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【45口径神話】1911ピストルの魅力と実力を徹底解説!長年支持される理由とは?

1911A1ピストル画像
Askild Antonsen, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

1911ピストルは、誕生から100年以上経った今でも多くのユーザーに支持されています。

本記事では、1911ピストルの歴史と構造、.45ACPの性能、そして現代のハンドガンと比較した際のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

この記事を読むと、以下のことを学べます。

  • 1911ピストルの歴史
  • 1911ピストルの設計と特徴
  • .45ACP弾の性能と戦闘での効果
  • 1911ピストルのメリット・デメリット
  • なぜ1911ピストルは今も人気なのか?
  • 法執行機関とマニュアルセイフティの関係
  • 最新のピストルとの比較

1911ピストルとは?

1911A1ピストル画像
US Government, Public domain, via Wikimedia Commons

コルトM1911(別名:1911、コルト1911、コルト.45、コルト・ガバメント)は、シングルアクションの反動利用式セミオートピストルで、.45ACP弾を使用します。

シングルアクションの反動利用式」とは、引き金(トリガー)を引くと撃鉄(ハンマー)が落ちて発射される仕組み(シングルアクション)と、発射時の反動エネルギーを利用して次弾を自動装填する機構(反動利用式)が備わっているという意味です。

M1911の場合、発射にはトリガーを引く前にハンマーが起こされている必要があり、発射後はスライドの後退によって次弾装填される仕組みです。

M1911は1911年3月に正式採用され、1940年のアメリカ軍での正式名称は「Automatic Pistol, Caliber .45, M1911」で、改良型のM1911A1は1926年に採用されました。ベトナム戦争時には「Pistol, Caliber .45, Automatic, M1911A1」と改称されています。

設計者はジョン・ブローニングで、作動機構にショートリコイル方式を採用。M1911はこの機構を用いた最も有名な銃であり、多くのピストルに影響を与えました。1911ピストルは現在でも射撃競技(IDPA、IPSCなど)で高い人気を誇ります。

ショートリコイル方式とは、発射時に銃身(バレル)とスライドが短い距離を一緒に後退し、その後バレルがロックを解除して停止し、スライドだけが慣性で後退して次弾を装填する方式です。これにより、強力な弾薬に対応し、スムーズな排莢を行います。

アメリカ軍はM1911およびM1911A1を約270万丁調達し、1911年から1985年まで採用。第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争で広く使われました。1985年には9mm口径のベレッタM9に交代しましたが、一部の部隊では2022年まで使用されました。

M1911はアメリカ軍の主力ピストルとして長年使用され、多くの派生モデルが作られました。

西暦アメリカ軍での出来事
1911年アメリカ陸軍がオリジナルのM1911を採用
1926年M1911A1が採用され、改良が加えられる
1985年ベレッタM9がアメリカ軍全体の標準サイドアームとして採用される
1986年海兵隊がM1911A1ピストルを改良し、MEU(SOC)ピストルとして配備を開始
2002年アメリカン・ハンドガナー誌が海兵隊のM1911アップグレード部品の購入についての記事を発表
2002~2003年頃海兵隊がKimber社製のICBQピストルを購入
2012年コルト社製の新しいM1911がM45A1として選定される
2016年MARSOCがM45A1をグロックに置き換え始める
2017年アメリカ陸軍がSIG SauerのMHS(Modular Handgun System)を採用
2019年海兵隊が標準サイドアームをM18(9mm)に置き換える計画を発表
2019年海兵隊がグロック19Mピストル(M007)を一部の部隊に支給
2019年スコット・ミラー将軍がカスタムM1911を携行している姿が確認される
2022年10月M45A1(.45ACP)からM18(9mm)への置き換えが完了

現代でも人気の理由

M1911は100年以上の歴史を持ちながら、現在でも多くの人に支持されています。

その理由は、「デザイン」「歴史的な価値」「実用性の高さ」にあります。

歴史的な背景

コルトM1911A1 Image courtesy of Wikipedia

M1911は1911年にアメリカ軍が採用し、第一次・第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争などで使用されました。

戦場での実績と、その信頼性から「アメリカの象徴」として広く認識されています。

優れた設計

1911ピストルの構造
  • トリガーの精度
    • シングルアクションのトリガーは滑らかで切れが良く、高い命中精度を実現しています。
  • 安全装置
    • グリップセイフティやサムセイフティなど複数の安全機構を備え、誤射を防ぎます。
  • 耐久性
    • スチール製フレームを採用し、過酷な環境下でも耐久性が高い堅牢な設計になっています。

