
「弾倉」「マガジン」「クリップ」「装弾数」とは何でしょうか?
また、銃の装弾数を表す際に「+1」と表記されることがありますが、その意味をご存じでしょうか?
この記事では、弾倉・マガジン・装弾数の違いや、各マガジンの長所と短所、そして「+1」の意味について、初心者の方にもわかりやすく解説します。
マガジン(弾倉)とは?

マガジン(弾倉)とは、弾薬を保管し、給弾する装置です。

マガジンは銃に内蔵(固定式弾倉/フィクスドマガジン)、または外付け(着脱式弾倉/デタッチャブルマガジン)されます。
マガジンは内部に複数の弾薬を保持し、銃の作動により、弾薬を銃身後部の薬室へ送り込むために、マガジンの上部に向かって順次押し出すことで機能します。
以下の動画では、マガジン内の弾薬がマガジンスプリングの反発力によって上昇している様子がわかります。
マガジンの役割

弾薬の保管:
マガジンは、まだ発射されていない弾薬を保管し、すぐに使用できるようにします。
給弾機構:
マガジンはバネとフォロワー※を使用して、弾薬を銃の薬室に装填できる位置に押し上げます。
銃の機構が作動すると、マガジンから弾丸が取り出され、薬室に装填されて発射準備が整います。
マガジンフォロワーは、弾薬がマガジン内で正しく供給されるよう支える部品です。
フォロワーは、バネの反発力を弾薬に伝えます。発射のたびに次の弾薬を押し上げる役割を担います。
この仕組みにより、銃は弾詰まりを起こしにくくなります。連続した発射を安定して行える点が特徴です。
フォロワーは通常、マガジンスプリングと連動して上下に動作します。
連続発射能力:
マガジンにより、手動で銃へ再装填することなく、複数回の連続発射が可能になります。
つまり、発射毎に予備の弾薬を銃に装填することなく、マガジンによって銃内部に収まっている予備の弾薬を連続して利用できるようになります。
このような機能を持つ銃は英語で「リピーティング・ファイアーアーム(Repeating firearm)」と呼ばれ、1860年代から使用されています。
マガジンの種類
マガジンの種類は、大きく分けて「着脱式」と「固定式」が多くを占めており、さらに細かく分類することができます。
着脱式マガジン

着脱式マガジン(デタッチャブルマガジン)は銃から取り外すことができ、空のマガジンを満杯のものと素早く交換することで迅速な再装填が可能です。
例えば、アサルトライフルには着脱式マガジンが備わっています。
固定式マガジン

固定式マガジンは銃に一体化されており、弾薬を銃に直接装填する必要があります。
ボックスマガジン

ボックスマガジン(箱型弾倉)は最も一般的な形状で、ハンドガンやライフルなどに広く使用されます。
チューブマガジン

レバーアクションやポンプアクションのライフルやショットガンに内蔵されます。
ドラムマガジン

ドラムマガジンはサブマシンガン、アサルトライフル、ライトマシンガンなどに使用され、50発以上の弾薬を保持できます。
シリンダー(回転式弾倉)

シリンダーは、薬室(チャンバー)が含まれ、給弾機構がないため、厳密にはマガジン(弾倉)とは異なります。
しかし、一般的に「回転式弾倉」と呼ばれ、リボルバーで利用されています。
マガジンとクリップの違い

マガジンとクリップは混同されがちですが、クリップは弾薬をマガジンやシリンダーに装填する補助具であり、マガジンのように給弾機構は持ちません。
クリップとは、複数の弾薬をまとめて装填するための器具で、銃のマガジンやシリンダーに素早く弾を装填するために使用されます。
一般的に安価なプレス加工された金属製で、使い捨てのものが多いですが、再利用されることもあります。
クリップの種類には以下があります。
ストリッパークリップ(装填クリップ)

銃の固定式マガジンに弾薬をまとめて押し込むためのクリップ。
使用後は手動または自動で排出されます。
代表的な対応銃には、モシン・ナガン、リー・エンフィールド、M1903スプリングフィールドなどがあります。
エンブロッククリップ

クリップごとマガジンに装填し、最後の弾を撃ち終わると自動で排出される方式。
M1ガーランドやシュタイヤーM95などがこの方式を採用しています。
ムーンクリップ & ハーフムーンクリップ

リボルバー用の円形または半円形の金属クリップで、弾薬をまとめて装填・排出できるようにするもの。
ピストル用のリムレスカートリッジをリボルバーで使用する際に使用されます。
ハーフムーンクリップは以下の記事でも紹介しています。

クリップの長所と短所には以下があります。
マガジンの種類を網羅的に分類すると、以下のようになります。
内蔵式マガジン(固定式マガジン)
- チューブマガジン
- レバーアクションやポンプアクションの銃で一般的。
- 弾薬を銃身の下やストック内に並べて保管。
- ボックスマガジン(内蔵式)
- ボルトアクションライフルなどで一般的。
- 銃に内蔵され、容易に取り外しできない。
- ロータリーマガジン
- 弾薬を円形の回転機構に収納する方式。
- ルガー10/22などで使用。
- カプセルマガジン
- クラーク・ヨルゲンセン銃でのみ使用。
着脱式マガジン
- ボックスマガジン(着脱式)
- 現代のライフルやハンドガンで最も一般的。
- 銃の外部に装着し、容易に交換可能。
- 水平マガジン
- FN P90などで使用。
- 銃身と平行に弾薬を配置。
- カスケートマガジン
- 多弾倉構造のマガジン。
- Suomi KP/-31などで使用。
- タンデムマガジン
- 前後に二つのマガジンを配置。
- SPIWなどで採用。
- ドラムマガジン
- 軽機関銃などで使用。
- 円筒形内部に多数の弾薬を収納。
- サドルドラムマガジン
- MG13、MG15などで使用。
- 二つのドラムを鞍状に配置。
- パンマガジン
- ルイス機関銃などで使用。
- 円盤状で弾薬を垂直方向に保持。
- ヘリカルマガジン
- Calico M960、PP-19 Bizonなどで使用。
- 弾薬を螺旋状に配置。
- ホッパーマガジン
- 日本の十一年式軽機関銃でのみ使用。
- ストリッパークリップごと装填。
- STANAGマガジン
- NATO標準規格の着脱式マガジン。
- M16系ライフルなどで使用。
装弾数とは?

