
この記事の要約:
- グロックの「セーフアクション」は、トリガーセーフティ・ファイアリングピンブロック・ドロップセーフティの3つの内蔵安全装置で構成され、外付けマニュアルセーフティを不要にしている。
- トリガーを引かない限り撃針は前進できず、落下衝撃でも暴発しないよう、撃針の前進を物理的に阻止する構造が組み込まれている。
- カスタムトリガー導入時は、ドロップセーフティが正常に機能するか要確認で、誤作動のリスクがある点が注意事項として解説されている。
グロックピストルの安全機構として知られる「セーフアクション(Safe Action)」は、従来の手動式セーフティと異なる内蔵型の安全装置です。本機構はトリガーを引く動作に連動して安全機構を解除し、射手の意図しない状況下では発射できない構造になっています。
この記事ではセーフアクションの基本的な仕組みや、どのように安全性を確保しているかを詳しく解説します。
グロックのセーフアクションとは?
グロックピストルには三つの内蔵セーフティ(セーフアクション)を備えており、これらのセーフティがあるためマニュアル・セーフティを必要としないとグロック社は説明しています。
内蔵安全装置は以下の三つです。

トリガーセーフティ

トリガーの内部にレバー(トリガーセーフティ)が備わっており、トリガーに指を掛けると解除されます。
トリガーに付属するレバーを押し込まない限りトリガーが引かれることはありません。
落下の衝撃でもトリガーが自重で引かれない構造です。
ファイアリングピン・ブロック・セーフティ

ファイアリングピンブロックが撃針(ファイアリングピン/ストライカー)の前進を妨げて雷管(プライマー)に接触するのを防ぎます。

トリガーを引くとトリガーバーがファイアリングピンブロックを押し上げ、撃針が前進可能な状態になります。
トリガーを引いた時のみ解除され、落下の衝撃でも撃発しない構造です。
ドロップ・セーフティ


発射準備完了状態ではトリガーバー後部のシアーが撃針後部と接触し、撃針の前進を妨げています。

トリガーを引くとトリガーバーが後退し、トリガーバー後部が下方へ落ちると撃針との接触が断たれて撃針が前進し撃発します。
もし落下など外部からの衝撃を受けトリガーバーが下方へ落ちると撃発(暴発)します。
これを防ぐためにグロックではドロップセーフティが備わっています。

上の画像はグロックのトリガーメカハウジングで、中央の穴にトリガーバーの左側後部が嵌め込まれる構造です。
前方側が狭く、後方側が広くなっているのがわかります。

トリガーバーが前進した状態(トリガーが引かれていない状態)では、穴の狭い部分にトリガーバーが嵌り、トリガーバーが下方へ落ちない状態となっています。
外部からの衝撃を受けてもシアーと撃針の接触が維持され、撃発しない安全な状態です。

トリガーを引くとトリガーバーが下方に落下可能な状態になります。

トリガーバーが後退するとトリガーバー右側がコネクターの傾斜部分に接触し、トリガーバーが下方へ落ち撃針を解放、撃発します。
サードパーティー製カスタムトリガーを組み込んだとき、設定ミスによってトリガーバーが若干後退した状態となり、トリガーを引いていない状態でもトリガーバーが落ち込みやすい状態になる場合があります。
そのためカスタムトリガーを導入する際は、ドロップセーフティが確実に機能しているか確認する必用があります。
まとめ
| セーフティ名 | 役割 | 解除されるタイミング |
|---|---|---|
| トリガー・セーフティ | トリガー中央のレバー。 指で押し込まない限りトリガーが動かない | トリガーに指をかけた瞬間 |
| ファイアリングピン・ブロック・セーフティ | 撃針の前進を物理的にブロック | トリガーを引いてトリガーバーがブロックを押し上げた時 |
| ドロップ・セーフティ(落下安全装置) | トリガーバー後端が撃針を保持し、落下衝撃で撃針が前進しないようにする | トリガーを引き、トリガーバーが後退して下がった時 |
グロックのセーフアクションは、手動式セーフティレバーを持たない代わりに、3つの内蔵安全装置が連動して作動する仕組みです。
- トリガーに組み込まれたトリガーセーフティで、意図しないトリガー操作を防ぐ。
- 撃針の前進を物理的に阻止するファイアリングピン・ブロック・セーフティ。
- 落下などの衝撃による誤作動を防ぐドロップ・セーフティ。
これら3つの安全装置は、トリガーを引く動作に連動して順に解除され、トリガーから指を離すと自動的に再び作動します。この構造により、射手の操作負担を増やすことなく高い安全性を確保しています。
セーフアクションの仕組みを理解しておくことで、グロックピストルをより安全かつ適切に運用できるようになります。