マニュアルセイフティの必要性

1911 セイフティ

1911ピストルに限定する話題ではありませんが、マニュアルセイフティの必要性について議論されることがあります。

かつて法執行機関においてSIGやグロックを好んで採用した理由のひとつが、マニュアルセイフティを持たない点でした。リボルバーを使用していた警官にとって、外部セイフティの扱い方を新たに覚えるより、スムーズに馴染めるという理由があったようです。

しかし、法執行機関によってはトレーニングが不十分な状況もあり、誰もがピストルの扱い方に長けているわけではありません。

「射撃時以外ではトリガーガード内に指を入れない」と教育しても、実際にそれを実践していないことも多く、その結果、誤射事故が多数発生しています。

こういった事故を防ぐ目的もあり、多くの法執行機関でマニュアルセイフティが備わっているピストルを採用しています。

誤射事故が起こりやすい状況の例としては、以下があります。

  • テーブル上などに置かれた銃を取ろうとして指がトリガーを引いてしまう
  • ホルスターから抜く際にトリガーに触れてしまう
  • 銃を手渡しする際にトリガーに触れてしまう

射撃時以外の状況での誤射が多くあり、マニュアルセイフティはそういった事故をある程度予防する効果があります。

しかし、当然ながらマニュアルセイフティですべて解決することはなく、最終的には使用者の意識や教育が重要になります。

高い性能

1911A1ピストル画像
Jan Hrdonka en:User:Hrd10, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
  • 命中精度と信頼性
    • 射撃競技や護身用としても人気があり、重量が反動を抑え、速射が可能です。
  • 多様な口径
    • 現代の派生モデルでは.45ACPだけでなく9mmなどさまざまな口径が選択可能で、用途に応じたバリエーションが増えています。

携帯性の高さ

M1911は全体的に大きく重量もありますが、スリムなデザインのためコンパクトモデルでは携帯しやすい利点があります。(それでも、最新のポリマーフレーム・ピストルと比較すると重い)

また、カスタムパーツや改良された派生モデルが豊富に存在し、時代の変化に適応しながら進化を続けています。

筆者
筆者

私はアメリカでキンバー社の1911ピストルを愛用していました。トリガープルのキレが良く、.45ACPの大きな反動でも高い命中精度を持ちます。現代の水準では、実用面において最新の9mm口径ピストルに軍配が上がりますが、やはり「撃って楽しい」のは、1911ピストルです。

1911ピストルをホルスターから抜いて射撃する際、セイフティを解除する時間的余裕はあるのか?」と質問を受けることがあります。

セイフティ解除はホルスターから銃が抜かれて銃口がターゲットに向く流れの中で行われるため、セイフティ解除に追加の時間は必要ありません。

もし追加の時間が必要なのであれば、それはトレーニング不足か、セイフティのデザイン上の問題なのか、別の不具合が問題なのか、問題点を把握して改善が必要です。

1911の場合、ホルスターの銃に手を掛けグリップした時点で親指がサムセイフティに掛かり、マズルがホルスターから抜けて前方方向へ角度が付いた時点でセイフティ解除されるのが理想です。その理由は、射線上に自分の身体がないことと、ターゲットの距離が近い場合は腰の位置で撃つ必要があるためです。(射撃競技では、シューターによっては銃を前へ突き出す寸前に解除することもあります)

その後、セイフティに掛けた親指はそのままセイフティの上に掛けたまま撃つか、または滑らせてセイフティの下に置くかは個人の好みによります。アメリカの法執行機関が発行するトレーニングマニュアルの多くには、サムセイフティに親指を掛ける撃ち方を推奨していることが多いのですが、これはジェフ・クーパーの影響かもしれません。

