映画でよくあるように至近距離にてショットガンで撃たれた場合、両足が地面から浮くほど人が吹き飛んでしまうことはあるのでしょうか?
ありません。
映画やTVでは人が吹き飛ぶ表現が多用されていますが、これが本当であれば、ボディーアーマー(防弾チョッキ)を着た人が撃たれても、同じように吹き飛ぶことでしょう。
過去、実際にこれを検証した人がいます。
80年代後半に、銃器検証ビデオ「デッドリーウェポン」が制作され、この中で、ボディーアーマーを着て片足立ちをした人物を、FN-FALライフル(7.62x51mmNATO弾を使用)で至近距離から撃つという興味深いテストが行われています。検証の結果、倒れることもなく平然と片足で立ち続けました。一般的に7.62x51mm弾はショットガンに迫るパンチ力を持ち、ショットガンでも同じ結果となります。
この様な誤解が生まれる原因には、映画やTVの影響が大きいと想像しますが、それ以外にも、銃の発射時に発生されるリコイル(反動)の大きさから、弾を受ける側にもリコイルと同じ力が働くと誤解されている為でもあるかもしれません。
リコイルの大きさは、そのほとんどが発射ガスによるマズルブラストが原因です。火薬が発生させるエネルギーのうち、効率よく利用されるのはおおむね40%以下であり、60%以上のエネルギーが無駄なガスやリコイル、熱として消費されています。
弾頭先端の面積は非常に小さく、スピードが速いこともあり、弾頭を受けてもリコイルと同様に後ろへ押されることはありません。
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