ゆうたゲスト
ポルさん、いつもありがとうございます。
やはりアメリカでは45ACP弾は未だに信奉されてるんですね。
私が1911系を持つとしたら9mm口径のものがいいと思ってるのとは逆のようで…。
でも45ACP弾は撃って楽しいというのもあるんでしょうね。
その強烈なリコイルから相手に与えるダメージも大きいと考えたりして…。
私は大口径ファンですけど45ACP弾に関してはちょっとネガティブなイメージを持っています。
MARSOCがM45A1を捨てたのは正解だ!なんて思ってます。
(でもM45A1のエアガンは買いますが)
アメリカでは.45ACP信奉は今でも根強く存在しています。
ストッピングパワーの議論ではよく口径の違いについて語られますが、弾道学的には人体に対する影響は口径よりもマズルエナジーと弾頭の種類の差が大きな影響を及ぼします。
弾薬によって弾道重量やマズルエナジーは様々で、比較対象によっては9mmの方が.45ACPよりもストッピングパワーが高いといえる場合もありますし、その逆もあります。
それを踏まえた上で、同じブランドのホローポイント弾(ディフェンスアモ)で9mmと.45ACPを比較した場合では、.45ACPの方がマズルエナジーが大きいのが殆どです。
このことから.45ACPの方がストッピングパワーが強いと考えられる傾向がありますが、ストッピングパワーには着弾後の弾頭の到達深度も大きな要素となります。
大口径だと臓器など組織に与えるダメージが大きくなりますが、その差によって得られる効果がどれだけあるのかという問題と、大口径でも弾速が足りなければ場合によっては大きなダメージを与えられる深さまで到達しにくいという問題があります。
FBIは科学的に検証した結果、どちらもストッピングパワーに大きな差が確認できないことを発表しており、私もこの発表を支持しています。9mmと.45ACPはどちらもストッピングパワーの優れる弾薬ですが、この両者を比較しても実際のストッピングパワーに大きな差はありません。
これがもし.44マグナムと9mmの比較であれば前者の方が圧倒的ですが、.45ACPとの比較はかなり微妙です。
人体は構造が複雑で着弾の場所によって効果が異なるので、私は個人的に、一発当たりのパワーにこだわるよりも、複数の有効弾を正確に命中させやすい9mmの方が有効だと考えています。
ゆうたゲスト
またよろしくお願いします。
部屋でゴロゴロしながら銃器関係の雑誌などを見ていると45ACP弾の紹介に「ストッピングパワーに優れた弾薬」と書かれていることが結構あります。
実際のエネルギー値は9x19mm弾とほぼ変わらないのになぜまだこういった表記がされてるのでしょうか?
実際にキャリーしてる方へのインタビュー記事があったのですが「やっぱり45ACPは頼りになるからね」みたいなことを仰っていたようです。
未だに「45ACP信奉」ってあるのでしょうか?
それとも実際に45ACPは他の同クラスの弾薬に比べるとストッピングパワーに優れているのでしょうか?
YouTubeなどで比較動画などを見ると硬い物を壊すのは9x19mm弾のほうが得意に見えますが…。
どうかよろしくお願いします。
45ACPのリロードデータについてご教示いただけますでしょうか?
こちらのサイトにピストルの発射の瞬間をハイスピードカメラで写した物があります。
http://kuulapaa.com/home/highspeed/pistols.html
9x19mmの写真と比べると45ACPのS&W645とかGLOCK21とか盛大にパウダーの燃えかすが飛翔しているように見えます。
こういう写真とか
http://kuulapaa.com/onewebstatic/5c1c0e5266-Highspeed3D-FIN_SW_J2_3D_1080_ORG.jpg
http://kuulapaa.com/onewebstatic/578a217c39-Highspeed3D-Glock_%204_3D_FIN_1500.jpg
http://kuulapaa.com/onewebstatic/760253ed0c-WS_25_45ACP_julkaisuvapaa_II.jpg
特に最後の物は1911からMagtech 200gr LSWCというファクトリーアモを使っていると記載があります
そこで質問です
(1)この燃えかすの原因はバレル長が想定より短いからと考えてよろしいでしょうか?
(2)もし(1)が正しいとすると45ACPのリロードデータが同時に誕生したColtM1905やメジャーなM1911のバレル長5インチに合わせていないのはなぜでしょうか?
