ご質問を頂きました。
CQBなど敵がいつ目の前に現れるか分からない状況の中、どのタイミングでセーフティを解除しトリガーに指を掛けるのか教えてください。
また、トリガーに指を掛けていない時はトリガーガードに掛ける方法とフレームに掛ける方法があると思いますが、使い分けなどしているのでしょうか?
基本は次の通りです。
- 撃つ必要があるときのみセイフティを解除する(それ以外は常にセイフティ・オン)
- トリガーガード内に指を入れるのは、撃つ瞬間の銃口がターゲットに向いているときのみ
ハンドガンの場合
セイフティ解除のタイミングについては以前別の質問で回答したことがありますが、CQBなど至近距離での発射を想定する場合、ホルスターから銃を抜き、銃口の方向(射線)が自分の身体から離れた後がベストです。
ホルスターの中、あるいはホルスターから銃口が離れた瞬間にセイフティを解除するのは、自分の足を誤射しかねないためリスクを伴います。
ただし、アクションシューティングなど、競技の場では必ずサイトを利用して狙うため、銃が自分の目の高さまで到達してからセイフティを解除しても遅くはありませんし、そうしたプロシューターも見かけます。
コンバット・シューティングでは銃を手にしている間はセイフティを常に解除状態にし、ホルスターに銃をしまうときにセイフティ・オンにします。
トリガーガードに右人差し指(右利きの場合)を掛ける方法は、80年代以前に流行していましたが、現在ではトリガーの上(フレーム)に指を置くのが主流です。
これはトリガーガードに掛けた指を何らかの原因で滑らせてしまうとトリガーに触れてしまい、誤射リスクがあるためです。
また、フレームに指を置いた方がトリガーを引く反応が早いといわれています。
ライフルの場合
AR15の様に親指でセレクターを操作しやすいライフルでは、ターゲットが現れた瞬間にセイフティ解除と照準を同時にひとつの流れで行い、ターゲットにヒットさせて脅威が消えたことを確認したらセイフティをオンにします。
例を挙げると、銃口の動きが「コ」の字型になるように射撃する「ボックス・ドリル」という射撃法があります。
ターゲットが同時に二名現れたとき、ターゲットAに銃口を向けながら同時にセイフティを解除し、ターゲットAの胸に二発、ターゲットBの胸に二発、ターゲットBの眉間に一発、ターゲットAの眉間に一発、そして脅威が消えたことを確認後、セイフティ・オンという流れで行います。
基本的に屋外での通常の流れは、セイフティ・オンの状態からターゲットを確認し、(チームで行動する場合は)仲間に警戒を促しつつ、銃口をターゲットに向けながら同時にセイフティを解除、トリガーガード内に指を入れトリガーを引く流れです。
ただし、近接戦闘等でターゲットとの遭遇が予想される場合(交戦中)は、脅威が消えない限り常にセイフティは解除状態です。そうでない場合は、可能な限りセイフティをオンにします。
また、AK47のように構造上瞬間的にセイフティを解除できないライフルではターゲットに遭遇する可能性が高く脅威が消えない状況においてセイフティを解除した状態で警戒されます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
もしご質問やご意見がありましたら、お気軽にX(旧ツイッター)やYoutubeチャンネルでお知らせください。