.45口径神話の背景

アメリカでの.45口径の歴史

銃の画像
コルトSAA 画像出典:bckinsey.com

.45口径はアメリカの歴史において「親しみ」があります。

西部開拓時代には、.45コルト弾(別名.45ロングコルト)が1872年にコルトシングルアクションアーミーリボルバーのために開発されました。

アメリカ陸軍は1873~1892年に.45コルトを採用し、19年間制式な軍用ハンドガンカートリッジとして使用された歴史があります。

1892年に.38ロングコルトに置き換えられましたが、.45コルトは、インディアン戦争、米西戦争、米比戦争などの様々な紛争で使用されました。

そして、20世紀初頭からは.45口径の.45ACP弾がアメリカ軍や法執行機関で広く使用されてきました。

.45ACP弾を使用する1911ピストルは1911年から1985年まで、アメリカ軍のサイドアームとして採用され、アメリカの歴史に深く関わってきました。

.45ACPの性能と実際

45ACPの画像

.45ACP弾の標準的な弾頭重量は230グレインで、銃口初速はM1911A1で約830fps(253m/s)です。

マズルフラッシュや銃声は比較的小さく、リコイルはやや大きい程度ですが、高いストッピングパワー(対象を無力化する能力)があります。

主な弾薬はFMJ弾、HP弾、+P弾などがあり、現在はアメリカのスポーツシューティングや法執行機関などで使用されています。

アメリカ軍ではM1911A1が1985年にベレッタM9に置き換えられたものの、2022年までは一部の部隊(MARSOC/USMC)で.45ACP弾を使用する1911ピストルが採用されていました。

.45ACP弾の特性と実用性

  • 基本特性
    • 設計目的: 戦闘用拳銃弾として高い精度とストッピングパワーを兼ね備える
    • 弾頭重量: 標準的な軍用弾は230グレイン(15g)
    • 発射速度: M1911A1拳銃で約253m/s、トンプソンM1A1短機関銃で約290m/s
    • 作動圧力: 最大21,000psi(145MPa)の低圧で作動
  • 性能特徴
    • マズルフラッシュ(発射炎)が少ない
    • 中程度のやや強い反動(小型のピストルや高圧弾では増加)
    • 大口径・低速弾の特性により大きな創傷を作り、優れたエネルギー伝達能力
  • 弾薬の種類
    • フルメタルジャケット(FMJ)弾: 深い貫通と大きな永久創傷を作る
    • ホローポイント(HP)弾: 拡張して大きな傷口を作り、大量出血を引き起こすが貫通力は低下
    • +P弾: 標準より高い圧力(23,000psi=159MPa)で作動、対応銃のみで使用可
    • 派生弾: .45 Superや.460 Rowland(40,000psi=276MPa)が存在
  • 現在の採用状況
    • NATO加盟国では9mm弾が標準だが、アメリカを中心にスポーツシューティングや法執行機関で採用
    • アメリカ軍では2022年まで一部の部隊で採用された
  • 装弾数
    • M1911系シングルスタックマガジン: 8発以下
    • Glock 21などのダブルスタックマガジン: 13発以上の多くの装填が可能
    • サブマシンガン用ドラムマガジン: 50〜100発

歴史的背景

.45ACPは1904年にジョン・ブローニングによって開発され、M1911ピストルの採用とともにアメリカ軍の制式採用弾となりました。

モロ紛争※において.38ロングコルト弾のストッピングパワー不足が問題視されたことから、より強力な弾薬として誕生した背景があります。

モロ紛争は、スペインとアメリカによるモロ族との戦争に起源があります。1898年の米西戦争後、アメリカはフィリピンを領有し、アメリカ軍はモロ族と戦いました。アメリカはスルー王国と条約を結び、モロ族の中立を確保しましたが、これは実際にはアメリカ軍の戦争が終わるまでの時間稼ぎでした。

アメリカの侵攻は1904年に始まり、ジョロのバグサック山やブッダジョの戦いなどで激しい抵抗が続きました。最終的には、アメリカ軍はモロ人に対する大規模な虐殺を行い、1915年にアメリカはスルー王国にカーペンター条約を強制しました。その後もモロ族による反乱は続き、第二次世界大戦中の日本占領下でも、モロ人は日本軍に対する反乱を行いました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/モロ紛争

性能

  • 標準的な.45ACP弾は230グレインの弾頭が秒速約830fps(253m)で飛翔し、近距離で高いストッピングパワーを発揮します。
  • .45ACPは高いエネルギー伝達と大きな創傷を生み出し、脅威を素早く無力化する能力が評価されています。
  • ホローポイント弾は着弾時に拡張し、ストッピングパワーをさらに向上させます。
  • 亜音速弾であるため、サプレッサー(消音器)を使用した際の銃声が抑えられます。

