ホロサイトとドットサイト(ダットサイト)の違いについて解説します。
ホロサイトとは?
ホロサイト(HWS:ホログラフィック・ウェポン・サイト)はレーザーをプリズムに透過させ、3Dホログラムでホログラフィック・フィルムにドットやレティクルを表示します。
(いわゆるハーフミラーレンズとは異なる)
ホロサイトはレンズ内のどの位置にドットが移動しても正確な射撃が可能です。
そのためレンズの一部が割れても、割れていない部分で継続して使用可能というメリットがあります。
(※Aimpointなど高級なチューブ式ドットサイトはホロサイトと同様に視差がないモデルもあるため、それらはレンズのどの位置でも使用可能です)
ホロサイトはチューブ式のドットサイトと比較すると視界が広く素早いエイミングが可能です。
また、銃口側から見て発光部が見えにくい(EOTech製は暗視装置を使用しても光源が確認できない)ため、ハンティングやミリタリーの世界でも活躍します。
しかし、LEDのドットサイトと比較するとレーザーのホロサイトはバッテリー消費が激しいため、一定時間経過すると自動消灯する機能が備わったモデルがおすすめです。
ホロサイトの良い点
- 視差がないためレンズのどの位置でも使用可能
- ターゲットの距離に関係なく無限にレティクルがクリアに見える
- 素早く正確なエイミングが可能
- ドットのサイズが小さい(精密射撃が容易)
- ブースターを使用し倍率が上がってもレティクルサイズは変化しない
- ホログラムによるドットの視認性が良い(クリアで前方に浮かんでいるように見える)
- 入手が容易な単三電池を使用するモデルが多い
- 他者から光源を確認できない
ホロサイトの悪い点
- バッテリー消費が激しい
- 構造が複雑なため製造コストが高く安価なモデルが少ない
- 本体が大きい
ドットサイトとは?
ドットサイトはLEDの発光をレンズに反射させてドットやレティクルを投影しています。
一般的なドットサイトに表示されるドット(点)はレンズの中心にあるときのみ正確なエイミングが可能なため、目の位置がサイトの軸線上から外れてドットが中心から離れると命中精度が低下しやすくなります。(※高級モデルを除く)
ドットサイトはホロサイトより本体の大きさがコンパクトなモデルが多く、ライフルやサブマシンガンはもちろん、ハンドガンやグレネードランチャーにも多用されています。
また、比較的価格が安価なところもドットサイトの良い点です。
高級モデルではレンズやドット(レティクル)がクリアで、ホロサイトと遜色ない使用感です。
ドットサイトの良い点
- 安価なモデルが豊富
- 軽量コンパクトなモデルが豊富でハンドガンにも使用可能
- バッテリー消費が少ない
- 高級モデルはホロサイトと同等の性能
ドットサイトの悪い点
- チューブ式は視野(FOV:フィールド・オブ・ビュー)が狭い
- オープン式は光源が外部にあり、汚れや水滴が付着すると使用できない場合がある
- ブースターを使用して倍率を上げるとドットも拡大される
- 視差がありターゲットの距離によってはドットがボケて見える場合がある
まとめ
レンズのコーティングやハーフミラーの反射率、NVモードの有無、軽量さ、信頼性などはモデルによって異なるため、ドットサイトとホロサイトのどちらが良いとは一概にいえません。
高級モデル同士を比較した場合の頑丈さや精度はどちらも同等です。
スコープとは異なり、ホロサイトとドットサイトのどちらも決められたアイリリーフ(目からサイトまでの距離)がないため、銃のどの位置に配置しても使用可能です。
それぞれ長所と短所があるため、使用目的に合わせて選択する必用があるでしょう。
安価でコンパクトなモデルが必要な場合はドットサイトを使用し、ブースターを使用したり精密射撃を重視したい場合はホロサイトを使用するという選択も可能です。
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