的とした「通常分解(フィールド・ストリップ)」、もうひとつは内部部品を細部まで取り外す「完全分解(精密分解)」です。

目次

フィールドストリップ

1911ピストルパーツイメージ画像

フィールドストリップとは、日常的なメンテナンスや清掃を目的とした簡易的な分解作業を指します。

日本の警察(警察官等拳銃使用及び取扱い規範)では、精密分解を伴わない通常の手入れを「普通手入れ」と呼んでいます。

銃の画像
ベレッタ92FS 画像出典:Beretta

この段階の分解では、特別な工具を必要としない場合がほとんどです。スライド、バレル、ロッキングブロック、リコイルスプリングといった主要部品をフレームから取り外すことができ、野外でも短時間で清掃が行えるよう設計されています。

一方で、これ以上の細部に踏み込む場合は、工具を用いた完全分解が必要になります。

完全分解

ネジ一本に至るまで部品を取り外す作業は「完全分解」あるいは「精密分解」と呼ばれます。

日本の警察では、この段階の作業を「精密手入れ」と定義しています。

銃の画像
画像出典:Beretta

完全分解に必要な工具は銃によって異なり、マイナスドライバー一本で済む場合もあれば、ハンマー、レンチ、専用工具などを用いる場合もあります。銃のパーツ点数は30点程度のものから100点を超えるものまで幅広く、構造を理解していなければ再組立てが難しくなることもあります。

他の銃の分解経験があれば、初めて扱う銃でも構造を推測しながら作業できる場合もありますが、メーカーは一般ユーザーによる完全分解を推奨していません。問題が生じた際は、ガンスミス(銃工)など専門家に依頼することが望ましいとされています。

日本でもモデルガンの組み立てキットが販売されているように、個人レベルで完全分解・組立てが不可能というわけではありませんが、銃によっては専門知識や専用工具が不可欠です。

最低限必要な工具

銃を所有する場合、最低限そろえておきたい工具があります。ここでは代表的なものをご紹介します。

クリーニングロッドと真鍮ブラシ

クリーニングロッドイメージ画像

銃身内に残る鉛・銅・カーボンなどを除去するための基本的な道具です。

空気銃であればナイロンブラシでも対応できますが、火薬を使用する実銃には真鍮ブラシが適しています。

銃に付属することが多いナイロンブラシは清掃力が不足するため、真鍮ブラシを用意すると良いでしょう。

クリーニングマット

クリーニングマットイメージ画像

ガンオイルを吸収、または染み込むのを防止し、テーブルや床を汚さないためのマットです。

無地のものは細かいパーツを見失いにくく、作業性が高まります。

ドライバーセット

ドライバーセットイメージ画像

スコープの取り付けやグリップパネルの取り外しなどに使用します。

六角スクリューに対応したビットがそろっていると便利です。トルク調整が可能なトルクドライバーがあれば理想的です。

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ハンマー

ハンマーイメージ画像

ピンを抜く際や動きの悪いパーツを調整する際に使用します。

プラスチックやゴム製の打撃面を持つハンマーは、銃を傷つけにくいためおすすめです。

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ポンチ(ピン抜き)

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銃に使用されているピンを抜くための工具です。

所有する銃のピン径に合ったサイズを選ぶことが重要です。

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ベンチブロック

ベンチブロックイメージ画像

ピンを抜く際にパーツを安定して置くための台です。

汎用性の高いものでも十分に役立ちます。

バイス(万力)

万力イメージ画像

銃やパーツを固定するための工具です。

銃身の取り外し、サイト調整、パーツ加工、クリーニング時の固定など幅広い用途があります。

必須ではありませんが、作業の難易度を大きく下げてくれる場面が多い工具です。

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この記事を書いた人

・1998年:実銃解説サイトを開設
・2001年~2007年:米国に居住し実弾射撃を学ぶ
・エアガンメーカー勤務経験や実銃経験を活かした情報を発信中

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