
銃の口径とは、銃身の内径です。
ただし、「口径」と呼ばれる数値が、必ずしも実際のサイズと一致するわけではありません。
例えば、同じ9mm弾でも、民間規格と軍用規格ではわずかに口径が異なります。また、.38スペシャル弾と.357マグナム弾は名称が異なるものの、実際には同じ口径です。
この記事では、初心者にも理解しやすい形で口径の基本を解説します。
「銃身の仕組み」「インチ表記とミリ表記の違い」「代表的な弾薬の実寸法」「ショットガンや大砲における口径の考え方」まで、幅広く取り上げます。
※専門用語は記事の最後で解説しています。
銃の口径とは?意味と基本の定義
銃の口径=銃身内径

銃の口径は、銃身の内側にある「弾頭が通る空間」の直径を指します。
一般的に口径はインチやミリメートルで表され、どの弾薬を安全に使用できるかを決める重要な基準です。
弾の直径と口径の違い(山径・谷径の関係)

口径を理解するには、銃身に備わっているライフリングの構造を理解する必要があります。
銃身内の溝、いわゆるライフリングとは、銃身内部に施された螺旋状の切り込みです。この溝によって、弾頭は銃身内を通る際に回転しながら発射されます。
弾頭に回転を与えることでジャイロ効果によって飛翔中の姿勢が安定し、直進性が高まることで命中精度が向上します。
ジャイロ効果とは、回転している物体がその向きを保とうとする性質のことです。
これはライフリング(螺旋状の溝)が備わっている銃身(バレル)の断面図です。

図Aが山径、図Bが谷径で、英語圏では山がランド(Land)、谷はグルーブ(Groove)と呼ばれます。
また、銃身の内側をボア(Bore)と呼称するため、山径は「ボア径」ともいいます。
弾頭(鉛や銅合金)は銃身(クロムモリブデン鋼やステンレス鋼)よりも柔らかいため、発射時には弾頭がライフリングの溝に食い込んで回転が与えられます。
銃の口径の単位|インチ表記とミリ表記の違い

一般的に口径は山径を意味することが多いですが、国や地域によって異なります。
インチ表記の口径例(.45ACPなど)
アメリカで誕生した多くの弾薬が谷径を基準として口径を定めています(例外あり)。
例えば、.45口径の「.45ACP弾」は、谷径が11.43mmで、谷径が口径です。
また、.30口径の「.308 ウィンチェスター弾」では、谷径は0.308インチ(7.82mm)で、谷径が口径です。
弾薬名 | 公称口径 | 山径(mm) | 谷径(mm) | 弾頭径(mm) |
---|---|---|---|---|
.45 ACP | 0.45インチ 11.43 mm | 11.23 | 11.43 | 11.405~11.481 |
.308 Win (7.62×51 mm) | 0.308インチ 7.82 mm | 7.62 | 7.82 | 7.773~7.849 |
アメリカ製弾薬で山径を口径とする例外には以下があります。
ミリ表記の口径例(7.62×39 mmなど)
欧州など、アメリカやイギリス以外の国では、山径を基準とする傾向があります。
例えば、AK-47で使用される7.62x39mmがあり、山径が7.62mmで、山径が口径です。
弾薬名 | 公称口径 | 山径(mm) | 谷径(mm) | 弾頭径(mm) |
---|---|---|---|---|
7.62×39 mm | 7.62 mm | 7.62 | 7.92 | 7.85~7.9 |
命名規則:弾薬名には採用年や装薬量を示す数字が含まれることがあります。
ヨーロッパの弾薬は一般的に「弾頭径×薬莢長(mm)」で表されます。代表例は9×19(9mmパラベラム)です。名称に発明者や企業名が付く場合もあり、7.63mmマウザーや9mmグリセンティなどが存在します。しかし例外もあり、.338ラプアマグナムのようにインチ表記が残る場合もあります。
「◯◯口径は何ミリ?」代表的な弾薬の口径を解説
銃の口径名称と実寸は必ず一致しません。
ここでは初心者でも理解しやすい、拳銃弾・ライフル弾の代表例を紹介します。
9mm弾を使用する銃の口径は9mmではない

