
この記事の要約:
- アサルトライフルはセレクティブファイア機能・中間弾薬・着脱式マガジン・300m以上の射程を備えた軍用小銃。
- 第二次世界大戦のStG44を起点に、冷戦期のAK-47とM16が代表的モデルとして普及。
- 現代ではM7や各国最新モデルが登場し、用途や設計思想の違いからバトルライフルやDMRと区別されている。
アサルトライフルは現代歩兵にとって欠かせない主力武器であり、世界各国で広く採用されています。
この記事では、アサルトライフルの定義や特徴、誕生の歴史、有名なモデルから最新モデルまでを詳しく解説します。
アサルトライフルの定義と基本的構造
定義と特徴

アサルトライフルとは、セレクティブファイア機能を持ち、中間弾薬を使用し、着脱式マガジンを装備し、概ね300メートル以上の実用射程を持つ軍用小銃を指します。
これらの要素を兼ね備えることで、近距離から中距離まで幅広い交戦に対応できる汎用性が生まれ、現代歩兵戦闘に最適化された武器として各国軍で広く採用されています。
アサルトライフルの代表例としては、AK-47、AK-74、M16、M4カービン、H&K G36、ステアーAUG、FAMAS、SIG SG 550、QBZ-95、ガリル、OTs-14 Groza、AN-94、HK33、F2000などが挙げられます。
アサルトライフルの4条件
- セミオート、フルオート、あるいはバーストを切り替え可能なセレクティブファイア機構を装備
- 5.56×45mm NATOや7.62×39mmといった中間弾薬を使用
- 着脱式マガジンの採用により弾薬の再装填が迅速に行える
- 有効射程距離300メートル以上
例えば、ニュース報道でよく話題になるAR-15ライフルがアサルトライフルに該当するかどうかは、その文脈や個体によって異なります。
開発当初のAR-15はアサルトライフルでしたが、現在アメリカの民間で流通しているAR-15には、セレクティブファイア機構を装備したモデルと、装備していないモデルがあります。
このうち、セレクティブファイア機構を装備したモデルは規制されており、民間で合法的に入手できるものは数が限られており稀です。したがって、一般的に流通している多くのAR-15はアサルトライフルには該当しません。
アメリカの民間市場には推計で2,700万~3,070万丁のAR-15ライフルが流通しており、そのうち合法的にフルオート機能が備わっているものは、7,000丁未満と推定されています。
アメリカでは「アサルトライフル」が軍用のセレクティブファイアライフルを指すのに対し、「アサルトウェポン」という用語は法的・社会的にセミオートライフル全般を含むことがあり、混同されやすい点には注意が必要です。
中間弾薬とは?

