PR

リボルバーよりピストルの方が反動が小さい?.357マグナムは片手でも扱える?

銃の画像
Image courtesy of reddit.com

オートマチックピストルはリボルバーより反動が小さいのでしょうか?

.357マグナムリボルバーは片手で射撃可能なのでしょうか?

今回はこの問題について解説します。

反動の原因とは?

そもそも反動の原因とは何でしょうか?

銃の画像

銃は装薬の燃焼により発生した高圧ガスを利用して弾頭を加速させ発射します。

発射時に弾頭は前進し、薬莢には後退する力が働きます。(作用反作用の法則)

薬莢は薬室内に保持されており、弾頭の移動と銃口から噴出される発射ガス(マズルブラスト)によって銃が後退し反動が生じています。

反動は装薬の量や燃焼速度と、銃の総重量のバランスによって変化します。

銃の重さと装薬の条件が同一のとき、軽量な弾頭より重い弾頭の方が反動が強くなります。

また、弾頭重量や装薬の条件が同一のとき、総重量が重い銃より軽い銃の方が反動が強くなります。

銃の画像
Image courtesy of usconcealedcarry.com

例を挙げると、大型のNフレーム6インチバレルから.357マグナムを発射すると適度な反動で快適に射撃を楽しめますが、小型のJフレーム2.5インチバレルから.357マグナムを発射すると強い反動によって手に苦痛を感じます。

ピストルとリボルバーは構造や作動機構が異なりますが、どちらでも銃の総重量と弾薬のバランスによって反動の強さが異なります。

物理的な反動 vs 知覚する反動

同一条件下で物理的に生じる反動はピストルでもリボルバーでも同じですが、射手が知覚する反動の大きさが異なることがあります。

銃の画像

銃の総重量の違いについてはさておき、機構の違いによる反動に注目すると、反動を利用して作動するオートピストルは運動エネルギーの一部を作動に利用しているため若干反動が軽く感じられる場合があります。

例を挙げるとストレートブローバック方式よりショートリコイル方式の方が反動が軽く感じられる傾向があります。

銃の画像
Image courtesy of Vickers Tactical

しかし、一方でスライドが最後まで後退した際、スライドの慣性によって衝撃がフレームに伝わり、反動が強く感じられる場合があります。

これはピストルのリコイルスプリングの強さの違いによって変化し、数千発以上発射しリコイルスプリングが弱った状態など、不適当なリコイルスプリングが使用されると反動を強く感じられることがあります。

銃の画像

リボルバーは薬莢に加わる力が直接フレームに伝わるため、手に伝わる反動が強く感じられます。

ライフルでも同様に、オートマチックライフルよりボルトアクションライフルの方が知覚する反動が大きくなることがあります。

ただし、ガス作動のライフルでは発射ガスの一部が作動に利用されることで物理的に反動が軽減されます。

銃の画像
Image courtesy of vicdougle

また、リボルバーでは銃身の軸線(ボアアクシス)とグリップの間が大きいことも反動が強く感じられる原因となります。

銃身位置が低いほどマズルジャンプ(銃口の跳ね上がり)が軽減され、コントロールしやすくなることで反動が軽く感じられます。

反対に、銃身位置が高いほどマズルジャンプが大きくなり、速射性が低下します。

これは「てこの原理」と同じく、支点となるグリップから力点となる銃身位置が離れるほど強い力でマズルジャンプが大きくなります。

現代のピストルはボアアクシスが低いモデルが多いため、これもピストルがリボルバーより反動が小さいと感じやすくなる原因となります。

.357マグナムリボルバーは片手で撃てる?

銃の画像
コルトパイソン Image courtesy of rockislandauction

.357マグナムリボルバーを片手で射撃することは可能です。

時間をおいて1発ずつの精密射撃は、銃を静止させた状態でトリガーを引くだけの作業になるため、反動の大きさは問題ではありません。

しかし、複数弾を連続して射撃する速射は問題になり得ます。

速射時にはマズルジャンプを最小限に抑えなければ次弾の発射が遅れます。

片手で射撃すると銃口が大きく跳ね上がるため、これを防ぐために両手で強くグリップすることでマズルジャンプを軽減し、速射性を向上させることが可能になります。

これは銃の重量や弾薬の強さによっても異なりますが、射手の射撃経験の差も影響します。

射撃経験が豊富で反動の処理に慣れている場合は、片手で射撃しても両手で撃つ初心者より速射が可能な場合があります。

最後までお読みいただきありがとうございます。

もしご質問やご意見がありましたら、お気軽にX(旧ツイッター)Youtubeチャンネルでお知らせください。