9mm弾(9x19mm、9mmルガー、9mmパラベラム)は、一般的に「9mm口径」と呼ばれます。
しかし、実際の寸法は名称と完全には一致していません。
まず、銃身の山径は約8.79mmで、これが9mm弾の実際の口径です。
一方で、谷径は約9.02mmとなっています。
この銃身を通過する弾頭の直径は、製造公差を含めて8.957~9.03mmです。
弾薬名 | 公称口径 | 山径 (口径) | 谷径 | 弾頭径 |
---|---|---|---|---|
9x19mm | 9 mm | 8.79 mm | 9.02 mm | 8.957~9.03mm |
実際に使用される弾頭は、主に以下の2種類があります。
つまり「9mm弾」とは便宜的な呼称であり、実際には山径・谷径・弾頭径にそれぞれ異なる寸法が存在しています。
以上は民間規格の9mm弾の解説でしたが、軍用の9mm弾は少しサイズが異なっています。
民間用9mm弾と軍用9mmNATO弾の口径の違い
「民間規格」と「NATO(北大西洋条約機構)の共通規格」は、同じ弾薬でも口径に差があります。
9mm NATO弾はNATO規格(STANAG / AOP-4090)に準拠しており、民間の9mm弾よりわずかに口径が大きく設定されています。
以下の表は、民間規格(SAAMI)と軍用規格(NATO)の9mm弾を比較しています。
弾薬名 | 公称口径 | 山径 (口径) | 谷径 | 弾頭径 |
---|---|---|---|---|
9x19mm (SAAMI) | 9 mm | 8.79 mm | 9.02 mm | 8.957~9.03 mm |
9mm NATO (NATO) | 9 mm | 8.81~8.82 mm | 9.04~9.07 mm | 最大9.65 mm |
9mm弾の口径は、民間用が8.79mm、軍用では公差を含めて8.81~8.82 mmと設定されています。
項目 | 9x19mm (SAAMI) | 9mm NATO (NATO) |
---|---|---|
最大圧力 | 約35,000 psi | 約36,500 psi |
弾頭重量 | 115~147 gr | 108~128 gr (標準124 gr) |
初速(124 gr弾) | 約1100~1150 fps | 約1200~1250 fps |
マズルエナジー | 約350 ft-lbf | 約400 ft-lbf |
主な用途 | 民間用 | 軍用 |
9mm NATOの規格
9mm NATO銃身の規格
9mmピストルと9mm NATO弾の互換性
9mm NATO弾は、現代の高品質なピストルでメーカーが「9mm +P対応」と明記している場合に限り、安全に使用することができます。この弾薬は標準的な9mmルガー弾よりも高い圧力で装薬が設定されており、およそ36,000psiに達します。これはSAAMI規格で定められた標準弾の上限である35,000psiを上回り、+P弾に近い水準ですが、+Pの最大値である約38,500psiには届きません。そのため、+P対応銃であれば通常の使用に耐えられますが、古い銃や低品質な銃で使用すると摩耗や破損のリスクが高まります。
グロック、SIG、ベレッタといった主要メーカーが過去40年以内に製造したピストルは、基本的に9mm NATO弾の圧力に耐えられるよう設計されています。しかし、実際に使用する前には必ず取扱説明書を確認するか、メーカーに問い合わせることが推奨されます。特に、アンティーク銃やコレクター向けの銃、あるいは+P非対応の銃で9mm NATO弾を使用するのは危険です。
結論として、9mm NATO弾はメーカーが+P対応と明記したピストルにのみ使用可能であり、それ以外の銃での使用は控えるべきでしょう。
SAAMI規格とNATO規格は以下の違いがあります。
.38口径と9mm口径の違い

