
この記事の要約:
- ショットガンの「ゲージ」は、長さではなく鉛の重さを基準にした歴史的な口径単位。
- 数字が大きいほど口径は小さくなるというルールを持つ。
- .410だけは例外的にインチ表記で、世界的にゲージ換算はほぼ使われない。
ショットガンの口径には「12ゲージ」「20ゲージ」「.410」など、独特の呼び方が並びます。
一見すると数字の大小がそのまま太さを示しているように思えますが、実はまったく別の原理で決められています。
本記事では、ゲージの仕組みから例外的な.410の理由まで、初心者でも理解できるように解説します。
「ゲージ(番)」とは何か

ショットガンの口径を表す「ゲージ(番)」は、英国で生まれた古い単位です。
現代のミリメートルやインチのような長さの単位ではなく、鉛の重さを基準にした口径表記になっています。
ゲージの定義
「1ポンド(約454g)の鉛を、同じ大きさの球に何個分割できるか」

このときの 1個の球の直径=銃身の内径(口径) になります。
- 12ゲージ:1ポンドの鉛を 12個 に分けた球の直径(約18.5mm)
- 20ゲージ:1ポンドの鉛を 20個 に分けた球の直径(約15.6mm)
分割数が増えるほど球は小さくなるため、数字が大きいほど口径は小さくなるという逆転現象が起こります。
よく使われる口径サイズ一覧

狩猟・スポーツ射撃で一般的な口径を、特徴とともに整理しました。
| ゲージ (番) | 口径 (インチ) | 口径 (ミリメートル) |
|---|---|---|
| 10 | 0.775 | 19.69 |
| 12 | 0.729 | 18.52 |
| 16 | 0.662 | 16.81 |
| 20 | 0.615 | 15.62 |
| 24 | 0.579 | 14.71 |
| 28 | 0.550 | 13.97 |
| 32 | 0.526 | 13.36 |
| 36 | 0.506 | 12.85 |
| 別規格(.410ボア) | 0.410 | 10.41 |
- 10ゲージ
- 超大型の獲物用。
- カナダガンなどの大型水鳥の狩猟に使われます。
- 反動が非常に強く、現在は12ゲージに取って代わられつつあります。
- 12ゲージ
- 世界標準。
- 狩猟(カモ、キジ、シカ、イノシシ)からクレー射撃まで、最も汎用性が高く、弾薬の種類も豊富です。
- 16ゲージ
- 伝統的な狩猟用。
- 12ゲージより軽く20ゲージより強力なバランスのとれたサイズ。
- ヨーロッパの古い狩猟用銃によく見られます。
- 20ゲージ
- 軽量で万能。
- 反動が少ないため、長距離を歩く鳥撃ちや、女性・小柄な射手のクレー射撃・狩猟に人気です。
- 24・28ゲージ
- 小型の鳥・スポーツ用。
- ウズラやハトなどの小型の獲物に使用されます。
- 反動が極めて小さいですが、散弾の数が少なく、高い射撃技術が求められます。
- 現在、24ゲージはほとんど流通していません。
- 32・36ゲージ
- 害獣駆除・小動物用。
- 非常に小さく、ネズミやリスなどの小型害獣の駆除、または子供向けの練習用として使われることがありました。
- 現在ではほとんど流通していません。
- .410
- 最小クラス。
- 害獣駆除や、近距離のクレー射撃競技に使用。
- 散弾の数が少ないため、クレーを割るには正確な技術が必要です。
「ゲージ」と「散弾の粒の大きさ」は無関係です。
ゲージはあくまで 銃身内径 のことです。
装填される散弾(1号、4号など)の粒サイズ(ショットの直径)とは別の概念です。
散弾のサイズについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

口径については、こちらの記事で詳しく解説しています。

「.410(ヨンイチマル)」だけ表記が違う理由

ショットガンの口径はゲージで表すのが一般的ですが、.410だけは例外的にインチ表記です。
- .410インチ=銃身内径が0.410インチ(約10.4mm)
- ゲージ換算すると 約67ゲージ に相当
歴史的な経緯から、世界的に「.410」という名称が定着しており、ゲージ表記は使われません。
「.410ボア」と呼ぶのは正しいですが、「.410ゲージ」と呼ぶのは誤りです。
ボアとゲージの違いは、こちらの記事で解説しています。

まとめ

ショットガンの口径は、現代の感覚とは異なる「重さ」を基準にした歴史的な単位であり、数字が大きいほど細くなるという独特のルールを持っています。
また、.410のようにインチ表記が残る例外も存在します。
これらの背景を理解しておくことで、銃の選択や弾薬の知識がより正確になり、狩猟や射撃の場面で迷うことが少なくなるでしょう。
