会場は大きすぎてフレームに収まりきらなかったため、3枚の写真を無理矢理つなげた。
2004年6月12~13日、ネバダ州リノでガン・ショーとマシンガン・ショーのイベントが開催された。2泊3日でリノを訪れ体験したこのイベントをお伝えしたい。
このイベントの様子は、月刊GUN誌2004年9月号でも特集記事が掲載されています!
アメリカで機関銃を撃ちまくるイベント マシンガンショー参加レポート
リノと言えば、北カリフォルニアから最も近いカジノの街として有名。カリフォルニアと違いネバダはカジノが合法のため、多くの人々がこの街へギャンブルのため訪れている。とはいえ、ただカジノがあるだけの街ではなく様々なイベントも開催される。今回開催されたガン・ショーの会場は巨大なコンベンション・センターで行われ、日本の幕張メッセのような会場がそこにあった。
コンベンション・センター中の通路。
このように手にスタンプを押してもらうことで、会場内と外とを行き来できる。XRDSが何を意味するのかは不明だが、おそらく”Crossroads of the West Gun Shows”から”クロスローズ”と呼ぶのだろう。
砂漠と荒野の中にあるリノだが、会場の駐車場から見える山には雪が残っていた。確かに標高は高く、途中のフリーウェイも標高6000フィートを越えていた。
「俺はコイツを手に入れたぜ。」 会場の外では、買ったばかりの銃やグッズを見せ合う様子が見られた。
センター内に入り通路を歩いていくと、ガン・ショー会場入り口が見えた。そこで係りにチケットを見せて中へ入ると、そこはガンマニアには夢の世界。クラスⅢの銃器がそこらじゅうにゴロゴロ。手軽にマシンガンが売られている世界というのも考えてみると凄い。カリフォルニア住民の私にはヨダレモノの”ブツ”が転がっていた。うーむ、凄い、凄すぎる!ネバダに引っ越したいぞ!
マガジン
マガジンのコーナーには、ありとあらゆる多弾装マガジンが積み上げられている。ハンドガン用はもちろん、HK、AK、MAC10、TEC9、中にはCALICOの100連マガジンなんてレアなものまで・・・。また、AR15系やAKライフルに適合するドラムマガジンも数多く並ぶ。ドラムマガジンを手に取ると、素材など種類によってその重みの違いがよく感じられた。ハンドガンでは、コルトM1911系のマガジンでも、30連なんてとんでもないロング・マガジンが並ぶ。実用として使えるか疑問だが、連続して撃つには楽しいアイテムだろう。しかし、不格好極まる・・・。
これらハイキャパシティ・マガジンは、プレ・バンのマガジンといい、規制前の製品なので合法的に購入できる。ただし、カリフォルニア州では規制対象のため、私のようなカリフォルニア住民は購入できない(泣。会場の壁には、「カリフォルニア住人へ」と、法律や銃購入時の注意点について、注意書きが張られていた。
ライフル
古いものから新しいものまで、多くのライフルを見ることができた。HK SL8といった比較的新しいスポーツ・モデルから、AK47、HKG3、FN FALなどの古い?ライフルも並んでいる。しかも、すべてフルオート可!カリフォルニアではアサルト・ライフルもマガジンとフレームが溶接されているものが多く、このネバダのガン・ショーを体験すると、カリフォルニアの銃規制を恨まずにいられない。購入は予算的にも法律的にも無理なので、この日はとりあえず弄りたおすことにした。(←店には迷惑な冷やかし客)
お買物