蛇足ながらMEのグラフで見る限り45ACPの想定バレル長は6~7インチかなとか勝手に思っております。そこからグラフの傾きがゆるくなるので
http://www.ballisticsbytheinch.com/megraphs/45auto.html
9x19mmは5インチかなと
http://www.ballisticsbytheinch.com/megraphs/9mm.html
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一般的にパウダー(装薬)が完全燃焼することはありません。
どんな弾薬でも少なからず不完全燃焼のパウダーが放出され、犯罪捜査ではそれらの物質の分布や量から銃とターゲットの距離が推定されることがあります。
プライマーの撃発によりパウダーに引火すると、後方のパウダーから燃焼し前方のパウダーは弾頭の底に押し付けられます。
そして不完全燃焼パウダーの一部はライフリングの溝と弾頭の間を抜け、弾頭より先に銃口から放出されます。
ですが一方で、不完全燃焼のパウダーの量は、燃焼時の圧力が低いときに多くなる傾向があります。
圧力が低くなる原因はいくつか考えられますが、パウダーの温度が低い(気温が低い)と圧力が低くなり弾速も低下します。
また、パウダーの量が必要量より足りなかったり、弾頭重量が軽いといった低圧条件下で燃焼効率が下がり、不完全燃焼のパウダーが増えることがあります。
ご指摘の銃身長についても同じく、圧力が十分に高まる前に弾が銃口から出てしまうと必要な圧力に達しないため、パウダーの一部は不完全燃焼になりやすくなります。
ただしこれはパウダーの種類や燃焼速度によって異なり、想定より短い銃身長で不完全燃焼となることもありますが、必ずしも銃身長が原因とは言えません。
パウダーの燃焼には一定の圧力が必要なため、不完全燃焼が多い場合はその点を考慮すると良いと思われます。
一般的には、メーカー推奨のリローディングデータに従えば間違いありません。
パウダーの種類によっては元々不完全燃焼が多く、銃身内に残留物が残りやすい製品もありますが、その場合は「仕様」として割り切ると良いでしょう。
チャンバーが緩いのはグロックに限ったことではなく、コルト、S&W、スプリングフィールドアーモリーなど他のメーカー(主に.380ACP、.40S&W、.45ACPなど)でもあります。
これはメーカーのミスではなく、ジャムのリスクを減らすために意図的に緩く設計されています。
ホローポイント弾には様々な種類があり、弾頭形状によってはタイトなチャンバーで使用すると装填不良(FTF)が起こりやすくなるため、どのメーカーのホローポイント弾でも確実に作動するように考えられた結果です。
ライフルの場合はチャンバーが緩いと命中精度に悪影響がありますが、ピストルでは有効射程距離が短いため、あまり大きな影響は受けません。ただ、近い距離でも精度を求める場合は、タイトなチャンバーの方が有利ですし、FMJを使用する場合はチャンバーの緩さにメリットは殆どありません。
安全性については、チャンバーのサイズが規定内であれば緩くても問題ありません。
発射時にはケースが膨張するため、ガスは漏れずに膨張したケースで閉鎖されます。
また動画内ではフィードランプ付近でケースがチャンバーに覆われていない問題が指摘されていますが、このようなチャンバーは「アンサポーテッド・チャンバー」と呼ばれており、逆にケース後部の全周がチャンバー内に収まっているものは「サポーテッド・チャンバー」と呼ばれています。
アンサポーテッド・チャンバーは、リロード弾(特にホットロード)で問題が起こりやすいため、メーカー製のファクトリーロードの使用が推奨されています。
新品のケースをアンサポーテッド・チャンバーで使用した場合でも、圧力次第でケースの底が膨らみやすくなります。
このケースを再利用するとき、ケースを規定のサイズに再成形しますが、再成型しても薄くなったケースウォール(ケースの側面)の厚みは元に戻らないため、このままアンサポーテッド・チャンバーで使用するとケースウォールに穴が空いて事故に繋がるリスクがあります。
これはリロードを行う人には常識であるはずですが、知らない人も多いので同様の事故は多々起きています。(当然、この場合はメーカーの保証対象外となります)
>また他の口径のグロックも同じような状態なのでしょうか?