中間弾薬(インターミディエイトカートリッジ)とは、拳銃弾よりは強力である一方、従来のフルパワーカートリッジ / フルサイズカートリッジ(例:.30-06や7.62×54mmR、7.62×51mmなど)ほどの初速・威力を持たない「中間的」なライフル弾を指します。
反動が抑えられるためフルオート射撃時でもコントロールしやすく、同じ負担で兵士が携行できる弾数を増やせる一方、弾道性能は300~600メートル程度の実戦距離で十分に機能するよう設計されています。
| 中間弾薬例 | フルパワー弾薬例 |
|---|---|
| 5.56×45mm NATO(.223レミントン) 7.62×39mm 5.45×39mm 5.8×42mm 7.92×33mm クルツ 7.62×45mm 7.62×37mm 7.62×33mm(.30カービン) 6.5mm グレンデル 6.8mm SPC 6mm ARC .300 AAC ブラックアウト .350 レジェンド | 7.62×51mm NATO 7.62×54mmR .30-06 スプリングフィールド 7.92×57mm マウザー .303 ブリティッシュ 7×57mm マウザー 7.5×55mm スイス 7.5×54mm フレンチ 6.5×52mm カルカノ 6.5×50mmSR 有坂 6.5×55mm スウェディッシュ 8×50mmR ルベル 8×56mmR |
中間弾薬の要点
歴史的には、第二次大戦末期の7.92×33mmクルツ(StG44)や米国の.30カービンが中間弾薬と自動小銃の概念を確立しました。その後、ソ連の7.62×39mmや米国の5.56×45mm、さらに5.45×39mmや中国の5.8×42mmなどが主流となり、アサルトライフルの標準弾薬として広く採用されました。
近年は、中間弾薬の利点を保ちつつ汎用性を高めるため、.277 Furyのような「ユニバーサル」や高性能新口径の導入が検討されるなど、弾薬設計の潮流が進行しています。
ユニバーサル・サービス・カートリッジ(Universal Service Cartridge)とは、従来の小口径高速中間弾とフルパワー弾を一本化する考え方で、6~7mm級の口径帯でライフルと汎用機関銃の双方に適した性能(外的・終末弾道が7.62×51mmや7.62×54mmRに近いか同等)を目指す軍用弾薬を指します。
米軍は新弾薬の候補としてテレスコープ弾、ポリマーケース弾、ケースレス弾などを試験し、アメリカ陸軍の次世代分隊火器プログラム(NGSW)では.277 Fury(6.8×51mm)弾が選ばれており、これは7.62×51mm NATOよりも高い初速・エネルギーを持ちます。
アサルトライフルと他種小銃の相違点
アサルトライフルに類似した軍用ライフルに、「バトルライフル」や「DMR」があります。
これらは主に役割、使用弾薬、運用特性によって区別されます。
以下にそれぞれの特徴を整理します。
バトルライフル

バトルライフルとは、フルパワーライフル弾を使用する小銃を指します。代表的な弾薬には7.62×51mm NATOがあり、拳銃弾や中間弾薬よりも強力で、射程とストッピングパワーに優れています。その一方で反動が大きく、射撃時のコントロールは難しくなります。
射撃方式にはセミオートとセレクティブファイアがありますが、フルオート射撃では反動の影響が大きいため、現代ではセミオート運用が主流です。これにより精密射撃能力を活かしつつ、兵士の負担を軽減しています。
バトルライフルはおおよそ500〜800メートルの長距離交戦に対応可能で、射程と火力の点で高い性能を持ちます。しかし、その分銃本体や弾薬の重量が増し、携行性や取り回しやすさはアサルトライフルに劣ります。
代表的なモデルとして、M1ガーランド、FN FAL、H&K G3、M14、SVT-40、Gewehr 43、MAS-49、FN-49などが挙げられます。これらはいずれも各国軍の主力小銃として採用され、20世紀中盤から後半にかけて広く運用されました。
DMR

DMR(Designated marksman rifle / 指定射手用ライフル / 選抜射手用ライフル)は、歩兵分隊において通常の小銃と狙撃銃の中間を埋める役割を持つ精密射撃用ライフルです。射程はおおよそ300〜800メートルで、アサルトライフルでは届かない距離を正確に狙撃できる一方、狙撃銃ほどの遠距離特化ではなく、分隊行動に適した機動性と速射性を兼ね備えています。
主にセミオートを採用し、迅速な追撃射撃が可能です。マガジン装弾数は10〜30発程度と比較的多めで、戦術的柔軟性を確保しています。
使用弾薬は7.62×51mm NATOや7.62×54mmRなどが使用され、一部では6.5 Creedmoorのような高精度弾薬も用いられます。また、特殊な例として5.56mm弾を使用するMk12プラットフォームも存在します。
照準器は中倍率から高倍率のスコープが標準で、通常の歩兵用ライフルより強力な観測・照準能力を持ちます。さらに、安定性を高めるためにバイポッドや調整式ストックを装備する場合もあります。
指定射手は分隊の一員として行動し、遠距離の目標を正確に射撃することで分隊の射程を拡張します。優先度の高い敵、例えば敵の狙撃手や指揮官を排除することで部隊の優位性を確保しつつ、必要に応じて近距離戦闘にも対応できます。この点で、独立して行動するスナイパーとは異なり、あくまで分隊支援の一環として精密火力を提供するのがDMRの特徴です。
DMRは「分隊レベルでの精密火力を担うライフル」であり、アサルトライフルより長距離、スナイパーライフルより機動的という中間的な性能を持ちます。その結果、現代の歩兵戦闘において分隊の戦闘能力を大きく引き上げる役割を果たしています。
代表的なDMRモデルとして、SR-25 / Mk 11、M110、M14 EBR / Mk 14、SVDドラグノフ、Mk 12 SPR、HK417、L129A1、FN SCAR-Hなどが挙げられます。これらはいずれも各国軍や法執行機関、特殊部隊で採用され、分隊支援や指定射手任務を目的に20世紀後半から現代にかけて運用されています。
デジグネイテッド・マークスマン(DM)とは、小隊や分隊に配属される精密射撃を行う射手で、普通の小銃手より遠距離を効果的に狙う役割を担います。
要点は以下のとおりです。
アサルトライフル、バトルライフル、DMRの比較

