銃を撃つ際、目標までの距離と貫通力の関係について疑問を持ったので質問させてもらいました。
「ライフル弾は近距離よりも、ある程度距離が離れていたほうが威力がある」という話を聞いたり読んだことがあるのですが、それは本当なのでしょうか?
距離が伸びるにつれて弾が持つエネルギーは減少しますが、逆に貫通力が増すことがあります。
まずはこの表をご覧ください。
.308Winchester (7.62mmNATO弾) 弾頭重量123gr 弾頭形状FMJ | |||||||||
距離 (ヤード) |
0 | 100 | 200 | 300 | 400 | 500 | 600 | 800 | 1000 |
弾速 (フィート/秒) |
2936 | 2599 | 2286 | 1995 | 1728 | 1490 | 1289 | 1031 | 901 |
エナジー (フィート/ポンド) |
2355 | 1845 | 1428 | 1087 | 816 | 606 | 454 | 290 | 222 |
ノックアウトパワー | 15.9 | 14.1 | 12.4 | 10.8 | 9.4 | 8.1 | 7.0 | 5.6 | 4.9 |
弾が1000ヤード(914.4m)に到達する時点では、初速の約1/3のスピードまで落ちています。
この様に距離が長くなるほどすべての数値が減少します。
ところが、実際には近距離より遠距離の方が貫通力が高まる場合があります。
近距離では弾速が速いため、着弾時に弾頭の先端が大きく潰れたり、バラバラに飛散します。
一方、遠距離では近距離に比べて弾頭の潰れ方が小さくなります。
この場合、弾頭先端の変形が少なく尖っている方が貫通力に優れるため、距離が離れている方が貫通力が増加することがあります。
貫通力は必ずしも殺傷力と比例せず、弾頭が衝撃で破砕(フラグメンテーション)された場合、弾頭が持つ運動エネルギーがすべて体内で消費されるため、効率よく大きなダメージを与えることがあります。
また、弾頭の変形が少ない徹甲弾(アーマーピアシング弾)を使用した場合は、遠距離よりも近距離の方が貫通力が高くなります。
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