同一モデルでも製造時期によっては.380ACP、.40S&W、.45ACPで緩いチャンバーがあります。
いつも楽しみに拝見させて頂いております。
ピストルの弾丸について質問させて下さい。
最近、RUGERのSR1911やCOONANやSIG等、いくつかの銃器メーカーから10mmAUTOのオートピストルが、相次いで発売されてますが、各銃器メーカーの技術が向上し素材の強度が向上したので強力な10mm AUTOを使用するオートピストルのニューモデルが発売されたのと同時に357magnumに匹敵するハイパワーの10mm AUTOの人気が出て来たのでしょうか?
また、10mm AUTOは価格が高い弾丸ですが、アメリカ国内で比較的容易に入手が可能なのでしょうか?
文章が下手ですみません。
中々、人気が出なかったハイパワーの10mm AUTOに興味がありますので、よろしくお願いします。
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昨今の10mmオートの人気はいくつかの理由が考えられます。
【技術の向上】
ご指摘の通り、工作機械の性能向上や高度な設計といった技術の進歩により、強度が向上しました。
10mmオートは強力な弾薬なため、使用する銃の耐久寿命が短いという問題がありますが、耐久性向上により銃の維持コストが以前よりも安くなりました。
【知名度向上とファンの影響】
10mmオートには古くから一定のファンが多い弾薬です。
車を趣味にする世界では巨力なエンジンとスピードが競われますが、銃の世界でも強いリコイルを楽しめるハイパワーカートリッジは人気がある分野です。
また、最近では人気ゲームに10mmオートが登場する機会も増え、注目されることでファンが増えている状況があります。
【価格の低下】
10mmオートは高価な弾薬として有名ですが、最近では昔と比較すると安くなりました。
9mm~.45ACPと比較するとまだ高価な弾薬であるのは間違いありませんが、FMJの.45ACP(50発)が16ドル前後であるのに対し、10mmオートは安いものでは20ドル前後程度から入手できるようになっています。
当然ながら弾の価格はブランドや弾種によって様々ですが、全体的に低価格化が進んでおり、入手しやすくなっています。
【汎用性が高い】
10mmオートはリコイルが強くコストが高いため軍や警察では好まれませんが、民間市場では護身用や射撃練習用の他、野生動物に遭遇しやすい釣りやキャンプといった野外のレジャーでも使用可能な弾薬として選択されます。
リボルバーよりも多い装弾数により、大型野生動物に対しても総合的なストッピングパワーを持ちます。
【銃器市場の好景気】
アメリカの銃器市場は拡大傾向にあり、市場に需要があればメーカー側も供給するため、銃のラインナップが幅広くなっています。
10mmオートが特別にブームということではなく、全体的に選択肢が広がっており、そのなかで10mmオートを採用する銃も増えています。
Mr.Smithゲスト
ありがとうございます。
追加でFBIの弾薬関連の事について質問があります。
FBIのSWATでは以前は.40S&Wのグロック22と.45ACPのスプリングフィールド1911が使用されていたようですが、今では9mmのグロック17が主に使用されているのでしょうか?あるサイトで9mmルガーにFBIが使用する弾薬を変更した後、SWATで9mmのグロック17を使用する可能性は低いと書いてありました。何でも新規にFBIが調達しているグロック17M?だかが全米の警察で問題が多発しているらしく、そのような信頼性の低い銃をSWATが使用するのかどうかは不透明と書いてあり、正直驚きました。
実際どうなんでしょうか?分かる範囲で構いませんので教えて下さいますか?
以下のサイトの表が参考になると思います。
縦が銃身長別の弾速、横が弾薬の種類別です。
9mmルガー
http://www.ballisticsbytheinch.com/9luger.html
.40S&W
http://www.ballisticsbytheinch.com/40sw.html
.45ACP
http://www.ballisticsbytheinch.com/45auto2.html
同一の銃身長と弾薬を使用したとき、銃のモデルが異なっていても弾速は殆ど同じです。
ですが例外的にポリゴナル・ライフリングを使用する銃では僅かに弾速が速くなります。
以下はポリゴナル・ライフリングと従来型の一般的なライフリング(エンフィールド型)を比較した弾速です。
「L&G」が一般的なライフリング、「polyg’l」がポリゴナル・ライフリングの銃身です。
http://www.ballisticsbytheinch.com/rifling.html
ゆうたゲスト
こんばんは、また同じような質問で申し訳ありません。
先日、グロック19と17での弾速の違いをお訊ねしたのですが、他の9x19mm弾を使用する拳銃にもグロックと同じような事が言えるのでしょうか?