画像出典:Armémuseum (The Swedish Army Museum)andHarald Hansen, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
アサルトライフル、バトルライフル、DMRは役割と設計が異なり、アサルトライフルは近〜中距離の汎用性、バトルライフルはフルパワー弾による中〜長距離の火力、DMRは分隊単位での中〜長距離精密支援を担います。
| 特徴 | アサルトライフル | バトルライフル | DMR |
|---|---|---|---|
| 使用弾薬 | 中間弾薬 (例:5.56×45mm、7.62×39mm) | フルパワー弾 (例:7.62×51mm) | 主にフルパワー弾、一部中間弾薬 |
| 射撃方式 | セミ / フルオート | セミオート、場合によりセレクティブ | 主にセミオート、場合によりセレクティブ |
| 有効射程 | 約300〜600m | 約300〜800m | 約300〜800m |
| 重量・サイズ | 軽量・小型 | 重く長い | 中〜やや重め |
| 照準器 | アイアンサイト、低倍率光学 | アイアンサイト、任意でスコープ | 中〜高倍率スコープ |
| 役割 | 一般歩兵用、近〜中距離 | 中〜長距離火力用 | 分隊支援、精密射撃 |
| マガジン容量 | 約30発 | 約20発 | 10〜30発 |
アサルトライフルの作動方式
アサルトライフルの作動方式には、ロングストロークピストン式、ショートストロークピストン式、ダイレクト・インピンジメント(DI)式があります。いずれも発射ガスでボルトを作動させ次弾を装填しますが、仕組みは異なります。
M4カービン(ダイレクト・インピンジメント式)を例にすると、発射時には以下の順番で作動しています。


- 発射時の火薬の燃焼により高圧ガスが発生。
- ガスが銃身内から取り込まれガスチューブを通り、ボルトキャリア上のガスキーに導かれる。
- ガス圧でボルトキャリアが後退を始める。
- カムピン機構でボルトが回転し、薬室を閉鎖するロックが解除される。
- ボルトキャリアの後退で薬莢を抽出・排莢する。
- 後退によりストック内のバッファースプリングが圧縮され、ロアレシーバー内ではハンマーが起こされる。
- バッファースプリングの反発力によりボルトキャリアが前進する。
- 弾薬がマガジンから薬室へ送り込まれ、ボルトが回転して再ロックする(薬室閉鎖)。
- 次弾発射準備が完了。
こうしたボルトやボルトキャリアを後退させる方法として、ガス圧を利用したピストンなどが利用されます。
ロングストロークピストン式

ロングストロークピストン式は、ピストンがボルトキャリアと一体で長い距離を動き、ガス圧で全体を往復させます。AK-47やM1ガーランドなどが代表例で、信頼性が高く堅牢ですが、動く部品が多いため反動が大きく、射撃精度にわずかに影響します。
ショートストロークピストン式

ショートストロークピストン式は、ピストンがボルトキャリアと直接つながっておらず、短い距離だけ動きボルトキャリアに打撃を与えて作動させます。FN SCARやHK416などが例で、反動が小さく射撃精度は良好ですが、機構は複雑で部品点数が多くなります。
ダイレクト・インピンジメント(DI)式