.38口径と9mmは、どちらの口径もミリメートル換算で約9mmです。ですが、公称の口径と実際の口径は少し異なります。
.38口径(.38オート、.38スペシャル、.380ACPなど)の名称は「0.38インチ(9.65mm)」ですが、実際の口径(谷径)は9.02mmが多くみられます。

一方、9mm弾(9×19mm)の公称は「9mm」ですが、実際の口径(山径)は8.79mmです。
以下の表で比較すると、同じ.38口径でも弾薬の種類によって口径(谷径)に違いが見られ、山径を口径とする9mm弾との違いがわかります。
弾薬 | 公称の口径 | 山径 (mm) | 谷径 (mm) | 弾頭径 (mm) |
---|---|---|---|---|
.38 オート | 0.38インチ 9.65 mm | 8.79 mm | 9.02 mm | 8.890~9.042 mm |
.38 S&W | 0.38インチ 9.65 mm | 8.89 mm | 9.131 mm | 9.169~9.017 mm |
.38 SPL | 0.38インチ 9.65 mm | 8.79 mm | 9.02 mm | 9.017~9.093 mm |
.380 APC | 0.38インチ 9.65 mm | 8.84 mm | 9.02 mm | 8.979~9.055 mm |
9×19 mm | 9 mm | 8.79 mm | 9.02 mm | 8.957~9.03 mm |
9×18 mm | 9 mm | 8.999 mm | 9.271 mm | 9.245~9.27 mm |
9x23mm Win | 9 mm | 8.79 mm | 9.02 mm | 8.966~9.042 mm |
銃器業界で「9mm弾」といえば「9x19mm/9mmルガー/9mmパラベラム」を意味することが多いですが、9mm口径の弾薬には他にも様々な種類が存在しており、厳密な口径に違いがみられます。
.38スペシャル弾と.357マグナム弾は同じ口径

.38スペシャルと.357マグナムは、名称や弾薬の仕様は異なりますが、どちらも同じ口径です。そのため、.357マグナムリボルバーには.38スペシャルを装填して発射することも可能です。
両者の山径は0.346インチ(8.79mm)、谷径は0.355インチ(9.02mm)であり、実際の口径は0.355インチ(9.02mm)となります。
弾薬名 | 公称口径 インチ / mm | 山径 | 谷径 (口径) |
---|---|---|---|
.38 スペシャル | 0.38インチ 9.65 mm | 8.79 mm | 9.02 mm |
.357 マグナム | 0.357インチ 9.07 mm | 8.79 mm | 9.02 mm |
では、なぜ.38スペシャルと.357マグナムは同じ口径なのに、名称の数字が異なるのでしょうか?
これは、.38スペシャルの元々の設計がヒールドブレット(Heeled bullet)だったことに由来します。

ヒールドブレットとは、弾頭と薬莢が同じ外径を持つ古い設計の弾薬で、弾頭の後端が薬莢の厚みに合わせて小さくなっており、弾頭側面と薬莢側面の間に段差がない構造です。
当時の.38スペシャルは弾頭径が0.38インチありましたが、後にヒールドブレットは廃止され、弾頭径は0.355~0.358インチに縮小されました。それでも名称は「.38スペシャル」のまま残ったのです。
同じ理由で、.38スーパーも弾頭径は0.356インチしかなく、名称だけが昔のままです。
一方、.45ACPの場合、「規格値0.45インチ(11.43mm)」と「実測値(11.43mm)」が一致するのは、開発当時からヒールドブレットではなかったためです。
.357マグナムも同様に、弾頭径0.357インチをそのまま弾薬名に使用しました。
現在ではヒールドブレットの弾薬は少なくなりましたが、.22LR弾などでは今も使用されています。
「.38口径=リムの直径」は誤り
「.38口径はリムの直径を意味する」と誤解されることがありますが、例えば.38スペシャルのリム径は公差を含めて0.428~0.440インチであり、0.38インチではありません。
.38スペシャルはリムドカートリッジを使用しています。リムドカートリッジとは、薬莢の底部に本体径より大きく突き出したリム(縁)を持つ弾薬のことです。このリムはエキストラクターが確実に掛かるための形状であり、同時に薬室後端との間でヘッドスペースを確保する役割も果たします。そのため、リボルバーや旧式のライフルで広く採用されています。


