500年近い歴史を持つイタリアの銃器メーカー、ピエトロ・ベレッタ社(Fabbrica d’Armi Pietro Beretta / 1526~)。
室町時代から続く銃器メーカーですが、三本の矢が描かれたベレッタ・ロゴがベレッタ社のロゴとして使用され始めたのはずっと後のことでした。
ベレッタの他、FAMASやフランキなど銃器製造業が集まる地域、ガルドーネ・ヴァル・トロンピア(Gardone Val Trompia)からほど近い小さな町カルニャッコ(Cargnacco)に、イタリアの詩人であり作家であるガブリエーレ・ダンヌンツィオ氏の邸宅がありました。
ダンヌンツィオ氏は1930年代この邸宅で余生を過ごしており、親交があるベレッタ氏がここを訪れた際、ベレッタのロゴとなる原型デザインと初対面したのです。
“DARE IN BROCCA”(ターゲットに命中させろ)と刻まれた文字の下に、三本の矢が確認できます。
円に囲まれた矢は戦艦から敵艦に向かって放たれる矢を表しており、次の意味を持ちます。
- 左の矢: 一回目の警告射撃。敵艦の船尾に向かって射る矢。
- 右の矢: 二回目の警告射撃。敵艦の船首に向かって射る矢。
- 中央の矢: 降伏しない場合は敵艦本体を射る矢。
このデザインに魅了されたベレッタ氏は、ダンヌンツィオ氏に「会社のロゴに使わせて欲しい」と使用許可を求め、ベレッタ社のロゴが誕生しました。
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