ダイレクト・インピンジメント(DI)式はピストンを使わず※、ガスを直接ボルトキャリアに導き作動させます。AR-15/M16/M4が代表例で、最も構造が簡単で反動も小さい一方、ガスやカーボンが機関部に入るため、クリーニングや整備が頻繁に必要です。
※AR-15/M16/M4で利用されるDI式では一般的に「ピストンを使用しない」と説明されることが多いですが、厳密にはピストン構造がボルトキャリア内に備わっています。ピストンの役割を果たすボルトは固定された状態で、シリンダーの役割を果たすボルトキャリアがガス圧によって後退しています。
作動方式の比較
| 比較項目 | ロングストロークピストン式 | ショートストロークピストン式 | ダイレクト・インピンジメント(DI)式 |
|---|---|---|---|
| 作動信頼性・耐久性 | 構造が堅牢で高い信頼性 | レシーバーが汚れにくく、高い信頼性 | 燃焼残渣が侵入するため、作動不良リスクが高い |
| 精度・反動 | 質量が大きく、集弾性の悪化や反動増加 | 質量が小さく、集弾性への悪影響が抑制 | 低反動、高い精度 |
| 清掃・整備性 | レシーバー内へ汚れが侵入せず、清掃が容易 | レシーバー内へ汚れが侵入せず、清掃が容易 | レシーバーが汚れるため、清掃の頻度が高い |
| 構造・部品点数 | 部品点数が少なく、構造が単純 | 構造が複雑で、部品点数が多い | 大きな機構がなく、軽量化と低コスト化が容易 |
比較すると、耐久性重視ならロングストローク、バランス重視ならショートストローク、シンプルな構造と低反動重視ならダイレクトインピンジメント式が適しています。
ただし、これらは各モデルの品質によって性能が異なる場合があります。
アサルトライフル誕生から現在までの変遷
第二次世界大戦で誕生したStG44

StG44(シュトゥルムゲヴェーア44 / Sturmgewehr 44)は、第二次世界大戦中にドイツで開発されたアサルトライフルであり、史上初めて実用化に成功したモデルとして知られています。設計を手掛けたのは銃技師のヒューゴ・シュマイザーで、7.92×33mmクルツ弾という中間弾を使用したことにより、サブマシンガンを超える射程と、従来のボルトアクションライフルより優れた携行性を兼ね備えていました。
StG44には以下のような特徴が備わっていました。
StG44は主に東部戦線や市街戦で運用されました。サブマシンガンの近距離火力と、ボルトアクションライフルの長射程の間を埋める存在として、ドイツ歩兵に新しい戦術的柔軟性を与えました。登場時期が戦争後期であったため大規模な戦局転換には至りませんでしたが、小部隊戦術における役割は大きく、戦後の小火器設計に強い影響を与えました。
第二次世界大戦終結までに42万丁以上が生産され、アサルトライフルという兵器の標準を確立しました。中間弾薬の採用、セレクティブファイア、取り回しやすい設計といった要素は、以降のアサルトライフルにほぼ共通するベースとなり、ソ連のAK-47やアメリカのM16にも継承されました。
冷戦期のAK-47とM16

冷戦期、東側陣営(ソ連とその同盟国)を象徴したのがAK-47、西側陣営(アメリカとその同盟国)を代表したのがM16です。
両者は異なる設計思想を反映しつつも、20世紀を代表するアサルトライフルとして世界中で使用され、軍事史に大きな影響を与えました。
AK-47の誕生とソ連での普及(1949年~)