.38スペシャルと.357マグナムの薬莢(ケース)と薬室(チャンバー)の直径や長さを比較すると、実際は以下のようになります。
項目 | .38スペシャル (インチ/mm) | .357マグナム (インチ/mm) |
---|---|---|
リム径 | 0.428~0.440インチ 10.88~11.18mm | 同左 |
薬莢径 (ケースボディ) | 0.379インチ 9.63 mm | 同左 |
薬室径 | 0.3801~0.3809インチ 9.655~9.675mm | 同左 |
山径 | 0.346インチ 8.79mm | 同左 |
谷径 | 0.355インチ 9.02mm | 同左 |
弾頭径(鉛弾) | 0.356~0.359インチ 9.043~9.119mm | 同左 |
弾頭径(被甲弾) | 3550~3580インチ 9.093~9.017mm | 同左 |
薬莢長 | 1.135~1.155インチ 28.83~29.34mm | 1.270~1.290インチ 32.26~32.77mm |
弾頭含む全長 | 1.275~1.550インチ 32.39~39.37mm | 1.408~1.590インチ 35.69~40.39mm |
.44口径は何ミリ?(44マグナムの実寸)

.44マグナムに代表される.44口径は、0.44インチ(11.18mm)を意味する名称ですが、実際の口径は約10.9mmです。
弾薬名 | 公称口径 | 山径 | 谷径 (口径) | 弾頭径 |
---|---|---|---|---|
.44マグナム | 0.44インチ 11.18 mm | 10.59 mm | 10.9 mm | 10.821~10.973 mm |
.44 S&W SPL | 0.44インチ 11.18 mm | 10.59 mm | 10.9 mm | 10.834~10.986 mm |
.44-40 Win | 0.44インチ 11.18 mm | 10.732 mm | 10.884 mm | 10.77~10.85 mm |
.45口径は何ミリ?(.45ACPの実寸)

.45口径はインチ表記で「0.45インチ(11.43mm)」を意味し、実際の口径も11.43mmがほとんどです。
弾薬名 | 公称口径 インチ / mm | 山径 | 谷径 (口径) | 弾頭径 |
---|---|---|---|---|
.45 ACP | 0.45インチ 11.43 mm | 11.23 mm | 11.43 mm | 11.405~11.481 mm(被甲弾) 11.43~11.506 mm(鉛弾) |
.45 AUTO MATCH | 0.45インチ 11.43 mm | 11.23 mm | 11.43 mm | 11.405~11.481 mm(被甲弾) 11.43~11.506 mm(鉛弾) |
.45 COLT | 0.45インチ 11.43 mm | 11.23 mm | 11.43 mm | 11.43~11.582 mm |
.45 GAP | 0.45インチ 11.43 mm | 11.23 mm | 11.43 mm | 11.405~11.481 mm |
.45 Win Mag | 0.45インチ 11.43 mm | 11.23 mm | 11.43 mm | 11.405~11.481 mm |
.45 Auto Rim | 0.45インチ 11.43 mm | 11.28 mm | 11.46 mm | 11.329~11.481 mm |
.45オートリム弾だけは例外の口径サイズですが、この理由については以下の記事で解説しています。
一方で、実用上の便宜や生産上の公差を考慮して、11.5mmと表記されることもあります。
厳密な寸法は11.43mmですが、カタログや一般的な説明では11.5mmとされる場合があります。
一般的には以下のような弾頭サイズが使用されています。
弾薬 | 弾頭種類 | 弾頭径 (インチ) | 弾頭径 (mm) |
---|---|---|---|
.45ACP | 被甲弾 | 0.451 | 11.46 |
.45ACP .45コルト | 鉛弾 | 0.452 | 11.48 |
古い.45コルト | 鉛弾 | 0.454 | 11.53 |
「.45口径」の弾頭径は0.451〜0.452インチ程度に設計されているのが一般的です。
.50口径は何ミリ?(.50BMGなど)