確かにこのガン・ショーは地元のショーより規模が大きくカリフォルニアでは見られないものもあるが、買って帰られるものが少ないことに気が付いた。弾薬も木箱が何段にも重ねられ大量に販売されていたが、その価格はとびきり安いというものでもない。やはり、弾はどこで買っても似た価格になってしまう。モノによってはリロードより新品のファクトリー・ロードの弾の方が安かったりする。
記念に何を買うか迷っていると、Native Nevadan Sporting Goodsという店が、ブラックホークの製品を多く扱っているのに目が止まる。数週間前、気に入っていたバッグの底を誤って破ってしまったため、新しいバッグを探していたところだった。ブラックホークの製品にはハイドラ・ストームのブランド名で防水性が高く耐久力のあるリュックが販売されており、このハイドラ・ストーム・システムの中から、”サイクロン”というリュックを選んだ。ラバー・ハンドル付きで、水筒(リザーバー)が内蔵されている優れもの。荷物を入れ背負ってみてもバランスがよく、歩きやすいバッグで気に入っている。流石はブラックホーク、良いモノ作るねぇ・・・ちょっと高いけど。しかし、価格は2割引だったため、お得感もあった。 また、このとき見つけたブラックホークのハンドガン用ランヤードも購入。愛銃のベレッタ 92FSに装着してみたが、なかなかカッコイイ姿だった。この姿は後ほど別コーナーでお見せしたいと思う。
さて、会場内をフラフラ歩いていると、初老の兄弟(らしい)が木製グリップ(以下:木グリ)を扱っていた。そのほとんどはM1911用だが、中にはS&Wオート用もあった。数十種類の木グリが並んでいるが、これらはこの兄弟が制作したとのこと。ある客が手持ちの木グリを兄弟の一人に見せ、「この木は何の木?」と質問しても、一目で的確に答えを出していた。木グリも様々なので肝心の価格を尋ねてみたところ、チェッカーの入っている木グリは35ドル、ないものは25ドルとのことだった。日本での価格を考えると激安だ。そこで、ダイヤモンド・チェッカーとチェッカー無しの2種類購入することにした。(帰宅後に、愛銃キンバー・カスタムⅡにはダイヤモンド・チェッカーの木グリが微妙に適合しないことが判明。)
この後、Glockのメンテナンス・パッドを購入して会場を後に。刺激的なガン・ショーではあったものの、何かが足りないというか、もうちょっと何かがあっても良かったのでは?という感もあった。このショーの後で偶然お会いした月刊GUN誌のリポーターの方曰く、「8月のショーはもっと凄い」とのことなので、8月に期待してまた訪れたいと思う。
シューティングレンジ(屋外射撃場)
会場では、UZI SMGのフリー・シューティングを体験できるコーナーが設けられた。
シューティング・レンジは、リノからフリーウェイを使い車で約35分の場所・・・と、ガン・ショーでもらったチラシには書かれていた。
しかし、実際に走るとその距離は40マイル以上(60km以上)を越えるではないか!
想像以上に遠い場所に驚いた。リノの町外れにあるものと思っていたら、ひたすら荒野の中を走りつづけることになった・・・。
会場までの道を進むと、何もない荒野にポツンとシューティング・レンジの入り口を示す旗が立てられていた。・・・え?ここを行くの!?
道を外れ、舗装されていない砂利道をひたすら走る。この先にマシンガンたちが待っている!
この砂利道が2マイル(3km強)ほど続いた。2日前に洗車した愛車が砂だらけに・・・。
砂利道の先には、シューティング・レンジと人集りが現れた。やっと辿り着いた~!