AK-47は正式名称を「7.62mmカラシニコフ自動小銃(7.62mm Avtomat Kalashnikova)」といい、ロシア人銃器設計者ミハイル・カラシニコフによって開発されたアサルトライフルです。使用弾薬は7.62×39mm弾で、カラシニコフ銃系列の原点となる存在です。1945年に設計作業が始まり、1947年には軍での公式試験に提出されました。1948年には固定銃床式のモデルがソ連軍の一部部隊で運用され、翌1949年に正式採用されました。その後、ワルシャワ条約機構加盟国を中心に普及し、冷戦期を通じてソ連軍の標準的火器となりました。
AK-47の開発には、第二次世界大戦中にドイツ軍が使用した「StG44」の存在が影響を与えました。これを参考に、ソ連は独自の中間弾7.62×39mm M43弾を開発し、この弾薬を使用する新型小銃の設計を進めました。1946年には複数の設計者による試作が行われ、その中からカラシニコフの設計案が選ばれ、改良を重ねた結果、後にAK-47として完成しました。
初期の量産型ではレシーバーの製造工程に課題がありましたが、1950年代に改善が進められました。1959年には軽量化と生産性の向上を目的とした改良型「AKM」が登場し、以後の主力モデルとなりました。AKMは信頼性の高さと低コスト生産が特徴であり、ソ連および同盟国に広く供給されました。
AK-47とその派生型は、整備が容易で製造コストが低く、悪環境下でも作動する点が評価され、正規軍のみならず各国の非正規武装勢力にも使用が広がりました。2004年の推計では、世界に存在する約5億丁の銃のうち、約1億丁がカラシニコフ系列に属し、その大部分をAK-47が占めるとされています。
M16の開発とアメリカ軍での採用(1964年~)

M16は正式名称を「Rifle, Caliber 5.56 mm, M16」といい、アーマライト社が開発したAR-15を基にアメリカ軍向けに改良された5.56×45mm NATO弾薬使用のアサルトライフルです。当初は20連マガジンを装備し、軽量かつ高い連射性能を特徴としていました。
第二次世界大戦後、アメリカ軍はM1ガーランドやM1/M2カービン、BAR、トンプソン短機関銃といった複数の小銃や自動火器を統合的に更新する必要に迫られていました。朝鮮戦争での戦訓から、従来の.30カービン弾では威力不足であり、逆にM14ライフルに採用された7.62×51mm NATO弾はフルオート射撃時に制御困難で携行弾薬数も限られるという問題が明らかになりました。そのため、中間的な性能を持つ小口径高速弾を使用する新型小銃の必要性が高まりました。
1957年、アーマライト社のユージン・ストーナーがAR-10を縮小設計したAR-15を発表しました。5.56mm弾を用いるこの小銃は、軽量設計とコントロールしやすい反動、量産性の高さを兼ね備えており、従来の7.62mm小銃よりも持続的な火力を発揮可能でした。当初、陸軍兵器局はM14の継続採用を推して反対しましたが、空軍参謀総長カーチス・ルメイ大将が高く評価し、空軍での採用が進められました。その後、南ベトナム軍への供与試験でも高い信頼性が確認され、国防総省全体での導入が検討されるようになりました。

1963年、国防長官ロバート・マクナマラはM14の生産中止を決断し、AR-15の大規模調達を命じました。これにより改修型のXM16E1が開発され、1964年にアメリカ陸軍へ制式採用されました。しかし、当初はクロムメッキの施されていない薬室と不適切な火薬の組み合わせ、さらにはクリーニングキット(清掃用具)の不足が原因で戦場での作動不良が多発し、ベトナム戦争初期には兵士の死傷の一因となりました。これを受けて1967年に薬室と銃身内面をクロムメッキ加工し、フォワードアシストや改良型フラッシュハイダーを装備したM16A1が制式化され、信頼性の問題は大きく改善されました。1969年にはM14に代わり、アメリカ軍全体の制式小銃となりました。