.50口径は0.50インチ(12.7mm)を意味しますが、実際の口径は弾薬の種類によって異なります。
例えば、デザートイーグルなどで使用される.50 AE弾の実際の口径は12.7mm、対物ライフルなどで使用される12.7x99mm NATO弾の口径は12.47~12.51 mmで設定されています。
弾薬名 | 公称口径 | 山径 | 谷径 | 弾頭径 |
---|---|---|---|---|
.50 AE | 0.50 インチ 12.7 mm | 12.4 mm | 12.7 mm | 12.67~12.75 mm |
.500 S&W | 0.500 インチ 12.7 mm | 12.4 mm | 12.657 mm | 12.55~12.7 mm |
12.7x99mm NATO | 0.50 インチ 12.7 mm | 12.47~12.51 mm | 12.92~12.96 mm | 12.979 mm |
口径一覧表
以下は公称口径ではない、実際の口径一覧です。
弾薬名 | 公称口径 | 山径(mm) | 谷径(mm) | 弾頭径(mm) |
---|---|---|---|---|
.22 LR | 0.22インチ 5.59 mm | 5.51 | 5.64 | 5.626~5.728 |
.38 オート | 0.38インチ 9.65 mm | 8.79 | 9.02 | 8.890~9.042 |
.38 S&W | 0.38インチ 9.65 mm | 8.89 | 9.131 | 9.017~9.169 |
.38 SPL | 0.38インチ 9.65 mm | 8.79 | 9.02 | 9.017~9.093 |
.380 ACP | 0.38インチ 9.65 mm | 8.84 | 9.02 | 8.979~9.055 |
9×18 mm | 9 mm | 8.999 | 9.271 | 9.245~9.27 |
9×19 mm | 9 mm | 8.79 | 9.02 | 8.957~9.03 |
9 mm NATO | 9 mm | 8.81~8.82 (NATO規格) | 9.04~9.07 (NATO規格) | 最大9.65 mm (NATO規格) |
9×23 mm Win | 9 mm | 8.79 | 9.02 | 8.966~9.042 |
.357マグナム | 0.357インチ 9.07 mm | 8.79 | 9.02 | 9.017~9.093 |
10 mmオート | 10 mm | 9.91 | 10.173 | 10.097~10.173 |
.40 S&W | 0.40インチ 10.16 mm | 9.91 | 10.173 | 10.097~10.173 |
.44マグナム | 0.44インチ 11.18 mm | 10.59 | 10.9 | 10.821~10.973 |
.44 S&W SPL | 0.44インチ 11.18 mm | 10.59 | 10.9 | 10.834~10.986 |
.44-40 Win | 0.44インチ 11.18 mm | 10.732 | 10.884 | 10.77~10.85 |
.45 ACP | 0.45インチ 11.43 mm | 11.23 | 11.43 | 11.405~11.481 |
.50 AE | 0.50インチ 12.7 mm | 12.4 | 12.7 | 12.67~12.75 |
.500 S&W | 0.50インチ 12.7 mm | 12.4 | 12.657 | 12.55~12.7 |
.223レミントン (5.56×45 mm) | 0.223インチ 5.56 mm | 5.56 | 5.69 | 5.626~5.702 |
5.56 mm NATO (5.56×45 mm) | 5.56 mm | 5.56 (NATO規格) | 5.69 (NATO規格) | 5.69 (NATO規格) |
.308 Win (7.62×51 mm) | 0.308インチ 7.82 mm | 7.62 | 7.82 | 7.773~7.849 |
7.62 mm NATO (7.62×51 mm) | 7.62 mm | 7.62 (NATO規格) | 7.82 (NATO規格) | 7.9 (NATO規格) |
7.62×39 mm | 7.62 mm | 7.62 | 7.92 | 7.85~7.9 |
12.7×99 mm NATO | 0.50インチ 12.7 mm | 12.47~12.51 (NATO規格) | 12.92~12.96 (NATO規格) | 12.979 (NATO規格) |
谷径より大きな弾頭径の弾頭が発射される場合、弾頭は谷径のサイズまで圧縮されます。
ショットガンの口径(ゲージ)の意味

