スロベニアのArex(エイレックス)社が製造するピストル「REX zero 1(レックス・ゼロ・ワン)」は、SHOT Show 2016で展示され、アメリカ市場でも知られるようになりました。
REX zero 1は同社初のピストルであり、SIG Pシリーズと似通ったルックスです。
ところが、大きさや構造はSIGとは異なるため、サイトを除きほとんどパーツの互換性がありません。
スライドのフロントセレーション、ローディングインジケーター、ピカティニーレイル、スリードット・サイトといった基本装備は当然備わっていますが、他にSIGとは異なる機能があります。
セイフティとスライドストップ兼デコッキングレバー
SIG Pシリーズピストルでスライドストップに当たる部分は、REX zero 1ではマニュアルセイフティとなっています。
また、デコッキングレバーは下へ押し下げるとハンマーをデコックし、上へ押し上げるとスライドをホールドオープンすることができます。
スライドストップとデコッキングレバーが兼用なのは、SIGにはないREX zero 1の特徴です。
安全装置
マニュアルセイフティはアンビなので、左右どちらの手でも操作可能。
マニュアルセイフティをオンにするとトリガーバーがシアーから外れ、トリガーを引いてもハンマーが落ちない構造となっています。
また、ファイアリングピン・セイフティを装備しており、トリガーを引いたときだけ解除されるため、落下など外部の衝撃による暴発を防ぎます。
バリエーション
口径は9mmルガー、9x21mm、.40S&W、7.65mmブローニング(.32ACP)の四種類。
フレームカラーはグラファイトブラック、フォリッジグリーン、フラットダークアースの三種類です。
マガジン装弾数はそれぞれ9mmで15/18/20連が用意され、コンパクトモデルでは15/17連が用意されています。
サイズは、スタンダード、コンバット、コンパクトの三種類となっています。
スタンダード
全長 | 全高 | 全幅 | 銃身長 | 重量 |
190 mm | 140 mm | 35 mm | 108 mm | 810 g |
4.25インチバレルを装備したフルサイズのスタンダードモデルは、バリエーションの中で最も長いバレルを持ちます。
コンバット
全長 | 全高 | 全幅 | 銃身長 | 重量 |
180 mm | 140 mm | 35 mm | 98 mm | 780 g |
スタンダードより10mm短い全長で、3.85インチバレルを装備しています。
高さはスタンダードと同じです。
コンパクト
全長 | 全高 | 全幅 | 銃身長 | 重量 |
180 mm | 130 mm | 35 mm | 98 mm | 715 g |
コンバットモデルと同じ全長と銃身長ですが、高さが10mm短くなっています。
SIG P226 MK25
全長 | 全高 | 全幅 | 銃身長 | 重量 | 装弾数 | |
SIG P226 MK25 | 196 mm | 140 mm | 38 mm | 112 mm | 975 g | 15+1 |
REX zero 1 スタンダード | 190 mm | 140 mm | 35 mm | 108 mm | 810 g | 18+1 |
SIG P226と比較すると大きさが分かりやすいでしょう。(画像は同縮尺ではありません)
REX zero 1は全体的にP226よりスリムな外観です。また、セレーションの角度と溝の厚み、延長されたダストカバー、非プレスのレバー類、ファイアリングピン・ボルトの位置など、進化が見られます。
メーカー発表ではサービスライフ(使用可能寿命)3万発とのことですが、実際はどれほどの実力なのかアメリカ市場で試されることとなりそうです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
もしご質問やご意見がありましたら、お気軽にX(旧ツイッター)やYoutubeチャンネルでお知らせください。