(SIG P226とP229やUSPフルサイズとUSPコンパクトなど…)
できればいわゆる3大オートカートリッジ(45ACP、40S&W)についても教えて頂けると幸いです。
>ちなみにバリスティックデータとは一体なんのことでしょうか?
弾道学上のデータのことです。
弾速やエナジー、流体に対する弾丸の影響など、弾丸がどう作用したか表します。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%BE%E9%81%93%E5%AD%A6
>数年前までFBIでは9mm、.40S&W、.45ACPの三種類の弾が混同されて支給されていましたが、その当時の状況についてポルさんはどう思われますか? (メリットやデメリットなど)
法執行機関では現在でも日常的に行われていますし、使用弾薬は時代と共に変化してきた歴史があります。
FBIも弾薬について詳細に調査するまでは他の警察やシェリフと同じ様に様々な思想が存在していましたが、複数の弾薬を採用するメリットやデメリットは、一概にどちらとも言えないと思います。
>よく「ボディーアーマーを着用した相手に対しては、マンストッピングパワー重視の45ACPよりも高速な9mmの方が適している。」という話を聞くのですが本当でしょうか?
現代では、どちらの弾薬もボディーアーマーに対して無力です。
一般的なボディーアーマーはレベルII以上が使用されていますが、これは9mm、.40S&W、.45ACP、.357マグナムをストップ可能です。
もし9mmのアーマーピアシング弾であれば、レベルIIIAでも貫通可能なので、これをストップするにはライフル弾対応型のレベルIII以上のハードアーマーが必要になります。
関連記事:防弾プレートを撃ち続けるとどうなる?
>高速でホローポイント弾といえど貫通して二次被害が出る危険性は9mmの場合高くならないのでしょうか?
弾頭の設計や貫通する物によって異なります。
通常は9mmの方が.45ACPより貫通力が高くなりますが、ホローポイント弾の場合は条件次第で変化することがあります。
ガラスや壁に使用される石膏ボードなどに命中するとホローポイント弾の先端が埋まって弾頭が拡張し難くなるため、この場合は貫通力がFMJ並みに強くなることがあります。
人体などの流体に命中した場合は拡張しやすく、貫通する可能性は低くなりますが、人体の場合はどこにどういった角度で命中するかによっても異なります。
また、同じ9mmでも様々な種類があり、.45ACPより貫通力が低い物もあれば、逆に高い物もあります。
もし比較する弾がどちらも同じFMJという条件であれば、9mmの方が.45ACPより貫通力が高くなります。
>やはりそういう人達は連射する前提の9mmではなく一撃必殺の.45ACPを好み、なおかつ射撃が上手い人が多いのでしょうか?
そうとは限らないと思いますが、そういう人もいるという話は耳にしたことがあります。
退役軍人では出身部隊のカラーによって銃に対する思想的影響を受けている人もいるようです。
>やはり射撃が上手い=独自の考えを持っている、みたいな人達は多いのでしょうか?
一般論として、ある意味経験が判断基準となることはよくあることだと思います。
ただ、射撃のスキルがあるからといって銃創学や弾道学の知識があるとは限りませんから、彼らが発信する情報が必ずしも正しいといえるかは別問題ではあります。
Mr.Smithゲスト
ご回答ありがとうございます。
ちなみにバリスティックデータとは一体なんのことでしょうか?
それとは別にポルさんにお聞きします。数年前までFBIでは9mm、.40S&W、.45ACPの三種類の弾が混同されて支給されていましたが、その当時の状況についてポルさんはどう思われますか? (メリットやデメリットなど)
そして9mmが選ばれる理由や様々なメリットに関しては理解した上でお聞きします。よく「ボディーアーマーを着用した相手に対しては、マンストッピングパワー重視の45ACPよりも高速な9mmの方が適している。」という話を聞くのですが本当でしょうか?やはり貫通力の面で勝っているからなのでしょうか?
高速でホローポイント弾といえど貫通して二次被害が出る危険性は9mmの場合高くならないのでしょうか?