ショットガン(散弾銃)の口径は「ゲージ(gauge/番)」で分類されます。
英語圏では「12ゲージ」「12GA」、日本では「12番」「12番ゲージ」「12ゲージ」などと呼ばれます。
ゲージは、重さ1ポンド(454グラム)の鉛を同じ大きさの球に分けたとき、何個になるかで決まります。数字が小さいほど口径は大きく、数字が大きいほど口径は小さくなります。
例えば、12ゲージは1ポンドの鉛を12個の球に分けた直径に相当します。つまり、10ゲージは12ゲージよりも口径が大きくなります。
一般的に利用される口径は以下の通りです。
ゲージ | 口径 (mm) | 備考 |
---|---|---|
10 | 19.7 | 大型獣狩猟に使用される |
12 | 18.5 | 最も一般的で用途が広い |
16 | 16.8 | 小動物猟やクレー射撃に使用される |
20 | 15.6 | 小動物猟やクレー射撃に使用される |
28 | 13.9 | 小動物猟やクレー射撃に使用される |
.410 | 10.4 | 67.5番相当で「.410口径」とも呼ばれる |
「.410」だけは例外で、インチ表示のため「.410ゲージ」とは呼ばれません。「.410ボア」や「.410口径」などと呼ばれます。
「公称上の口径」は理論上の数値で、1ポンドの鉛から作れる球の直径に基づきます。
一方で、実際に製造される銃身の内径はSAAMI(アメリカ)やCIP(ヨーロッパ)の規格に基づいて決められています。
スムースボアバレル(SB)とライフルドバレル(RB)で微妙に数値が異なる場合もあります。
以下の表は、ゲージごとの口径を整理したものです。
ゲージ | 公称口径 (mm) | 口径 SAAMI (mm) | 口径 CIP (mm) |
---|---|---|---|
4 | 26.7 | – | 23.35+0.70 |
6 | 23.8 | – | 22.70+0.70 |
8 | 21.2 | – | 20.80+0.70 |
10 | 19.7 | 19.69+0.51(SB) | 19.30+0.70 |
12 | 18.5 | 18.42+0.51(SB) 18.263+0.051(RB) | 18.20+0.70 |
14 | 17.8 | – | 17.20+0.50 |
16 | 16.8 | 16.89+0.51(SB) | 16.80+0.50 |
20 | 15.6 | 15.62+0.51(SB) 15.47+0.05(RB) | 15.70+0.50 |
24 | 14.7 | – | 14.70+0.50 |
28 | 13.9 | 13.84+0.51(SB) | 13.80+0.40 |
32 | 12.7 | – | 12.70+0.50 |
.410 | 10.4 | 10.41+0.51(SB) | 10.20+0.50 |
例えば、12ゲージのSAAMI規格は「18.42+0.51」と表記されています。これはスムースボア銃身の内径が約18.42mmで、最大18.93mmまで許容されるという意味です。
実際の12ゲージショットガンは、18.42mm~18.93mmの範囲内で製造されており、「だいたい18.5mm」と理解するとわかりやすいでしょう。
ショットシェルについては以下の記事で詳しく解説しています。
大砲の口径
戦艦や戦車の口径表示