レーガン元大統領死去に伴い、シューティング・レンジには半旗が掲げられていた。
ここだけに限らず、どこへ行こうと半旗が見られた
CQB訓練用施設、”キリング・ハウス” ご存じの通り、接近戦、屋内での戦闘を想定した訓練を行う施設。
”キリング・ハウス”内部。この中でサバゲーやると燃えそう・・・すぐに勝負が付きそうだが。
シューティング・レンジの入り口は、石と砂しかない火星のような場所だった。そこにポツンと入り口を示す星条旗が掲げられ、舗装路を外れて砂利道をひたすら走りつづける。すると、一機のヘリとレンジの係員が現れた。車を停めるよう合図され、「今日、クラスⅢの銃器を持ち込んでいますか?」と質問され、「持っていない」と答えると、駐車場所を指示される。そして車から降りると、早速、ブォーン!というM134ミニガンの銃声が鳴り響き歓迎してくれた。この銃声だけは一度聞けば誰でも瞬時に判別できる。「ああ、もう始まってるよ!」と、急いで会場を目指した。
会場は2ヶ所に分かれており、無料でUZIを撃たせてもらえるレンジと、メインのレンジに分かれていた。まず、フリー・シューティングができるUZIのレンジへ向う。その途中、掲げられた半旗と、その横のCQB訓練用の施設、キリング・ハウスが目に付く。キリング・ハウスの中はいくつもの部屋に仕切られており、通路側にも窓があったりと、様々な状況を想定した構造になっている。これは良い訓練施設だ。
UZIのフリー・シューティングを行うレンジでは、インストラクター数人と、列をなして並ぶ参加者がそこにいた。しかし、このコーナーが失敗だと感じられたのが、肝心のUZIが一丁しか用意されていなかったこと。一人ずつ順番に撃たせていくため、回転が悪く非常に効率が悪い。おかげで待ち時間が長くなってしまった。そして、いざ列が進み出したと思えば、メインの会場でデモシューティングが始めるため、その間はフリー・シューティングが休止となるのだ。Damn!!
デモシューティングが終わると、UZIのフリー・シューティングが再開される。しかし、すぐに長い列ができ何十人という数で1丁のUZIが使用されるため、さすがのUZIもバレルが加熱しすぎバレル交換を余儀なくされた。バレルは、通常のバレルとサイレンサーを付けたバレルの2本を交代させている様だった。バレル交換の度に銃声の違いを感じられるのは面白いが、いつまで経っても自分が撃てず、折角並んでも途中で中断されてしまうことに不満の声さえ出ていた。
そして、ついにはUZIもダウンする。ジャム知らずで有名なUZIも、ジャムの連続となった。分解しオイルを注しても、3発に1発はジャムを起こす状態となったのだ。数千数万発を連続して射撃し続ければ、いくらジャムに強いとはいえ不具合を起こしやすくなる。マガジンへの弾薬の装填方法にも問題があるのかもしれない。しかし、UZIの限界が見えた気がした。
一度ショーが始まってしまうと、写真やビデオを撮るのも忘れて見入ってしまい、終わってみると良い絵が残せず残念だ。登場した銃器すべてに触れられないが、ここではその一部についてご紹介したいと思う。
銃器レンタルリスト
ショーに際して参加者がレンタル射撃できる銃器リストが配布されており、そこには次の銃がリストアップされていた。
マシンガン・サンプラー・パッケージ 100ドル |
UZI 9mm(3)25連マガジン |
ブローニングM1919 .308口径 計100発 |
M1ガーランド 8発クリップ |
”Nitrostix”を射撃 爆発物をターゲットに使用し、命中すると爆発。 |
その他 |
ブローニングM1919 .308口径 50発 50ドル |
UZI 9mm 25連マガジン 10ドル |
M16 20連マガジン 20ドル |
MP5 20連マガジン 20ドル |
バレットM107(M82A1) .50口径ライフル 5発15ドル/10発25ドル |
HK33 25連マガジン 20ドル |
HK53 25連マガジン 20ドル |
Mini UZI 30連マガジン 20ドル |
FAL 20連マガジン 15ドル |