余談ですが、FBIのSWATには「45口径信者」なる人達がそこそこ居るようですが、やはりそういう人達は連射する前提の9mmではなく一撃必殺の.45ACPを好み、なおかつ射撃が上手い人が多いのでしょうか?射撃が上手い人であれば、そんなに弾数を撃たなくても、狙いを定めて数発の.45ACPを叩き込んで制圧すれば良い訳ですから、やはり射撃が上手い=独自の考えを持っている、みたいな人達は多いのでしょうか?
Mr.Smithゲスト
またお力をお貸し下さい。先日ある動画を見て疑問に思った事があるので、質問させて頂きます。
アメリカ在住で実銃関連の動画を投稿されている日本人 Daijiro氏の【実弾解説25】FBIと9mmパラという動画です。昨年の6月、アメリカのFBI (アメリカ連邦捜査局) は、捜査官に支給しているハンドガンの弾薬をそれまでの.40S&Wから9mmへ変更しましたよね。同時にハンドガンも40口径のグロック22、23から9mm口径のグロック17、19に変更しました。既にこのHB-PLAZA内のトピックは見ているので、変更された理由などは理解しているのですが、昨日上の動画を観てある疑問が浮かびました。それはそれまで.40S&Wを使用してきた捜査官への配慮についてです。
コストなどの理由も含め9mmへ変更した理由については理解できますが、この点については腑に落ちません。それまで.40S&Wを問題なく使用してきた捜査官にとっては、ずっと使い続けていて信頼をしている.40S&Wから9mmへ変更するなど、そう簡単にはして欲しくは無いはずです。それに.40S&Wのパワーにも信頼を置いているならば、今更9mmを使いたくは無いはずです。数年前までは9mm、.40S&W、.45ACPが混同して使われていたと聞きます。その同時9mmが支給されていた事についてDaijiro氏は、「.40S&Wがうまく捌けない下手くそな捜査官に例外的に支給されていた。」と仰っていました。それが事実だとするならば、この変更を行うに当たって、当時と同じように捜査官ごとに配慮をするべきでは無いかと思います。確かにコストなどの面から考えて、三種類の弾薬を混同して使用する事は厳しいとは思います。FBIからすれば、「.40S&Wと.45ACPのそれぞれの弾薬を職種によって選択させてやってるだけありがたいと思え。」みたいな感じなのでしょうか?どうしても通常の捜査官へ支給する弾を9mmで統一しなければならないのであれば、Daijiro氏曰く「その弾であれば.40S&Wとほぼ同等のスペックを出すことができる。」らしい9mm+Pや9mm+P+を.40S&Wに慣れている捜査官に支給するべきなのではないでしょうか?現在では9mm (一般捜査官)と.45ACP (SWATやHRT、一般捜査官の中の希望者?) で運用されているのだとは思いますが、この事についてポルさんはどう思われますか?
長文ご容赦下さい。
>1
銃声は使用弾薬のガスの量とガス圧に比例して音も大きくなりますが、それに加えて弾速が音速を超えるとソニックブームが発生することで、より大きな銃声になります。
.380ACP、.38SPL、.45ACPの音圧レベルは約157デシベル前後、弾速が速い9mmと.357マグナムは約160~165デシベルになります。
ピストルとリボルバーでは使用弾薬が異なる場合が多いので比較が難しいのですが、同レベルの弾薬を比較したとき、リボルバーではシリンダーギャップから漏れるガスが原因でピストルよりも大きく聞こえる傾向があります。
特に射手本人よりも横に立つ人には影響が大きく、より顕著です。
イメージとしては、ピストルは前方に向かって音が向かうのに対し、リボルバーでは横と前方に向かっている状態です。
>2
同じ弾薬でも銃身が短いほど銃声が大きくなります。
10インチの差で1~10デシベルほど変わりますが、これは弾薬や弾速で差があります。
音質に関しては、フラッシュハイダーなどマズルデバイスの形状によって音が変わることがあります。
>3
慣れると弾薬の差はある程度分かると思います。
個人的には22LR、9mm、.45ACP、その他ライフル弾やマグナム弾であれば、ある程度判断できますが、銃の種類までは分かりません。
ですがフルオートの場合は発射速度と音の違いで種類について見当が付けやすくなりますし、フラッシュハイダーの形状によって銃の種類まで判別できることもあります。
>どうしてデューティーピストルにベレッタM92FSやグロック17を選ばれたんでしょうか?
