アメリカの銃規制に関するクイズです。
※法律は常に改正されます。ここで述べている内容は記事更新時のものです。
問題1
アメリカの法律上、これは何?
- ピストル
- アサルトライフル
- アサルトウェポン
- マシンガン
- この画像では判断できない
この画像では判断できない
アサルトライフルとは、セミオート射撃(単発)とフルオート射撃(連発)が切り替え可能な、着脱式マガジン(弾倉)が備わっているオートマチック・ライフルを指します。
マシンガンとは、引金を引いているかぎり弾を連続発射できる銃を指します。通常、マシンガンとはライトマシンガン(軽機関銃)やへヴィーマシンガン(重機関銃)を指しますが、アメリカの法律ではフルオート射撃が可能な銃はすべて「マシンガン」のカテゴリーに入り、フルオート射撃が可能なピストルもマシンガンとして扱われます。
アサルトウェポンとは、以下の条件に該当する銃を指します。
着脱式マガジンを持つセミオートマチック・ライフルのうち、以下のいずれか2つ以上が備わっている銃
- フォールディング/テレスコピックストック
- ピストルグリップ
- バヨネット・マウント
- フラッシュサプレッサーまたはスレデッドバレル
- グレネードランチャー・マウント
着脱式マガジンを持つセミオートマチック・ピストルのうち、以下のいずれか2つ以上が備わっている銃
- ピストルグリップの外側にマガジンを装着
- フラッシュサプレッサー、ハンドグリップ、サプレッサーを装着可能なスレデッドバレル
- 火傷防止用バレルシュラウド
- アンロード時重量50オンス(1.4kg)以上
- フルオートマチック銃のセミオートマチック・バージョン
セミオートマチック・ショットガンのうち、以下のいずれか2つ以上が備わっている銃
- フォールディング/テレスコピックストック
- ピストルグリップ
- 着脱式マガジン
問題2
これは州によっては合法的に所有可能なセミオートマチックの銃(Zastava M92PV)です。
使用弾薬はライフル弾(7.62x39mm)を使用し、ストックは付属しません。また、全長は約49cmで、銃身長約26cmです。
この銃はライフルのストックを排除したのではなく、新品で店頭販売時からこの状態です。
この銃は法律上どのカテゴリーに属しますか?
- ピストル
- ショートバレルライフル(SBR)
- ライフル
- サブマシンガン
- マシンガン
ピストル
銃身長16インチ(41cm)未満、または全長26インチ(66cm)未満のライフルは「ショートバレルライフル(SBR)」のカテゴリーに入りますが、ピストルとして製造された場合はピストルのカテゴリーに入ります。ストックがあればライフル、ストックがなければピストルとなり、ピストルにストックを装着すればショートバレル・ライフルのカテゴリーに入ります。※例外あり
このAKピストルを購入してストックを装着すればショートバレルライフル(SBR)として登録し合法的にライフル化できますが、ライフルとして製造された銃のストックを排除しピストル化するのは違法です。
ピストルをライフル化し、さらにピストルに戻すのは合法です。
問題3
銃規制法「ナショナル・ファイアーアームズ・アクト(National Firearms Act)」では、各州間で売買するガンディーラーに売買記録を義務付けさせ、起訴された人物や暴力事件で有罪判決を受けた人物による銃の購入を規制しました。
この銃規制法が制定されたのは何年?
- 1834年
- 1934年
- 1938年
- 1968年
- 2004年
1938年
ナショナル・ファイアーアームズ・アクト(NFA)は1934年と1938年に制定されました。
1934年のNFAではマシンガンやソードオフ・ショットガンの製造や販売に200ドルの課税と登録が義務付けられました。
1938年のNFAではガンディーラーに売買記録を義務付けさせ、起訴された人物や暴力事件で有罪判決を受けた人物による銃購入を規制しました。
問題4
1968年に制定された銃規制法「ガン・コントロール・アクト(GCA1968)」では何が規制された?
- マガジンの装弾数を10発に制限した
- スポーツ目的以外の銃の輸入を規制した
- 50口径ライフルを規制した
- マイクロスタンプを規制した
- 実家に帰省した
スポーツ目的以外の銃の輸入を規制した
1968年の銃規制法では麻薬や精神病を患う者が銃を購入することを禁止し、フェデラル・ファイアーアームズ・ライセンス(免許制度)を義務化する他、スポーツ目的以外の銃の輸入を規制しました。「スポーツ目的」とはハンティングまたは射撃競技を指し、遊びで撃つプリンキングは含まれません。この法律により、特定の軍用銃の輸入が規制されました。
1994年の銃規制法「フェデラル・アサルト・ウェポン・バン(Federal Assault Weapons Ban) (AWB)」では、2004年までの時限立法として装弾数が10発に制限されました。
2004年のカリフォルニア州法では.50BMGを規制し、.50口径ライフルを規制しました。
問題5
NRA全米ライフル協会 (National Rifle Association)の会員数(2013年)はおよそ何人?
- 500人
- 5千人
- 5万人
- 50万人
- 500万人
500万人
NRAは1871年11月17日にニューヨークで設立され、会員数35人からスタートしました。
現在は500万人を超える会員数となり、政治的影響力が年々強くなっています。
マスコミはNRAが諸悪の根源のように報道しますが、NRAは多くの国民からの会費や寄付金により支えられた氷山の一角に過ぎません。
問題6
アメリカの銃砲店(リテイラー)の総数(2012年時)は?