戦艦大和の主砲は「45口径46cm砲」と呼ばれます。
ただし、.45口径ピストルと同じ意味ではなく、大砲と銃では口径の表記方法が異なります。
大砲において「口径」とは砲身内の直径(山径)を指します。
「45口径46cm砲」の場合、砲身の内径は46cmです。
「45口径」とは、砲身長が口径の45倍であることを意味します。
したがって、砲身長は 46cm × 45 = 20.7メートルになります。
整理すると次のようになります。
兵器 | 呼称 | 口径(内径) | 倍率 | 砲身長 |
---|---|---|---|---|
戦艦大和 主砲 | 45口径46cm砲 | 46cm | 45倍 | 20.7m |
アイオワ級戦艦 主砲 | 16インチ/50口径 | 16インチ(406mm) | 50倍 | 約20.3m |
パンター戦車 主砲 | 75mm L/70 | 75mm | 70倍 | 5.25m |
陸自10式戦車 主砲 | 44口径120mm滑腔砲 | 120mm | 44倍 | 5.28m |
17~19世紀の大砲の口径

17~19世紀の大砲の口径の要点を以下にまとめます。
1800年前後のイギリスの火砲を例にすると、以下のようになります。
砲種 (ポンド砲) | 砲弾重量 | 弾径 | おおよその口径 |
---|---|---|---|
2ポンド砲 | 0.9 kg | 6.0 cm | 6.6 cm |
3ポンド砲 | 1.4 kg | 6.9 cm | 7.6 cm |
4ポンド砲 | 1.8 kg | 7.6 cm | 8.4 cm |
6ポンド砲 | 2.7 kg | 8.7 cm | 9.6 cm |
9ポンド砲 | 4.1 kg | 10.0 cm | 11.0 cm |
12ポンド砲 | 5.4 kg | 10.9 cm | 12.1 cm |
18ポンド砲 | 8.2 kg | 12.6 cm | 13.8 cm |
24ポンド砲 | 10.9 kg | 13.8 cm | 15.2 cm |
32ポンド砲 | 14.5 kg | 15.2 cm | 16.7 cm |
64ポンド砲 | 29 kg | 19.2 cm | 21.1 cm |
17世紀中頃から19世紀中頃までの大砲の実戦有効射程は、おおむね400メートルから1,700メートルでした。最大射程はさらに長く、初期の大砲では約730メートル、船舶用や大型砲では1.5キロメートル前後に達しました。
射程は砲の種類、技術、精度に左右され、最大射程は必ずしも実戦で到達できる距離ではありませんでした。
まとめ
銃の口径とは? 基本の定義
口径(Caliber)とは、銃身の内径のことで、どの弾薬を安全に発射できるかを決める基準です。一般的に、銃身の内側には螺旋状の溝であるライフリングが刻まれており、弾頭が回転することで飛行中の安定性が増し、命中精度が向上します。
銃の口径を測る際は、このライフリングの溝のどの部分を基準にするかによって、名称と実際の寸法が異なることがあります。
弾頭は通常、この谷径に合わせて作られており、発射時にライフリングの溝に食い込むことで回転します。
口径の表記と単位
口径の表記には、主に「インチ表記」と「ミリ表記」の2種類があります。
1. インチ表記
アメリカで主に使われる方式で、インチの小数点以下で口径を表します。
2. ミリ表記
ヨーロッパなどで主に使われる方式で、ミリメートルで口径を表します。
弾薬名 | 公称口径 | 山径 | 谷径 |
---|---|---|---|
9×19mm | 9 mm | 8.79 mm | 9.02 mm |
.38 スペシャル | 0.38インチ | 8.79 mm | 9.02 mm |
.357 マグナム | 0.357インチ | 8.79 mm | 9.02 mm |
.45 ACP | 0.45インチ | 11.23 mm | 11.43 mm |
.50 BMG | 0.50インチ | 12.47~12.51 mm | 12.92~12.96 mm |
ショットガンの口径(ゲージ)
散弾銃の口径は、他の銃とは異なり「ゲージ(Gauge)」という独自の単位で表します。
ゲージ | ミリメートル換算 |
---|---|
10ゲージ | 19.7 mm |
12ゲージ | 18.5 mm |
20ゲージ | 15.6 mm |
.410 | 10.4 mm |
大砲の口径
戦艦や戦車の大砲の口径表記は、小銃とはまったく異なります。
また、17~19世紀の大砲では、砲弾の重さ(ポンド)で口径を表していました。