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ヤティ・マティックとはどんな銃?

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画像出典:armamentresearch.com

映画「コブラ」や「若き勇者たち(原題:RedDawn)」に登場したことで知られるフィンランドの9mmサブマシンガン「ヤティ・マティック(Jati-Matic)」について解説します。

開発時期と構造

1982年、ヤティマティックはフィンランドのヤティ・ティマリ(Jali Timari)によって軍や警察のセキュリティー要員向けに開発されました。

日本ではWA社が同モデルのトイガンを製品化したことで知られていますが、実銃の方は軍や警察に採用されることもなくビジネスとして不調で、約400丁で生産終了となっています。

作動はシンプルなオープンボルトのストレートブローバック方式で、銃身にフィードランプが存在しないなど製造コストが低く抑えられています。

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画像出典:armamentresearch.com

また銃身を包み込む大きなボルトを採用しており、オープンボルトでありながら射撃時以外はエジェクションポート(排莢口)を閉鎖するという異物混入によるジャムを防ぐ設計です。

アッパーレシーバーはスチール製ですが、プラスチックを多用しており、ロアレシーバー、トリガー、シアー、ディスコネクター、リアサイト、マガジンフォロアーなどはプラスチック製です。

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パテント図 画像出典:Wikipedia

ヤティマティック最大の特徴と言えるのが、ボルトと銃身の軸がオフセットになっている点です。

ボルト軸とボアアクシス(銃身軸)は7度の角度があり、ボルトに対して銃口が上を向いています。

これは射撃時の体感される反動を抑える効果を目的とし、ボルト後退によって銃の後部を持ち上げる効果を生むことでマズルジャンプ(銃口の跳ね上がり)を相殺、ボルト前進時にはボルトの質量によって銃口を下げる効果を生んでいます。

このオフセット構造はフィードランプを不要とし、グリップが高い位置にあることでマズルジャンプを軽減する効果が期待されました。

しかし、残念ながら質量が大きなボルトの移動によって暴れやすい銃となっています。

ヤティマティックは1993年から中国のノリンコでコピーが製造され、1995年にフィンランドのゴールデン・ガン社が「GG-95 PDW」のモデル名で再生産しましたが、ビジネスとしては失敗に終わっています。

ヤティマティックの操作方法

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レーザーサイトを装着したヤティマティック 画像出典:armamentresearch.com

アメリカではテキサス州のオムニオードナンス社(Omni Ordnance Inc)が輸入し、オプションとしてレーザーサイトが用意されていました。

毎分650発という遅い発射速度とはいえ、本体にストックが付属しておらず、フルオート時のコントロールを困難にしています。(ストックは別売り)

基本的にスリングを使用する仕様で、隠匿性が重視されています。

トリガーは2ステージトリガーを採用し、半分引くとセミオート、最後まで引き切るとフルオートになります。

フォアグリップはコッキングハンドルを兼用し、フォアグリップを引くとボルトが後退して発射準備完了となり、エジェクションポートに「FIRE」の文字が表示されます。

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画像出典:topwar.ru

また、フォアグリップを折り畳むとセイフティがオンになり、ボルトがロックされます。

そのため射撃時には必ずフォアグリップを展開する必要があります。

使用するダブルカラムマガジンは20連マガジンと40連マガジンが用意されており、カールグスタフm/45サブマシンガンのマガジンとも互換性があります。

軍での採用に失敗した理由

1996年、フィンランド軍にて5丁のサンプルがテストされましたが採用に至りませんでした。

テストでは以下の点が問題視されています。

  • ストックが付属していない
  • 冬期の信頼性が低い
  • サイトやマガジンに問題がある
  • スリングポイントがディスアッセンブリーラッチ(分解用ラッチ)を兼用しており、スリング使用中に誤って銃を分解する恐れがある
  • 常にフォアグリップを前進させておくよう注意する必要があり、誤って後退させるとジャムが発生する

中国製コピー ノリンコ411型サブマシンガン

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411型 画像出典:pewpewpew.work

中国のノリンコはヤティマティックのコピーである「411型サブマシンガン」を製造し、9x19mmの他に7.62x25mmトカレフ弾の口径バリエーションを展開しました。

411型はオリジナルのヤティマティックとほぼ同じ構成ですが、フロントサイトが簡素化され、リアサイトがプラスチック製からスチール製へ変更されています。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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