ガトリングガンは回転させながら弾を打ち出しますが、これのメリットってなんかあるんでしょうか?
ガトリングガンのルーツは古く1600年代まで遡りますが、現在のような複数の銃身が回転する形は1860年代に完成しました。この頃は手でクランクを回して回転させるという手動に頼ったものですが、その目的は昔も今も同じく、発射速度や火力を求めた結果誕生しました。
現在のガトリング(バルカン)は毎分400~4000発(理論上の上限は約6000発)という速度で弾丸を発射しますが、単銃身ではこの回転速度で発射しようとしても実現できません。非常に短い時間ですが、弾を銃に送り込んで撃発させて排莢するという一連の動きには時間が掛かります。よって、この問題を解消するためにも銃身を回転させ、撃発中の銃身と装填中の銃身を分ける必要がありました。
一方、単砲身で速射を実現させたものに「チェーンガン」と呼ばれるものがあります。有名な例としては米陸軍のAH-64攻撃ヘリ(通称アパッチ)の下部に備えられているもの(M230 30mm口径)ですが、これはチェーン駆動によって弾薬を機械的に送り込んで装填しています。これによって単砲身での速射(毎分600~650発)が可能となりました。
バルカン砲のデメリットは、複雑なメカニズムと重量、コスト(製造コストや弾薬コスト)の問題です。そのために個人携帯火器としてではなく、ヘリや航空機、または艦船に搭載されるのが一般的になっています。ガトリングガンは1800年代に使用されなくなっていきましたが、第二次世界大戦時にその圧倒的火力と性能が評価され、当時の「バルカン計画」が由来となってバルカンシステムが確立しました。
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