ブローニングM2 .50口径HMG 10発 40ドル |
AK47 30連マガジン 20ドル |
ワルサーMPK 30連マガジン 15ドル |
これらリストアップされた銃器はほんの一部で、あとは銃の所有者に価格を尋ねて交渉となる。
とはいえ、どの銃の所有者にも快く撃たせてもらえ、そこにある銃すべてを射撃できたと思う(確認していません)。
ターゲットの廃車に向かって撃ちまくる
ターゲットには3台の廃車と廃バス1台が使用される。
この他、スイカやガソリンをためたオイルパン、命中すると爆発を起こす ”Nitrostix”も使用された。
HKのライフルなどが並ぶ。左から、AK47、HK33、HK53、M16カービン、MP5A4、UZI. HKの発射サイクルは700~750発/毎分と、M16系より早いのが印象的(M16系でもカービンはさらに高速)。一定方向へ安定してカートを排莢する。また、HKはカートを10mも斜め前方へ飛ばす勢いがあり、ボルトの移動スピードの速さを感じられる。MP5はサブマシンガンということもあり、軽快な作動が気持ち良い。リコイルも少なく撃ちやすい。
左にワルサーMPK、右にブローニングM1919が並ぶ。MPKは不人気?のようで、あまり射撃シーンを目にしなかった。
MPKといえば、昔エアタンクやコッキング銃が主流の時代にマルイ製のコッキング・エアガンを所有していた。うーん、懐かしい。
M1ガーランド
M1ガーランドを射撃。映画「プライベート・ライアン」を始めとして、数々の第二次世界大戦映画でも活躍。
撃ち終えると、キーンという音と共にクリップが排出される。実戦ではこの音により弾切れを敵に知らせてしまう迷惑なものだったとか。
実際の排出音と映画「プライベート・ライアン」での音はほとんど同じ。映画では実際の音からサンプリングしたのかもしれない。
AR18
AR18ショーティーをフルオートで撃つ。この銃については、当サイトの「撃ち比べ」のコーナーでも紹介している。バララン!バララン!と快調に作動・・・と思いきや、時折不発も発生していた。
写真のテーブルの上には、ステアー・ソロサーンMP30SMGの姿も見える。このSMGは子供が射撃していたが、難なくコントロールしていた。
9mmPara程度のSMGは扱いやすく簡単だ。
ステアーAUG
ステアーAUGをフルオートで射撃する私管理人。AUG H-BARに使用される42連ロング・マガジンを2本消費。日本でマルイ製電動ガンを所有していたので、そのグリップ感覚は覚えのあるものだった。セイフティは意外に軽く、グリップしながら人差し指の付け根で押して即時オフにできる。そして、ホールド状態のコッキング・ハンドルをガシャン!とたたき落とし、発射可能状態に。このたたき落とす動作が映画「ダイハード」を思い起こさせカッコイイ。
スコープは1.5倍のオプティカル・スコープが付属しているが、ターゲットである廃バスに向かってミリタリー・ボールをダカダカダカッ!と撃ち込み、リコイルでスコープの中の廃バスが上下に激しく揺れた。写真では、2個のカートが宙を舞っている。
仲良く並ぶHK33とバレットM82A1アンチ・マテリアル・ライフル。その横にはHK MP5KA4の姿も。
バレットM107
アンチ・マテリアル・ライフルの中でも最も有名なバレットM107を射撃。PCゲームでは使い慣れたこの銃も、実銃となると思うようにいかない。所有者から10発の.50BMGを受け取り、一発ずつマガジンに入れていく。マガジン・スプリングは意外に軽いという印象で、ベレッタ92FSをフルロードするより簡単で優しいものだった。
コッキング・ハンドルをおもいきり引き、チェンバーに初弾を装填。ターゲットの廃車に向かってスコープを覗き込むと、スコープ内に大きく廃車が映し出される。セイフティを解除しトリガーを絞ると、激しいリコイルと衝撃波を感じ、スコープが大きく振られた。軽い脳震とうを感じたが、撃ちつづけると感覚が慣れていき、「ひょっとしたらこれはクセになるかも?」と、ヤバイ予感も。
