ご質問を頂きました。
リボルバーの銃身、フレーム、シリンダー毎に 最も適している素材って何なんでしょうか?
S&W・M386のフレームに使われている スカンディウム合金ってどんな金属なんですか?
銃に適した素材とスカンジウムについて解説します。
銃に適した素材とは?
強度やメンテナンス性、寿命を考慮するとステンレスが優秀です。
軽量にしたい場合はフレームなど強度を必要としない場所にアルミ合金などが使用されます。
銃身やシリンダーは強度を必要とするため、アルミ合金は使用されません。
リボルバーの世界では近年、コンシールドキャリー(隠匿携帯)人口増加に伴い軽量化された製品が増えています。そのため、このジャンルのリボルバーには軽量で硬度があり、コストの安い金属が適しています。
性能を追求するうえで最も効果があるのは先に述べた軽量で硬度の高い金属ですが、硬度が高いということは加工しにくくなったり、コストが増加することもあります。
いくら性能が良くても過度に高価では製品が売れません。これでは良い金属でも銃に製品として適しているとは言えなくなります。
コストや銃の使用目的に適合した材質の金属が「最も適した素材」と言えるかもしれません。
スカンジウムとは?
軽量で硬性が高く、コスト高な金属のひとつです。
原子番号は21。銀白色をしており、スカンジナビアで発見されたことからスカンジウムと名付けられました。
素材の色は銀白色ですが、銃に利用される際にはコーティングにより黒も存在します。
スカンジウム開発の歴史は古く、発見されたのは19世紀まで遡りますが、発展したのは冷戦時代の旧ソ連でした。
スカンジウムはアルミ合金より軽量で硬性があり、自転車のフレームから宇宙開発の現場まで様々使用されています。
しかし、稀少な金属であることから鉱物そのものが高価です。
フレームに使用する素材として優秀ですが、高価になりがちです。
スカンジウムフレームは軽量なためコンシールドキャリーを目的とした場合に好まれますが、一方で軽量な銃は反動が強く感じられるため手への負担が大きく、不快に感じられることがあります。
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