.45ACPは、強力なストッピングパワーがあると信じられてきた背景があります。

ストッピングパワーとは、対象を無力化する力です。

一般的に185~230グレインの重い弾頭が使用され、着弾時に大きなエネルギーを伝達するため、護身用としてや、法執行機関で信頼されました。

また、口径が大きいため、「穴が大きい=出血が多い=ストッピングパワーがある」という考えをもつユーザーが多いのも事実です。

.45ACPが他の拳銃弾と比較してストッピングパワーに優れるという点については議論がありますが、信頼を持つ人が多いのは間違いないでしょう。

ストッピングパワーの議論については、以下の記事で詳しく解説しています。

信頼性が高い

ピストルとマガジンの画像

1911ピストルは、信頼性と耐久性で定評があり、これは.45ACP人気に影響しています。

私自身もアメリカで.45口径の1911ピストルを所持していたため、その信頼性の高さは身をもって感じています。

もちろん、大量生産品であるため一部不良品も存在しますが、元となる設計は優秀です。

正しく管理していればジャム(装填不良・排莢不良)は無く、多少グリップが甘くても確実に作動します。

.45ACPは反動が大きいため、反動を利用して作動するセミオートピストルとの相性が良いといえるでしょう。

精度とコントロール

大きなサイズにもかかわらず、.45 ACP弾は精度とコントロール性で知られています。

1911ピストルの場合、スライド式のシングルアクショントリガーを利用していることもあり、一貫して短いトリガープルとシャープな切れ味が高い命中率に貢献しています。

9mmピストルなどと比較すると反動が大きいのがデメリットですが、反動に慣れた経験豊富な射手は問題なくコントロール可能です。

射撃競技におけるメリット

射撃する女性のイメージ画像

.45ACPは、USPSA(United States Practical Shooting Association)やIDPA(International Defensive Pistol Association)などの射撃競技でも人気があります。

USPSAのシングルスタック部門では、「メジャー」スコアリングシステムを適用するために、パワーファクター165以上を必要とします。

射撃競技における「パワーファクター (PF)」 とは、反動が大きい弾薬を優遇するために使用されるランキングシステムで、反動が大きく弾頭重量が重い.45ACPは「メジャーパワーファクター」の追加ポイントを得られます。

このシステムでは、「Aゾーン」外に命中した場合に追加ポイントが与えられます。

例えば、「B」や「C」のゾーンに命中した場合、メジャーパワーファクターでは4ポイント、マイナーパワーファクターでは3ポイントが与えられます。

また、「Dゾーン」に命中した場合、メジャーパワーファクターでは2ポイント、マイナーパワーファクターでは1ポイントが与えられます。

ただし、「メジャー」を使用する場合、標準の8連マガジンのみが許可されており、「マイナー」は最大10連マガジンを使用することができます。

.45ACPを使用することに「装弾数が少ない」「反動が大きいため次弾発射までに時間を要する」などのデメリットもありますが、上手く利用すれば高得点を得られます。

一方、IDPAにおいては、カスタム防衛ピストル部門があり、こちらは45ACP口径の銃にメジャーパワーファクターを必要としており、この部門では1911ピストルのカスタムが認められ、最大8連マガジンが使用可能です。

サプレッサー使用時の減音効果が高い

画像出典:Wikipedia

サプレッサーを使用しても、超音速の弾薬を使用するとソニックブームの大音響により減音効果が十分に得られません。

しかし、.45ACPのほとんどは亜音速であるため、サプレッサー(消音器)に最適です。

.45ACPは低速でありながらマズルエナジーが大きいため、これが最近の人気の高まりにつながっています。

メリットとデメリット

ピストルとホルスター画像

.45ACPのメリット・デメリット

.45ACPのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 高いストッピングパワーとエネルギー伝達
  • M1911やGlock 21など、多くの銃で使用可能
  • 近距離戦闘や護身に優れた効果
  • 銃身への負担が少ない(9mmよりも低圧)
  • サプレッサーとの相性が良い(亜音速で発射)

デメリット

  • 9mmと比べて反動が大きい
  • 装弾数が少ない
  • 9mm弾と比べて弾が大きく重いため携行性に劣る
  • 低速弾のため、貫通力が低く防弾装備に弱い
  • 価格が高い
  • 長距離では弾道が落ちやすく命中率が低下
  • FBIテストでは、反動が大きく連射時の命中率低下が指摘