1980年代には改良型のM16A2が登場し、海兵隊が1983年に、陸軍が1986年に採用しました。M16A2は新型のM855弾に対応し、調整可能なリアサイト、薬莢排出を補助するケースディフレクター、強化型銃身、新しいハンドガードやストック、そしてセミオートと3点射バースト切替機構を装備していました。さらに1997年には光学照準器やアクセサリーの搭載を前提に、着脱式キャリングハンドルとピカティニーレールを採用したM16A4が導入されました。
M16シリーズは世界各国にも広く輸出され、総生産数は約800万挺に達し、5.56mm口径の小銃として最も普及した存在となりました。近年、アメリカ軍の前線部隊ではショートバレルで携行性に優れるM4カービンが主力として使用されています。そして2022年には次世代分隊火器計画(NGSW)によりSIG MCX SPEARがM16/M4の後継として選定され、M7ライフルの名称で正式採用が決定しました。
M16は、小口径高速弾薬をベースとしたアサルトライフルの標準を確立した画期的存在であり、半世紀以上にわたりアメリカ軍の歩兵装備の中心であり続けた銃器です。
| 項目 | AK-47 | M16 |
|---|---|---|
| 使用弾薬 | 7.62×39mm | 5.56×45mm NATO |
| 作動方式 | ロングストロークピストン | DI(ガス直噴) |
| 信頼性 | 非常に高い | 定期整備で高い |
| 重量(装填時) | 約4.3kg | 約3.4kg |
| 実用有効射程 | 約300m | 約460m |
| 精度 | 中程度 | 高い |
| 発射速度 | 約600発/分 | 約700〜950発/分 |
| 製造コスト | 低い | 高い |
AK-47は「信頼性と簡素さ」を追求し、正規軍から非正規勢力まで世界中に広まりました。
一方M16は「軽量・高精度」を重視し、米軍の戦術や訓練体系と統合されることを念頭に開発されました。
冷戦期に両者が象徴したのは、東西陣営それぞれの軍事思想そのものであり、どちらも後世のアサルトライフル設計に強い影響を残しました。
「最強のアサルトライフル」とは?
世界的に「最強のアサルトライフル」という普遍的な基準は存在せず、軍、法執行機関、民間など利用環境によって選択は異なります。しかし、高く評価されるモデルはいくつかあります。