ジャムなどのトラブルが少ないのが選択した最大の理由です。
マガジンの状態さえ注意していれば、弾種を変えても快調に回転してくれるほどの高い信頼性があります。
また9mmで装弾数が多いというのも理由の一つですし、個人的な慣れもありますがグリップしやすいと感じます。
もちろん他にも気になるピストルはありますが、問題点や苦手な点を考慮して消去法で選ぶと、最後に残るのがこの二つでした。
>使用者の射撃技術や体力、職務経験(従軍経験なども含む)などによって、やはり考え方は大きく変化するものなんでしょうか?
元軍人のインストラクターや法執行機関関連のインタビューや記事を見ていると、経験による影響は大きいと感じることがあります。
特に軍や特殊部隊では部隊ごとに思想やテクニックが異なることがあるので、その意味で色は出やすいかもしれません。
>そして40S&Wの使用者は、両方のいわば良いとこどりをしたい人が多いのでしょうか?
理由は千差万別だと思いますが、そういった理由で選ぶ人は多いと思います。
口径は9mmと.45ACPの中間的存在なものの、リコイルやマズルエナジーはどちらかといえば.45ACP寄りなので、.45ACPよりも多い装弾数が得られ、.45ACPに近いストッピングパワーが欲しいと考える人には好まれる弾薬です。
Mr.Smithゲスト
ご回答ありがとうございます。早速ご回答に質問を返すようで申し訳ありませんが、どうしてデューティーピストルにベレッタM92FSやグロック17を選ばれたんでしょうか?9mm口径で装弾数15発以上、そして扱い易いというのが理由ですか?
また.45ACPと9mmですが、一撃必殺・ストッピングパワー重視の.45ACPと、多弾数・命中率及び扱い易さ重視の9mmとでは、使用者の射撃技術や体力、職務経験(従軍経験なども含む)などによって、やはり考え方は大きく変化するものなんでしょうか?そして40S&Wの使用者は、両方のいわば良いとこどりをしたい人が多いのでしょうか?
また質問を返してしまい申し訳ありません。ご回答お願い致します。
ゆうたゲスト
いつもお世話になっております。
Mr.Smithさんのお話しと被ってしまう部分がありますが、よろしくお願いします。
友人たちと話していて、現在もっともバランスがよく優れている拳銃弾は9x19mm弾という結論に至りました。
理由は
・弾が安くどこでも手に入り、銃への負担が少ない。
・弾薬自体にテーパーがかかっていてジャムが少ない。
・良質のHP弾を使えばストッピングパワーに問題はほとんどない。
・よく比較される40S&W弾や45ACP弾と比較して装弾数が多く、リコイルやマズルジャンプが少ないので複数ターゲットや連射がしやすく、低伸性が高いので有効射程距離も長い。
といったところです。
少し前までは「法執行機関が使用する弾薬のほとんどは40S&W弾になるだろう」なんて話もあったのに、FBIが9x19mm弾に切り替えて流れが変わってきたように感じるのですが、100年以上前に作られ、未だ現役バリバリのこの弾薬に対してのポルさんの見解はどうでしょうか?
よろしくお願いします。
>最近は少数派になりつつある.45ACPを使用し続けるメリットは一体何なのでしょうか?
命中率や装弾数は9mmの方が優れますし、ストッピングパワー以外に理由は無いでしょうね。
>ハンマーコックが必要なシングルアクションガンである1911と合わせて使用する事で、何かしらのメリットはあるのでしょうか?
1911はジャムが少なくトリガーがシングルアクションオンリーなので命中率が高いことがメリットだと思います。
またシングルスタックなのでグローブを装着していてもグリップが良好で、素早いエイミングの助けになります。
>どんな制式銃にして欲しいですか?
サービスピストルとしてなら「ベレッタ92FS」か「グロック17」を選択したいです。
(もしオフデューティーでキャリーするなら「グロック19」です)
>制式銃等は関係無しに、個人としてどんな銃を使用するのが適切であると考えますか?