最新のピストルと1911ピストルの比較

M18ピストル画像

現代のピストルと1911ピストルは、設計、機能性、用途において大きく異なります。

現代の代表的なピストルとして「SIG P320」を例に、1911ピストルと比較してみます。

項目SIG P3201911
タイプセミオートマチックピストルセミオートマチックピストル
アメリカ合衆国
ドイツ
スイス
アメリカ合衆国
設計者ショーン・トナー
マイケル・W・メイヤー
ジョン・ブローニング
設計年2014年1911年(モデル1911)
1924年(モデル1911A1)
製造元SIG Sauer Inc.コルト
S&W
キンバー
スプリングフィールドアーモリー
ノリンコなど多数
製造年2014年~現在1911年~現在
重量833g(29.4 oz)1,100g(39 oz)
全長203mm(8.0インチ)216mm(8.5インチ)
銃身長120mm(4.7インチ)127mm(5.03インチ)
(ガバメントモデル)
口径9×19mmパラベラム
.357 SIG
.40 S&W
10mmオート
.45 ACP
.45 ACP
アクションショートリコイル
SIG Sauerシステム
ショートリコイル
銃口初速1,200 ft/s(365 m/s)830 ft/s(253 m/s)
有効射程25m50m
装弾数10発マガジン(.45 ACP)
14発マガジン(.357 SIG、.40 S&W)
17発、21発または32発マガジン
(9×19mmパラベラム)
7発、8発、9発、10発
または12発
サイト固定式アイアンサイト
(フロント:ブレード、リア:ノッチ)
オプションのトリチウムナイトインサート
RXモデルのリフレックスサイト
RXおよびTacopsモデルのハイサイト
固定式アイアンサイト
(フロント:ブレード、リア:ノッチ)

SIG P320は現代的なモジュラーデザインを採用しており、ポリマーフレームと取り外し可能なファイアコントロール・ユニット(FCU)が特徴です。軽量で、トリガーの引きやすさが一貫しており、9mm弾で15〜17発の装弾数があります。

一方、1911はクラシックなスチールフレーム構造で、シングルアクション、回転式ハンマーを利用した設計です。精度が高く、軽いトリガープルが特徴で、.45ACP弾を7〜8発装填可能な装弾数となっています。

安全機能において、SIG P320はインターナルセイフティを備え、ドロップセイフティ機能もありますが、外部のマニュアルセイフティは多くの市販モデルにはありません。(マニュアルセイフティの有無はモデルによって選択可能)

1911はグリップセイフティやマニュアル・サムセイフティを備え、より多くの外部安全装置があります。

SIG P320は多様なカスタマイズが可能で、近代的なアクセサリにも対応していますが、1911は広範なアフターマーケットのカスタマイズオプションがあるものの、現代的なアクセサリには制限があります。

総合的に見ると、両者の選択は、使用目的や個人の好みによります。

SIG P320は現代的でハイキャパシティーの装弾数を持ち、メンテナンスが簡単でユーザーフレンドリーな設計です。

一方、1911は優れたトリガーと精度、クラシックな魅力で高い人気を誇ります。

比較項目SIG P3201911
設計と構造モジュール設計
ポリマーフレーム
独立ファイアコントロールユニット
ストライカー式作動方式
一貫したトリガープル
軽量
オールメタル構造
スチールフレームとスライド
シングルアクションハンマー式
比較的重い
トリガーストライカー式
軽く短いトリガープル
一貫したトリガープル
シングルアクショントリガー
シャープで軽いトリガープル
安全機能ストライカーセイフティロックレバー
ディスコネクター
ドロップセイフティ
セカンダリーシアノッチ
グリップセイフティ
マニュアルサムセイフティ
ハーフコックノッチ
装弾数と口径15~17発(9mm)
他の口径にも対応
7~8発(.45ACP)
他の口径にも対応
カスタマイズ性モジュール設計
グリップや口径の変更が容易
アフターマーケットパーツが豊富
最新アクセサリーに制限あり
エルゴノミクスモダンデザイン
軽量
携帯性に優れる
自然な照準が可能
クラシックなグリップ角度
スリムなプロファイル