M4やM16シリーズは依然として広く使用されており、高い命中精度とモジュール性、拡張性の高さが強みです。

AK-47やAKM、AK-74シリーズは過酷な環境でも作動する信頼性と整備の容易さから世界的に普及しています。

HK416はガスピストン式を採用しており、サプレッサー装着時や長時間の射撃において安定した作動を維持できるため、特殊部隊に好まれています。

ステアーAUGやIWIタボールX95といったブルパップ方式の小銃は全長を短縮でき、都市戦や近接戦闘で優れた機動性を発揮します。

FN SCAR 16/17は口径を5.56mmと7.62mm NATOから選択できる柔軟性を持ち、特殊部隊や即応部隊で高く評価されています。
比較すると、M4/M16やHK416のようなAR系ライフルは精度とカスタマイズ性を重視する利用者に適し、AKシリーズは整備環境が厳しい地域での信頼性が強みです。ブルパップは車両内や建物内での使用に有利であり、FN SCARは多用途性を求める部隊に向いています。
軍用・民間を問わず推奨される主なモデルはM4/M16、HK416、AKシリーズなどであり、使用目的に応じて最適な選択が決まります。
まとめ
この記事では、アサルトライフルの定義・特徴、誕生から現代までの変遷、主要モデルと最新モデルまでを体系的に解説しました。アサルトライフルとは、セレクティブファイア機能を持ち、中間弾薬を使用し、着脱式マガジンを装備、かつ300メートル以上の実用射程を持つ軍用小銃を指します。これは近〜中距離の汎用性を重視した現代歩兵の主力武器です。
中間弾薬は、拳銃弾より強力でフルパワーライフル弾より反動が抑えられており、300〜600メートルの戦闘距離で十分な威力を発揮します。第二次大戦末期のStG44がこの概念を初めて実用化し、戦後はAK-47やM16など世界中のアサルトライフル設計に影響を与えました。
アサルトライフルは、バトルライフルやDMR(指定射手用ライフル)と役割や設計が異なります。バトルライフルはフルパワー弾で中〜長距離火力を重視し、DMRは分隊支援として中〜長距離の精密射撃に特化しています。一方、アサルトライフルは軽量・小型で近〜中距離の汎用戦闘に最適化されています。
冷戦期にはソ連のAK-47と米国のM16が象徴的存在となり、AK-47は信頼性と低コスト生産で世界中に普及、M16は小口径高速弾による高連射性能でアメリカ軍の制式小銃として定着しました。現代ではM4カービンやM7、各国独自の最新モデルが運用され、性能や汎用性の向上が続いています。
- アサルトライフル:セレクティブファイア機能、中間弾薬、着脱式マガジンを装備し、概ね300メートル以上の実用射程を持つ軍用小銃。
- セレクティブファイア:セミオート、フルオート、またはバーストを切り替え可能な射撃方式。
- 中間弾薬(インターミディエイトカートリッジ):拳銃弾より強力で、従来のフルパワーライフル弾より威力が低いライフル弾。
- フルパワーカートリッジ:従来の強力なライフル弾(例:7.62×51mm NATO、.30-06など)。
- 着脱式マガジン:弾薬の迅速な再装填のため、銃本体から取り外し可能な弾倉。
- セミオートライフル:引き金を引くたびに1発ずつ発射される射撃方式に限定された小銃。
- バトルライフル:フルパワーライフル弾を使用する小銃で、アサルトライフルより射程とストッピングパワーに優れる。
- DMR(指定射手用ライフル):通常の小銃と狙撃銃の中間を担い、歩兵分隊で精密射撃に使用されるライフル。
- ユニバーサル・サービス・カートリッジ:小口径高速中間弾とフルパワー弾を統合し、ライフル・汎用機関銃双方に適した性能を目指す軍用弾薬の概念。
- 次世代分隊火器プログラム(NGSW):米陸軍のM4カービンおよびM249軽機関銃を更新するための次期小火器・弾薬開発プログラム。
- デジグネイテッド・マークスマン(DM):小隊や分隊に配属され、通常小銃手より遠距離を狙う精密射撃を担当する射手。
- StG44(Sturmgewehr 44):第二次世界大戦中にドイツで開発され、史上初めて実用化に成功したアサルトライフルのモデル。
- ロングストロークピストン方式:ピストンがボルトキャリアと一体で長い距離を動き、ガス圧で次弾装填を行う作動方式。
- ショートストロークピストン方式:ピストンが短い距離だけ動き、ボルトキャリアに打撃を与えて作動させるガス作動方式。
- ダイレクト・インピンジメント(DI)方式:ピストンを使わず、発射ガスを直接ボルトキャリアに導き作動させる方式で、AR-15系に採用。
- ボルトキャリア:ガス圧で後退・前進し、ボルトを操作して次弾装填や排莢を行う部品。
- ブルパップ(bullpup):作動部とマガジンをトリガー後方に配置し、銃身長を維持して全長を短縮する設計。
- STANAG:北大西洋条約機構(NATO)の標準化協定。加盟国間で部品の互換性を定める規格。
- M-LOK:モジュール式の軽量レールシステム。アクセサリーをハンドガードのスロット部に直接取り付ける方式。
- ピカティニーレール:火器の機関部などに装備され、スコープやアクセサリーを搭載するための規格化されたレール。
- アンビデクストル:左右どちらの利き手でも操作しやすいように設計された操作系またはスイッチの配置。
- ローテイティングボルト:ボルトが回転して薬室を閉鎖(ロック)し、射撃サイクル中に解除・後退する方式。
- マズルブレーキ:発射ガスを噴射することで、射撃時の銃口の跳ね上がりや反動を軽減する装置。
- フラッシュハイダー(消炎器):発射炎を拡散・冷却し、夜間や暗所での銃口の閃光を抑制する装置。
- ラトニク戦闘システム:ロシア軍の歩兵近代化計画。兵士の戦闘力と生存性を高めるための防護・通信・光学機器などを含む装備一式。
- ソルダート・フトゥーロ(Soldato Futuro):イタリア語で「未来の兵士」。イタリア軍が進める歩兵近代化計画。
- OTB(オーバーザビーチ)仕様:水没直後に安全に発射できるよう設計された、海軍特殊部隊などが使用する特殊な仕様。







