PR

マシンピストル(ベレッタ93R)の構造

銃の画像
ベレッタ93R 画像出典:proxibid.com

ご質問を頂きました。

ベレッタM93Rの3点バーストと、G18のようなフルオートの拳銃の仕組みを教えてください。

ベレッタM93Rの構造について解説します。

ベレッタM93Rの基本構造

銃の画像
ベレッタ93R 画像出典:Vickers Tactical

93Rはトリガーを一回引いて一発発射するセミオートと、一回引いて三発発射する3点バーストの機能が備わっています。

三点バーストの構造を解説する前に、まずセミオートの構造を確認したいと思います。

以下は内部構造です。

銃の画像

ハンマーはハンマースプリングによって回転しようとしますが、シアーによって回転を阻止されています。

トリガーを引くとトリガーバーが前進し、それによってシアーが前へ引っ張られてハンマーを解放します。

解放されたハンマーは回転し、ファイアリングピン(図:緑の棒状パーツ)を叩いて弾が発射されます。

銃の画像

シアーとトリガーバーの接触部に注目すると、シアーの「出っ張り部分」にトリガーバーが接触しているのが分かります。トリガーバーは、この突起部でシアーを引いています。

引っ張られたシアーはハンマーを解放し、発射によってスライドが後退するとトリガーバーが下方へ落ちます。

すると、シアーがトリガーバーから解放され、ハンマーの回転を再度阻止します。

これにより、トリガーを一回引くと一発発射される動作が繰り返されます。

93Rのバーストメカ

続いて3点バーストの構造です。

セミオートより少し複雑な構造に見えますが、内容はシンプルです。

フルオートで撃つ場合、トリガーが引いている間はシアーがハンマーの回転を阻止しない必要があります。

そのため、フルオート専用シアーであるオートシアーを追加し、セミオート時に使用するシアーは、最終弾発射後に作動する構造に設計されています。

銃の画像

図1番のオートシアーは、1発目と2発目を発射後にハンマーを停止させます。オートシアーはスライドが前進するたびにハンマーを解放しますが、セミオート時は通常のシアーがハンマーを停止させるため、その間オートシアーは無意味に動き続けます。(オートシアーは常にスライドの動きと連動する)

図2番のトランスファーレバーは、スライドが後退すると、スライド内の溝の傾斜によって上下に移動します。(スライド後退中は下降する)

図3番のディスエンゲージャー・ロッカーレバーは、2番に押されて4番を押し下げるためのパーツです。

図4番のコントロールレバーは、トリガーバーを下方へ落としてシアーを解放するためのパーツです。

図5番のアレストレバーは、下降した4番を上昇させないように固定する「ストッパー」の役目を果たします。

1発目発射直後

銃の画像

1発目はセミオート時と同様に、トリガーバーがシアーを引いてハンマーを解放し撃発します。

スライドが後退を始めると、ディスエンゲージャー・ロッカーレバーの爪がコントロールレバーを押し下げます。

するとアレストレバーの爪が一段下降したコントロールレバーを引っ掛け、上昇しないように固定します。(コントロールレバーはスプリングによって上昇しようとするテンションが常に掛かっています)

この時点では、まだコントロールレバーとトリガーバーの間に隙間があり、トリガーバーはシアーを前へ引っ張ったままです。※中央、楕円形の穴に注目。

一方、オートシアーはスライド後退によってハンマーの回転を阻止する位置についています。

2発目発射直後

銃の画像

作動内容は1発目と同じですが、コントロールレバーがもう一段下降しました。

コントロールレバーとトリガーバーが接触しますが、この段階ではまだトリガーバーは下降していません。

3発目発射直後

銃の画像

コントロールレバーがさらにもう一段押し下げられると、コントロールレバーがトリガーバーを下方へ引っ張ります。

トリガーバーが下降すると通常のシアーが解放され、ハンマーの回転を阻止します。

これにより、通常のシアーがオートシアーより手前の位置でハンマーの回転を阻止し、オートシアーはストッパーとしての役目を果たさなくなります。

トリガーから指を離してトリガーが前進した状態

銃の画像

トリガーが前進するとトリガーバーが後退し、スプリングの力によってトリガーバーが上昇します。

すると通常のシアーの出っ張り部分と接触し、トリガーを再度引けばシアーを引いてハンマーを解放します。

トリガーバーの後退によりコントロールレバーも後退するため、アレストレバーから解放されてコントロールレバーが上昇し、3点バーストのカウントがリセットされます。

3点バーストとセミオートの比較

銃の画像

セミオートではディスエンゲージャー・ロッカーレバーが前進し、爪がコントロールレバーから離れています。

この状態でトリガーを引いても両者の爪は接触しないので、トリガーを一回引けば一発発射されて停止します。

トリガーは、スライドの前後運動によるトランスファーレバーの上下運動によってリセットされます。

最後までお読みいただきありがとうございます。

もしご質問やご意見がありましたら、お気軽にX(旧ツイッター)Youtubeチャンネルでお知らせください。