総合的には、以下のメリットとデメリットがあります。

1911ピストルのメリット・デメリット

1911ピストルの画像

1911ピストルのメリット

  • シングルアクションのトリガーにより高い精度を実現。
  • 軍用・民間用として100年以上の信頼と実績がある。
  • スチール製フレームで耐久性が高い。
  • 自然なグリップ角度と薄いフレームで、握りやすく操作しやすい。
  • .45ACP弾の高いストッピングパワーを活かせる。
  • アフターマーケットパーツが豊富で、グリップ、トリガー、サイトなどの交換が可能。
  • アメリカ軍との深い関わりを持ち、アメリカの銃文化を象徴するモデル。

1911ピストルのデメリット

  • .45ACP弾の反動は大きめで、リコイルコントロールに慣れが必要。
  • シングルスタックマガジンのため、.45ACPモデルは装弾数7~8発と少なめ。
  • 重量があり、携帯性に劣る。
  • コンパクトモデル(コマンダーやオフィサーモデル)もあるが、現代の小型ハンドガンほどコンパクトではない。
  • 分解・組み立てが複雑で、GlockやSIG P320のような現代的なピストルと比べると手間がかかる。
  • 定期的なクリーニング・潤滑が必須で、放置すると作動不良が起こる可能性あり。
  • 高品質な1911は1,000ドル(約15万円)以上が一般的。
  • 低価格モデルは品質や耐久性が劣る場合があり、信頼性に不安が残る。
  • グリップセイフティとサムセイフティを正しく操作するには訓練が必要。

SIG P320のメリット・デメリット

M18ピストル画像

SIG P320のメリット

  • モジュラー設計で、口径、グリップ、スライドを変更可能。
  • 優れたエルゴノミクス。
  • カスタマイズ性が高い。
  • 軽量なポリマーフレームで携帯性が高い。
  • 大容量の装弾数で、戦術・ディフェンス用途で有利。
  • メンテナンスが容易で、耐久性に優れる。
  • 反動やマズルジャンプが少なく、連射がしやすい。

SIG P320のデメリット

  • トリガープルがやや悪く、リセットが長い。
  • 競合他社の同サイズモデルより重い。
  • 装弾数は10~17発と平均的だが、同サイズでより多く装弾できる競合モデルもある。
  • クラシックな1911ほどの美しさや職人技が感じられない。
  • シングルアクションほどのトリガープルの精度がない。
  • GlockやM&Pシリーズと比べると高価。
  • 暴発の報告があり、SIGの対応に不満を持つユーザーもいる。

まとめ

1911A1ピストル画像
US Government, Public domain, via Wikimedia Commons

1911ピストルとは?

  • 1911年にアメリカ軍が採用したシングルアクション・セミオートピストル。
  • .45ACP弾を使用し、高い信頼性と精度を持つ。
  • 設計者はジョン・ブローニングで、ショートリコイル方式を採用。

1911ピストルの人気が続く理由

  • 歴史的価値:第一次・第二次世界大戦、ベトナム戦争などで使用され、「アメリカの象徴」として広く認識。
  • 優れた設計:高精度なトリガー、安全装置、耐久性のあるスチール製フレーム。
  • 携帯性:スリムなデザインでコンパクトモデルの選択肢も豊富。

.45ACPの特性と「.45口径神話」

  • 歴史的背景:西部開拓時代の.45ロングコルトに始まり、.45ACPがアメリカ軍で長年採用。
  • 性能:230グレインの弾頭、発射速度約253m/s、高いストッピングパワーを持つ。
  • 戦闘での実績:戦場での信頼性が高く、強力な威力を発揮。

1911ピストルのメリット・デメリット

  • メリット
    • 高い命中精度と信頼性。
    • トリガープルの良さが射撃競技に適している。
    • .45ACP弾はサプレッサー使用時の減音効果が高い。
  • デメリット
    • 最新の9mmピストルと比較すると装弾数が少ない。
    • フルスチール構造のため重量が重い。

近代ピストルとの比較

  • SIG P320やグロックといった最新の9mmピストルは装弾数が多く、軽量で扱いやすい。
  • 1911はカスタムパーツが豊富で、個人の好みに応じた調整が可能。
  • アメリカ軍では2022年まで使用されていた。

1911ピストルと現代のピストルのどちらを選ぶかは、使用目的や個人の好みによります。

1911は歴史的価値、精密射撃の精度、美しいデザインを求めるユーザーに適しています。

一方で、最新のピストルは実用性、装弾数、メンテナンス性を重視する人に最適です。

以下の記事では.45ACP弾について詳しく解説しています。