装弾数とは、銃に装填できる弾薬の最大数を指します。
装弾数は使用する弾薬のサイズに関係し、小口径の弾薬ほどマガジン内に多く収納できます。
例えば、9mm弾を使用する銃は、同一容量で.45ACP弾を使用する銃よりも多くの弾薬を装填できる傾向があります。
また、銃の種類によっても装弾数は異なります。リボルバーは通常5~7発、ボルトアクションライフルは5~10発、アサルトライフルは30発程度が一般的です。
装弾数については以下の記事がおすすめです。

装弾数表記の「+1」とは?
銃の装弾数を「15+1」と表記する場合、マガジン内に15発、薬室内に1発が装填され、合計16発を撃つことができます。
この方法は、主にセミオートピストルで利用されます。
サブマシンガンやライフルでも可能ですが、モデルによっては一般的に行われていません。

ボルトが閉鎖された状態でフルロードのマガジンを挿入すると、マガジン内最上部の弾薬がボルトやボルトキャリアに接触し、マガジンの強い反発力に負けてマガジンが適切にロックされないリスクがあります。
仮にマガジンがロックされてもロックが不完全な場合は、銃を使用中にマガジンが脱落する可能性もあります。
特にH&K MP5では顕著で、H&K社のマニュアルにも、ボルトオープン状態でマガジンを挿入するよう記載されています。
また、オープンボルト式の銃では、発射時以外は薬室装填されない仕組みです。
- オープンボルト式は、発射準備の段階でボルトが後退位置にあり、トリガーを引くとボルトが前進して弾薬を薬室に装填し、そのまま発射されます。主にサブマシンガンや軽機関銃で採用される方式です。連射時の冷却性が高く、過熱しにくい点が利点です。一方で、発射時にボルトが大きく動くため、精密射撃には向きません。
- クローズドボルト式は、ボルトが前進した状態で発射準備が完了しており、トリガー操作によって撃針が作動し、弾薬が発火します。ライフルやピストルなど、精度を重視する銃で多く用いられます。射撃精度が高く安定していますが、連射時には銃身が過熱しやすいという欠点があります。
射撃競技の世界で使われる用語に、1発だけ装填されたマガジンを指すバーニーマグ(Barney mag)があります。
この1発入りマガジンは、フルロードのマガジンを挿入する前に、薬室へ弾薬を装填する目的で使用されます。
名称の由来は、1960年代のテレビ番組「アンディ・グリフィス・ショー」に登場するキャラクター、バーニー・ファイフです。作中では、不用意な発砲を防ぐため、1発のみ携行することを許されていました。
射撃競技、とくにIDPAでは、この手法によって開始時の装弾数を最大化します。たとえば.45口径部門では、バーニーマグで薬室に1発装填後、フルロードマガジンに交換し、8+1発の状態でスタートします。
この方法により、競技ルールを守りつつ、最良の装弾状態で競技を開始できます。
なお、この用語はアメリカの射撃愛好家の間でも必ずしも一般的ではなく、ややマイナーな表現です。
薬室への装填方法

例として、「マガジンに15発入るピストルに、16発装填する方法」には以下があります。
方法1

- 15発入りのマガジンを銃に挿入する。
- 手動でスライドを引いて離すとバネの力でスライドが前進し、薬室に1発が装填される。
- 14発が入っているマガジンを銃から抜いて、1発をマガジンに追加して銃に再挿入する。
方法2

- 銃からマガジンを抜く。
- 手動でスライドを引き、手で弾薬を薬室内に直接装填する。
- スライドを前進させて薬室を閉鎖する。
- 15発入りのマガジンを銃に挿入する。
どちらの方法でも良いですが、銃によっては「方法2」の薬室への直接装填が難しい場合があります。
筆者「方法2」の装填方法は、スライド前進時にエキストラクターが薬莢に激しく衝突するため、エキストラクターを破損するリスクがあるという説があります。確かにモデルによっては注意が必要ですが、軍や法執行機関で採用されているようなメジャーなモデルでは気にする必要はないでしょう。少なくとも私の経験ではこの方法でエキストラクターにダメージを見つけたことがありません。
まとめ
マガジン(弾倉)とは?
マガジンは、連発式銃において弾薬を保管し、給弾する装置のことを指します。
大きく「着脱式」と「固定式」の2種類があり、それぞれ特徴があります。
さらに、ボックスマガジン、チューブマガジン、ドラムマガジン、リボルバーのシリンダー(回転式弾倉)など、さまざまなマガジンが存在します。
マガジンとクリップの違い
クリップはマガジンに弾薬をまとめて装填するための補助具であり、給弾機能は持ちません。
例えば、ストリッパークリップやエンブロッククリップなどがあります。
装弾数とは?
装弾数とは、銃が装填できる弾薬の数を指します。
「+1」表記の意味:「10+1」のような表記は、マガジンに10発装填し、さらに1発を薬室(チャンバー)に装填した状態を指します。

