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曳光弾(トレーサー)とは?光る弾の仕組みはどうなっている?

曳光弾
画像出典:Wikipedia

ご質問を頂きました。

TVで「光っている弾」をみたんですが(たしか「えいこう弾(洩光弾?)」) あれは、どういう仕組みで光るんでしょうか?

洩光弾(えいこうだん)、曳痕弾(えいこんだん)、トレーサー(Tracer)と呼ばれる弾薬について解説します。

曳光弾(トレーサー)とは?

画像出典:ar15.com
画像出典:ar15.com

曳光弾は弾頭の底に燃焼により発光する燃焼剤を仕込んでおり、発射と同時に高温の発射ガスにより着火、光の尾を曳きながら飛びます。

発光(燃焼)時間は数秒たらずですが、着弾まで燃焼し続けるには十分な時間です。

発光の元となる燃焼剤は、NATO軍の赤い曳光は硝酸ストロンチウムが使用され、ロシアや中国で使用される緑色の曳光は硝酸バリウムが使用されています。

曳光弾は1915年に英軍の.303ブリティッシュ弾で初めて使用されて以降、現在でも利用されている弾薬です。

現在、一般的に4~5発に1発の割合で曳光弾を通常弾と混ぜて使用され、射撃方向の修正を容易にします。

また、米軍はアフガニスタンの山岳戦でライフルの一発目を曳光弾にして仲間に敵の位置を知らせることに利用した他、最終弾の数発を曳光弾にすることで射手に弾切れを知らせる目的でも利用されます。

視認しやすく使い方次第で便利な弾薬ですが、状況によっては敵から見てこちらの射撃位置を特定されやすいのが欠点と言えます。

また、山火事の原因になることもあるため、使用には注意が必要です。

暗視装置使用時においては曳光弾の眩しさから視界を奪われる場合がありますが、明るさの異なる曳光弾も存在し、米軍標準のカラーコードでは通常の曳光弾の弾頭に赤色を塗り、発光を抑えた弱い光の曳光弾にはオレンジ色を塗ってタイプ別に色分けしています。

まとめ

曳光弾のメリット

  • 射撃(弾道)の修正が容易
  • 射撃の修正にサイト(照準器)が不要
  • 敵の位置や方向を仲間に知らせやすい
  • 残弾がないことを射手に知らせることが可能
  • 可燃性ターゲットを燃焼させることが可能(第一次世界大戦にて飛行船撃墜に使用された)

曳光弾のデメリット

  • 敵にこちらの位置を把握されやすい
  • 発光により暗視装置の視界を奪う場合がある
  • 火事の原因になる場合がある(射撃場によっては使用禁止)
  • コーティング(クロムメッキやナイトライド等)が施されていないライフリングに対して焼損するリスクがある

最後までお読みいただきありがとうございます。

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