以前から情報がリークされていたスターム・ルガー社の新製品「ルガー・アメリカン・ピストル」が、ついに公式発表され、詳細が明らかになりました。
まずはスペックを見てみましょう。
モデルナンバー | 8605 | 8607 | 8615 |
口径 | 9mmルガー | .45ACP | |
マガジン装弾数 | 17 | 10 | |
スライド材質 | ステンレススチール | ||
スライドフィニッシュ | ブラックナイトライド | ||
グリップ | エルゴノミクス・ラップアラウンド・グリップモジュール | ||
サイト | ノバック・ローマウント・キャリー 3ドット | ||
銃身長 | 4.2インチ(107mm) | ||
全長 | 7.5インチ(190.5mm) | 8インチ(203mm) | |
重量 | 30オンス(851g) | 31.5オンス(893g) | |
希望小売価格 | 579ドル(約69,800円) |
口径バリエーションは9mmと.45ACPが用意され、9mmは装弾数17+1発と10+1発があり、.45ACPは10+1発です。
材質はステンレスが多用されており、スライド、バレル、シャーシ(フレームレイル)はステンレスです。スライドとシャーシにはナイトライド・コーティングが施されているので耐久性が確保されています。トリガーメカ内部にはスチールも使用されていますが、ニッケルテフロン・コーティングが施されており、汚れに強い仕様です。このコーティングは付属マガジンにも施されており、マガジンフォロアーのスムーズな動きにガンオイルは不要となっています。
また、グリップやフレームはグラスファイバーポリマー製です。
価格は579ドルと意外とリーズナブル。口径に関わらずすべて同価格なので、.45ACPモデルは少しお買い得感があります。
ラップアラウンド・グリップモジュール
グリップはラップアラウンドで交換式となっており、手の大きさに合わせてサイズを選択できます。
9mm口径にはスモール、ミディアム、ラージの三種類のグリップが付属。.45ACPにはミディアム、ラージの二種類が付属します。これらは前後幅だけでなく、横幅の厚みもそれぞれ異なっています。
交換方法は、後ろから付属の専用ツールを差し込んで左に90度回転させるとロックが解除され、そのまま後ろへ抜けます。装着する場合は、ツールを右に90度回転させてロックします。
ダストカバーのアンダーレイルは汎用性のある1913ピカティニーレイルなので、豊富な種類のレーザーやライトを装着可能。
マガジンボトムの側面を見ると段差が確認でき、マガジンを掴んで確実に抜き取れるデザインとなっています。これはダブルフィード・ジャムといったマガジンが咬んで抜きづらくなる際に役立ちます。
プラスチックガンケース
プラスチックガンケースに収納された状態で販売され、銃本体の他、予備マガジン、モジュラーグリップ、グリップ交換用専用ツール、ワイヤーロックが付属します。
短いトリガープル
グラフはトリガープルの重さと移動距離を表しており、縦軸が重さ、横軸が距離です。
ルガー・アメリカン・ピストル(赤線)は、トリガーを引き始めてからストライカーが解放されるまでが短く設定されているのが分かります。トリガーを0.225インチ(約5.7mm)引いて6ポンド(約2.7kg)に達したところでストライカーが解放されます。
また、トリガーがリセットされる距離も短くなっており、これにより即応性と高い命中率が期待できます。
参考までに、グロックのトリガープルは箱出しで5.5ポンド(G34やG35は4.5ポンド)、1911は平均的に4~5ポンド、SIG P226は4.4ポンド(SA)、ベレッタ92FSは4.5~5.5ポンド(SA)/12~15ポンド(DA)です。
グリップセイフティ無し
サイトはノバック・ローマウントサイト。ホワイト3ドット入り。
エキストラクター下には「マガジンを抜いた状態で発射可能(GUN WILL FIRE WITH MAGAZINE REMOVED)」とレーザー刻印されています。これは、マガジンセイフティを装備していないことを意味しています。
スライド前方にはRUGERのロゴがあり、これは簡易的なスライドの滑り止めの役割も果たしそうです。
ダストカバー右側には「使用前に説明書を読め(READ INSTRUCTION MANUAL BEFORE USING FIREARM)」と注意書きがあります。
フィールドストリッピング
ロッキングはブローニング方式です。リコイルリデュースィング・バレルカムを装備し、スライドを軽量に設計することでリコイルを低減させています。
フィールドストリッピング手順は以下の通り。
- マガジンを抜いてスライドを後退させ、残弾の有無を確認。
- スライドストップを押し上げてスライドをホールドオープンさせる。
- フレーム左側のテイクダウンラッチを右に90度回転させてスライドを前方へ引き抜く。
- リコイルスプリング・アッセンブリーを抜き取る。
- バレルをスライドから抜き取る。
組み立て方法はこの逆の手順です。
ステンレス削り出しシャーシ
CNCマシンで削り出されたステンレス・シャーシと、ニッケルテフロン・コーティングが施されたスチールで構成。
スライドストップはアンビで左右対称に配置されているのが分かります。
トリガーユニット
シャーシは丸ごと取り出せるので、メンテナンス性が高くなっています。構造やデザインは全体的にSIG P320と似ています。
マガジンキャッチもアンビなので、利き手を選びません。マガジンキャッチの後ろにはダイヤモンド形の突起があり、手の感触からマガジンキャッチの場所を認識しやすいデザインです。
安全装置
ルガー・アメリカン・ピストルにはマニュアルセイフティが存在しません。装備している安全装置は内蔵型のトリガーセイフティと、オートマチック・ストライカー・ブロックだけです。
トリガーセイフティはグロックと同じ方式で、トリガー中央のパーツが指で押されることで解除されトリガーが引けます。
オートマチック・ストライカー・ブロックは、シアーの動きをブロックし、トリガーが引かれると解除される構造です。上図はルガー・アメリカン・ピストルのパテント図ですが、60番がシアー、90番がシアーブロック(シアーブロッカー)です。
トリガー(43番)はトリガーバー(45番)と連結しています。トリガーを引くとトリガーバーが前進してシアーブロックが解除され、シアーがストライカー(47番)を解放して撃発する仕組みです。これにより外部から衝撃が加わってもシアーが勝手に解除され暴発することはありません。
アクセサリー
銃の発売と同時に、ホルスターなど専用アクセサリーも販売されます。
現在、YouTubeには続々とレビューがアップされていますが、ざっと見た感じでは評判は上々です。トリガープルはスムーズでリセットも短く、コントロールしやすいピストルのようです。まさに、「ルガーが本気でフルサイズピストルを作ったらこうなった」といった製品でしょう。ルガーによれば、27,000発の+P弾薬の実射テストをクリアしたとのことです。
ストライカー方式で同サイズのピストルは各社が製品化しており、H&K VP9、SIG P320、ワルサーPPQ、ベレッタAPX・・・等々ライバルが多い中、ルガーは「ルガー・アメリカン・ピストル」と名付け、「メイド・イン・ザ・USA」を前面に押し出してアピールしています。
しかし、いくらユーザーの愛国心が強くても、アメリカ市場で実際に売れるのは「良い製品」。本当の評価が下されるまでにはまだ時間が必要なので、今後に注目したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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