- 11,234店
- 13,381店
- 37,564店
- 51,438店
- 実は誰も把握していない
51,438店
アメリカの銃砲店(リテイラー)は51,438店(2012年)となっており、日本国内のコンビニ店舗数51,814店(2014年12月)に匹敵します。
全米のマクドナルド店舗数は13,381店舗(2010年)、全米のスターバックスの店舗数は11,234店舗(2013年)です。
問題7
合衆国憲法修正第2条には次のように書かれています。
「規律ある民兵は自由国家の安全にとって必要であり、武器を保持し、かつ武装する人民の〇〇は侵害されてはならない」
〇〇に入る言葉は何?
- 行動
- 義務
- 権利
- 銃所有権
- 意思
権利
「規律ある民兵は自由国家の安全にとって必要であり、武器を保持し、かつ武装する人民の権利は侵害されてはならない」
“A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.”
銃規制により銃を撤廃することはもちろん、銃の購入に高いハードルを設けることは「憲法違反」と議論されることがあり、「政府が暴走した場合、人民には武力で政府を倒す権利がある」という歴史的背景があります。
問題8
アメリカで銃規制法を立法するのは誰?
- ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)
- FBI(連邦捜査局)
- 国民
- 議会
- フリーメイソン
議会
立法権は議会にあります。
大統領は拒否権を持ちますが、拒否された場合でも議会の2/3が賛成すれば可決されます。
FBI(連邦捜査局)やATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)は法律を執行する法執行機関です。
問題9
銃購入時に必要な犯罪歴照会(バックグラウンドチェック)は誰が行う?
- 購入者の自宅近くの警察署
- ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)
- FBI(連邦捜査局)
- CIA(中央情報局)
- DEA(アメリカ麻薬取締局)
FBI(連邦捜査局)
FBI(連邦捜査局)がNICS(ナショナル・インスタント・バックグラウンドチェック・システム)を使用して照会します。
問題10
80~90年代と比較して、2000年代の「銃による死者」は増えている? それとも減っている?
- 増えている
- 減っている
- ほぼ横ばい
減っている
統計グラフを見ると、自殺(青線)と殺人(赤線)共に減少傾向にあります。
一方、いわゆる「銃乱射事件」による死者(グラフ赤)と負傷者(グラフ青)は増加傾向にあります。
銃の総数は増加、銃による死者は減少、突発的大量殺人の死者は増加という状態です。
問題11
アメリカの銃規制法上、銃はパーツによって「銃とみなされるパーツ」と、「銃ではないパーツ」に分かれます。
上の画像のピストルで、銃とみなされるパーツは次のうちどれ?
- 銃身
- 引金
- スライド
- フレーム
- マガジン
フレーム
銃のパーツのうち、シリアルナンバーが打刻されたパーツ(銃1丁に1点)を銃とみなします。
よって、ピストルではフレームが銃としてカウントされ、ライフルではレシーバーが該当します。
シリアルナンバーが打刻されたパーツは銃として扱われるため、登録の義務や、郵送時に免許を持つディーラーを介するなど規制がありますが、それ以外のパーツは規制が無く、誰でも自由に購入できます。
ただし、その他の法律に抵触するようなパーツ(フルオート化するなど)は規制対象です。
問題12
次の連邦法の説明のうち、間違っているのはどれ?
- エックス線や金属探知機に反応しない銃は違法である
- 無許可で軍用ライフルスコープを米国に輸入できる
- ガンスミスを仕事とするには免許が必要である
- マシンガンのパーツは、ATFが指定した方法であれば合法的にアメリカに輸入できる
- 無免許で銃を製造するのは違法である
無免許で銃を製造するのは違法である
ここでは連邦法について述べています。
連邦法で合法でも州法で違法となる場合があるため、行動する前に州法を調べるのが重要です。
- エックス線や金属探知機に反応しない銃は違法です。3Dプリンターで製造する際は注意が必要でしょう。
- 軍用ライフルスコープを米国内へ輸入するには以前は許可が必要でしたが、現在は法改正により不要となりました。
- ガンスミスは法律上ディーラーとして扱われるため、ディーラー・ライセンスが必要です。
- マシンガンパーツはATFが指定する方法でレシーバー等を切断しマシンガンとして組み立てられない状態とすることで輸入可能です。
詳細はATFが発行するガイドブック(PDF)に書かれています。
無免許で銃を自作するのは原則合法です。
ただし、製造する銃は既存の法律に照らし合わせて合法なスペックである必要があります。
例えば、銃身長18インチ未満のピストルを製造し銃身にライフリングを設けなかった場合はAOW(その他の武器)のカテゴリーとして扱われるため、登録用紙ATF Form1に記入しATFへの登録と200ドルの税金を支払う必要がありますが、銃身にライフリングを設けたらピストルとなるため登録不要です。
もしライフリングのないピストルを製造し、それにストックを装着すればショートバレル・ショットガン(SBS)のカテゴリーに入るため登録が必要ですが、銃身長が18インチ以上であればショットガンとなり登録不要です。
マシンガンの製造は政府に納品することが記載された書類を提出しなければ製造できません。
また、自作の銃を譲渡や販売する場合は「製造業者」としてFFL(フェデラル・ファイアーアームズ・ライセンス)が必要です。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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