10発撃ち終え、記念にと落下した空薬莢を手に取ると、所有者から、「欲しいの?いくらでもあげるよ。」と、1個で良いのに9個ももらった。うーむ、使い道がみつからない・・・。また、薬莢のベース(底面)の刻印”IK .50 98”について説明を受け、IKの意味はよくわからないが、口径と製造年が刻印されているとのこと。オーナーのみなさんは本当にフレンドリーに接してくれた。
Barrett M107ライフル。”ライト・フィフティ”とも呼ばれるこのライフルは1982年にM82A1として登場し、遠距離の対人、対軽車両用として使用される軍用大口径ライフルだ。近年のイラクやアフガニスタンの戦争でもアメリカ軍によって使用されている。湾岸戦争で高く評価されたM82A1はその後米軍に正式採用され、M107の名でイラク戦争で活躍。ショートリコイルを採用し、バレルとボルトは25mmロックされたままショートリコイルする。
マズルにはマズル・ブレーキを装備し、発射ガスを後方へ吹き出すことでリコイルを軽減し命中精度を向上させる。M107とM82A1の間に大きな違いはないが、M107となって重量が12.9kgから11.9kgへと軽量化し、M1913ピカティニーレールを装備、そして、バイポッドの底にはスパイクが付いた。また、ストック後部にはグリップが追加されている。
このライフルのリコイルはショットガンのものと似ていると例えられるが、実射ではショットガンより強いリコイルを感じた。
会場では2丁のバレットを見かけた。
MG15
写真中央、派手な銃声とマズルブラストを生み出すのはMG15だった。これはMG15の二連装対空マシンガンで、航空機撃墜のために製造されたマシンガンだ。ドイツ・ラインメタル社によって第二次世界大戦時、1932年に製造され、後の有名なMG34に発展。当時ラインメタル社はスイスのソロサーン社を手中にし、同社を通じて数々の銃器を生み出している。MG15は75連サドル・ドラムマガジンを装備し、レシーバーをまたぐ様に配置されたマガジンは重心を安定させる。
しかしここで使用されたトライポッド上のMG15にバランスは必要ない。それぞれのトリガーは連動しておらず、片方ずつ射撃することも可能だ。射撃中にボルトが開放されず、ハンマーで叩いて開放させる場面も。
MG3 & Maxim08
写真左にMG3、そして右にはマキシム08が並ぶ。MG3は、第二次世界大戦時に登場したMG34、MG42の発展型。一見、MG42に似ているが、MG42は弾薬に7.92×57mmマウザーを使用するのに対し、MG3ではNATO標準の7.62×51mmを使用する。MG3では、使用するリンクベルトにドイツオリジナルのDM1リンクベルト、DM13リンクベルト、そしてアメリカのM13リンクベルトを使用できる互換性がある。フィーディング・システムの調子はあまりよくないといわれるMG3だが、実射では完璧なまでに快調作動だった。
一方、マキシム08は第一次世界大戦時に登場した水冷式マシンガンだ。ハイラム・マキシムによって開発されたこのマシンガンは、数々のバリエーションやコピーが誕生した。歴史は古く、開発されたのは1887年。テストが繰り返されたのちの1895年からドイツ陸軍が、1896年からドイツ海軍がテスト採用を始めた。 そして1915年頃から発射サイクル向上のためマズルブースターが装備されている。ショートリコイルを採用し、リコイルを利用してピストンを動かし水タンクからのびたホースを通って水をバレル周りに循環させるシステムを備えており、そのため射撃を繰り返すと熱せられたバレル周囲から水蒸気が見られる。 フィーディングにはベルトリンクを使用するが、現在のマシンガンのようにリンクされたベルトを分解して排出しないため、銃左側面から延びたベルトを手で引っ張りながら射撃する必要がある。
ブローニング M1919 .308
