サイレンサーコ社(SilencerCo)が新製品「ハイブリッド」と「オメガ9K」の二種類のサプレッサーを発表しました。
一般的なサプレッサーは銃の使用弾薬に合わせて設計されますが、今回のハイブリッドモデルは9mmのピストル弾から.45-70GOVのライフル弾までマルチに対応する珍しい製品です。
装着する銃によってアダプターを交換することで異なる銃に対応可能です。ライフルでは装着が簡単なQDアダプターを使用し、ピストルではピストンを組み合わせて装着します。
ピストンはショートリコイルするピストルを作動させるのに必要なパーツで、これがないと連続発射できず、エアコキのように一発ずつ手動でスライドを引く必要があります。しかし、バレルが固定されているピストルでは不要です。
モデル名 | ハイブリッド | オメガ9K |
対応口径 | 9mm~.45-70GOV | 9mm~.300BLK |
平均音圧 | 125.7デシベル (9mm) 130.4デシベル (.45ACP) 123.7デシベル (.300 BLK) 138.3デシベル (.458 SOCOM) 140.6デシベル (.45-70 GOV) |
131.5デシベル (9mm) 133.7デシベル (.300 BLK) |
重量 | 13.8オンス(391g) | 8.8オンス(250g) |
全長 | 7.8インチ(20cm) | 4.7インチ(12cm) |
直径 | 1.565インチ(4cm) | 1.475インチ(3.8cm) |
フィニッシュ | グレー・セラコート | ブラック・オキサイド |
価格(MSRP) | 999ドル(約118,700円) | 865ドル(約102,800円) |
スペックを見る限り性能が良さそうですが、メーカー発表なので「話半分」として見ておきましょう。
ハイブリッドを使用した9mmの音圧レベルは125.7デシベルとなっています。これはジェットエンジンの騒音と同等ですが、サプレッサーとしては良い性能でしょう。
9mmピストルはサプレッサーなしだと160デシベル程度なので、それに比べたらイヤープロテクターをしなくても耐えられるレベルといえます。ピストルは150~160デシベル前後、ライフルは170デシベル以下が多いので、30デシベル減音できれば合格点です。
ハイブリッド
以下、ハイブリッドの動画です。
以前記事で触れましたが、サプレッサーを装着するとガスが抜けないので、スライド周辺からモクモクと煙が漏れやすくなります。
サプレッサー動画の辛いところは、性能差が視聴者に伝わらないところだと思います。映像では音圧レベルを再現できず、音質が変わった程度しか認識できません。
私がアメリカで撮影したサプレッサー動画に「銃声の大きさはあまり変わらないな」と視聴者の方からコメントをいただくことがありますが、それを見ると「実際の生の音は違うんだけどな~」と凄さが伝わらないことが残念です。とはいえ、スピーカーで160デシベルを再現したら、とんでもない近所迷惑ですが。
オメガ9K
こちらはオメガ9Kの動画です。こもった様な独特の銃声がカッコイイですね。
耐久性の違い
そしてこちらの動画は、「もし.22LR専用サプレッサーで5.56mm弾を使用したらどうなるか?」を実験しています。
短時間にも関わらず、高温高圧に耐えられずに崩壊する様子がよくわかります。
今回のハイブリッドのような製品は、高温高圧に耐えられる性能が求められます。
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