使用目的に寄りますが、SWATで使用される様な状況なら、口径9mm、ハイキャパマガジン(15発以上)、ジャムが少ない信頼性の高さ、以上の条件は必要だと考えます。
Mr.Smithゲスト
ポルさん、早速のご回答ありがとうございます。やはりマズルジャンプが少なく、多弾数で連射が可能な9mmが多数を占めているのですね。それ程扱いやすいという事なんでしょうか。
ちなみに.45ACPを使用する場合、ショットプレイスメントを意識しつつ一発必中で命中させなくてはなりませんが、最近は少数派になりつつある.45ACPを使用し続けるメリットは一体何なのでしょうか?そしてハンマーコックが必要なシングルアクションガンである1911と合わせて使用する事で、何かしらのメリットはあるのでしょうか?やはりハイパワーな弾と信頼性の高いガンの組み合わせが良しと判断されているのでしょうか?
そしてつかぬ事をお聞きしますが、ポルさんがSWATの隊員(もしくは法執行機関のオフィサー)であるならば、どんな制式銃にして欲しいですか?または制式銃等は関係無しに、個人としてどんな銃を使用するのが適切であると考えますか?
長文になりましたが、またご意見をお聞かせ下さい。
SWATなど法執行機関で重要視されているのは命中率と貫通力なので、その点で適しているのは9mmまたは.40S&Wではないかと思います。
LAPDの様に.45ACPを採用するのは全体から見れば珍しく、コックアンドロックが許されていない法執行機関もあることから、1911タイプはキャリーできないこともあります。
アメリカでは歴史的に古くから.45ACPに対する信頼と人気が高い一方、弾薬によって貫通力が不足するケースがあるという問題もあります。
また過去30年間でホローポイント弾の設計技術が飛躍的に向上した経緯もあり、現在の9mmのストッピングパワーは.45ACPに匹敵するレベルにまで進化しています。
SWATでピストルが使用される場面で多いのはバリスティックシールドを片手に持つ状況ですが、片手でピストルを扱うため9mmピストルの様にマズルジャンプが小さい方が集弾させやすく、短時間に多数の有効弾をターゲットに命中できるメリットがあります。
人間の身体はバリスティックゼラチンとは違って命中箇所によってダメージの大きさが異なるため、ストッピングパワーよりも命中させる場所(ショットプレイスメント)が重要といえます。
訓練されているSWAT隊員であっても実戦ではトレーニング時よりも命中率が落ちるため、速射時でも高い命中率を維持するのは重要とされています。
また9mmピストルに多いハイキャパシティーマガジンにより、マガジン交換の頻度が少なくなることで複数のターゲットに対しても対応しやすいといえます。
Mr.Smithゲスト
皆さんにお聞きしたい事があります。アメリカの法執行機関には、重大事件に対応する為にSWATチームが編成されていますよね。そのSWATの隊員にとって最適なハンドガンとその弾薬は何なのでしょうか?
皆さんもご存知の通り、アメリカでは各法執行機関が独自にトライアルなどを行い制式銃を決めます。ですから各法執行機関ごとにそれぞれの考え方があるわけで、当然制式採用される銃が異なってきます。ですがそのような状態であるとしても、SWATの隊員にとって最適なハンドガンと弾薬は一体何なのだろうと私は思います。SWATは銃撃事件などの重大事件発生時に現場に急行します。メインアームは当然のごとく、M4カービンやHK 416、MP5サブマシンガンなどの高火力火器です。その為ハンドガンは、あくまでサイドアームとして緊急時に使用する火器になります。メインアームが弾切れになった時、もしくは故障してしまった時、そのような事態に陥った時にハンドガンは使用されますが、そんな事はめったにないと思います。しかしもし仮に銃を持った犯罪者が目の前にいる状況でメインアームが使えなくなり、止むを得ずハンドガンに切り替えるような事になった場合、SWATの隊員は即座に犯人を制圧しなければなりません。つまり信頼性の高いガンと弾が必要な訳です。こういった事を深く考えると、やはり最適なハンドガンと弾薬は何なのか。という事に注目します。
ちなみに一例として挙げますと、NYPD(ニューヨーク市警察) ESUでは9mmのグロック19が、LAPD(ロサンゼルス市警察) SWATでは45ACPのキンバー1911が、FBI(アメリカ連邦捜査局) SWATでは45ACPのスプリングフィールドアーモリー1911と40S&Wのグロック22が、シークレットサービス ERT(緊急対応部隊)では357SIGのSIG P229が、それぞれ採用されています。これを見ただけでもバラバラなのですが、こういった状況を見てみて、SWATの隊員にとって最適なハンドガンと弾薬は何だと思いますか?皆さんの意見をお聞かせ下さい。