ブローニングM1919は快調作動で大人気。トライポッドに載せたM1919の他、シールド付マウントに搭載されたものや、手に直接担いで撃つ強者もいた。ブローニングM1919は第一次世界大戦時に戦車に搭載するマシンガンとして登場したが、登場が遅れ実戦ではそれほど使用されなかった”遅すぎた銃”だ。 M1919はA1~A6のバリエーションがあり、後に有名なブローニングM2HMGへと発展。
100発のベルトリンクを使用して実射したが、ジャムもなく安定した快調作動だった。トライポッドに搭載されており、トライポッド右側のダイヤルを調整することで弾道の上下を調整する。
しかし、射撃中のリコイルによって次第にマズルが上を向き始めるため、右手でダイヤル、左手でトリガー操作が良いだろう。トリガーは現在のマシンガンに比べると重めだが、重すぎず、伝わってくる振動が心地よいものだった。
ブローニングM2
ブローニングM2HMG(重機関銃)は、現在も世界中の軍で採用されるベストセラー・マシンガンだ。自衛隊も採用しているため、実物を見る機会は日本でも多いだろう。1930年代に航空機に搭載する水冷式マシンガンとして登場し、その後、現在の空冷式モデルが登場している。当初、バレルの加熱により75発以上の連続射撃に耐えられなかったため、ヘビー・バレルを搭載したM2HBが登場しこの問題は解決された。
発射サイクルは毎分500発とそれほど早くなく、ドンドンドンドン!と衝撃波を生む迫力あるマシンガンである。このマシンガンの前には、他のアサルトライフルはカワイイもの。
M134ミニガン
映画「プレデター」や「マトリックス」で登場したことでも有名な、M134ミニガン。バルカン砲の名でも有名な回転する多銃身マシンガンだ。アメリカのジェネラル・エレクトリック社(GE)によって開発されたこのマシンガンは、航空機に搭載される20mm口径のM61A1を7.62×51mm口径に小型化したものである。
ベトナム戦争時からヘリに搭載して使用されたが、最高毎分6000発で撃ち出されるため弾薬消費が激しく、”金食い虫”と非難された。しかし、現在では特殊部隊などによりそのファイアー・パワーを見直されているという。
夜になり、200発のトレーサーを実射したが、まさに金食い虫。アッという間に弾切れ。ミニガンの横には駆動用バッテリーが置かれ、ミニガンへとコードが繋がる。ミニガンにはグリップが二つあり、その中央に跳ね上げしきのスイッチがある。このスイッチをオンにすることで、トリガーを引けばいつでも発射可能となる。射撃するには、二つのグリップのそれぞれのトリガーを同時に引くことでバレルが回転を始め射撃を行う。トリガーを引くと、”ブォーーーン!”と唸りをあげてマズルフラッシュを発生させ、弾切れになると、”チリチリチリ・・・”と空回りする音を耳にする。兆弾したトレーサーは無数に夜空に舞い、花火の様に美しいものでした。
ここで私が失敗したのは、撃ちきる前に途中でトリガーを離してしまったこと。トリガーを離しても回転するバレルはすぐには止まらない。その間もミニガンはフィーディングと排莢を繰り返すため、撃発されていない未使用弾がバラバラと排莢されてしまった。上の写真にも、未使用の弾が落下する瞬間が写し出されている。このシステムのおかげでジャム知らずなのだが、もったいないことをした・・・。
M60E4
薬莢の山の上にはM60E4ライト・マシンガン。この日一日でこのM60E4は2万発消費したとか。予備のバレルも5本用意されていた。夜になり、連続射撃のあとでライトを落とすと、真っ赤に焼けたバレルが暗闇の中でボゥ~っと光りを放つ。それを見たギャラリーからは歓声があがった。 この薬莢の山は月刊GUN誌の取材の方々によって作られたものなので、月刊GUN誌にはさらに美しい写真が掲載されると期待している。
夜には照明が設置された。
確認しづらいが、横方向に流れる光はトレーサー。
他に光っているのは、燃える廃バスとガソリン入りのオイルパン。手前に写るのはM134ミニガン。
こうしてマシンガンショーは日が暮れても銃声が鳴り響くのでした・・・。
最後までお読みいただきありがとうございます。
もしご質問やご意見がありましたら、お気軽にX(旧ツイッター)やYoutubeチャンネルでお知らせください。