最新の銃器10選:携行性・精度・低反動を極めた注目の新世代モデル

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この記事の要約:

  • 最新の展示会で発表された新世代のピストル・ライフル・ショットガンを横断的に紹介。
  • 携行性、低反動、モジュール性、光学機器対応など現代的ニーズに合わせた設計が共通点。

近年の銃器市場では、性能だけでなく携行性や反動制御、拡張性を両立させた「新世代モデル」が増えています。コンパクトなピストルから高精度ライフル、アクセサリー搭載を前提としたタクティカルモデルまで多様です。

共通点は、ユーザーの目的や体格、運用環境に合わせて最適化できる設計思想です。反動を抑えて素早い連射を可能にする構造や、光学機器の搭載を前提とした拡張性など、昨今のニーズをに反映しています。

本記事では、今注目される10丁を、ハンドガン・ライフル・ショットガンのカテゴリー別に紹介します。

目次

ハンドガン

HK CC9

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HK CC9ピストル 画像出典:hk-usa.com

ポケットサイズでフルサイズの実力派

ヘッケラー&コッホ(HK)が開発した「CC9」は、同社の9mmダブルスタックモデルとして最小サイズのピストルで、日常携行を前提に高い操作性と性能を追求したモデルです。3.32インチの冷間鍛造バレルにはDLCコーティングが施され、高圧な+P弾にも対応する耐久性を備えています。

スペック

  • 全長:約6.03インチ(約153mm)
  • 全幅:0.99インチ(約25.1mm)
  • マガジン挿入時全高:4.6〜4.92インチ(約117〜125mm)

フレームはモジュラー式シャーシを採用し、交換可能なバックストラップによりグリップの調整が可能です。スライドストップやマガジンリリースはアンビ(両利き対応)で、ピカティニーレールやRMSc規格の光学サイト対応スライド(ORモデル)も用意されています。マガジンは10連のフラッシュタイプと12連のエクステンデッド(延長)タイプが付属し、トリガーは約5ポンド(約2.3kg)の軽さと短いリセットを特徴とします。ライフリングにはポリゴナル方式を採用し、精度と寿命の向上に寄与しています。

NATO AC/225基準に基づき75万発以上のテストを実施し、フルサイズのデューティピストル(職務用拳銃)と同等の耐久性を確認しています。落下安全性を高めるファイアリングピンブロックセーフティを備えるほか、リコイル制御やエルゴノミクスが最適化されており、レビューでは「コンパクトながらフルサイズのような撃ちやすさ」と評価されています。VP9に近いグリップ長により、素早く正確なフォローアップショットが可能とされています。

ラインナップは、光学サイト対応の「Optics Ready(OR)」モデルが699ドルから、Holosun 407Kを搭載した「Optics Equipped(OE)」が929ドルとなっています。サプレッサー対応のVTX CCW仕様は約799ドルで、追加マガジンは1本あたり約50ドルです。

Staccato HD C4X

Staccato HD C4X画像
Staccato HD C4X 画像出典:staccato2011.com

実戦仕様のコンパクト2011

スタッカート社の「HD C4X」は、2026年のSHOT Showで公開されたコンパクトサイズの高級2011系9mmピストルで、同社HDシリーズの中でも携行性と射撃性能を両立したモデルです。コンシールドキャリー(隠匿携行)やセルフディフェンス、法執行機関での使用を想定し、一体型コンペンセイターを備えることでフラットな射撃感を実現しています。

銃身長4インチのDLCコート仕様で、コンペンセイターを一体化した構造を採用しています。フレームは7075アルミニウム製で、装弾数は15+1発で、Glockパターンのスチールマガジンが2本付属。トリガーはシングルアクションで約4〜4.5ポンドと軽快で、操作系は完全アンビ仕様、グリップセーフティは省かれています。リコイルシステムには3.6インチのキャプティブ式フラットワイヤースプリングを採用しています。

スペック

  • 全長:7.6インチ(約193mm)
  • 全幅:1.2〜1.6インチ(約30.5〜40.6mm)
  • 全高:4.84インチ(約123mm)
  • 重量(空状態):24.5オンス(約695g)

HD C4Xは法執行機関との共同開発により、実戦的な操作性と信頼性を重視した設計となっています。HD HOST光学サイト対応システムを搭載し、アメリグロのサプレッサー対応ハイサイトは、ドットサイトと同時に照準を合わせられるようになっています。エルゴノミクスも改良され、シリーズ80方式のドロップセーフティを備えることで、安全性を確保しています。一体型コンペンセイターとリコイルシステムの組み合わせにより、コンパクトながらマズルジャンプが大幅に抑えられ、上位モデルP4に近い高い射撃コントロール性を発揮します。

価格はスタンダードが3,499ドル、プリファード(Preferred)が3,699ドル、プレミアム(Premium)が3,899ドルで、2026年2月16日から販売開始となります。上位パッケージでは、トリチウムサイト、追加マガジン、Xセレーション、マグウェルなどのアップグレードが含まれています。

2011ピストルとは?

2011ピストルは、1911ピストルを現代化したモデルで、9mmで17発以上入るダブルスタックマガジンを採用しつつ、シングルアクショントリガーや操作性は1911の特徴を引き継いでいます。

項目1911ピストル2011ピストル
マガジン単列マガジン複列マガジン
装弾数7〜8発前後(.45ACP)17発以上が一般的(主に9mm)
フレーム金属製一体フレームスチール製上部フレーム+ポリマー製グリップのモジュラー構造
グリップ細身で手の小さい人にも扱いやすい太めだがグリップ性能を重視
トリガーシングルアクションシングルアクション
サイトアイアンサイト中心光学照準器対応、アンビ操作系などに対応
用途競技、コレクション、護身用途競技射撃、法執行機関、携行用途

CZ 75 Legend

CZ 75 Legend画像
CZ 75 Legend 画像出典:czfirearms.com

ワンダーナイン(驚異的な9mm)の完全復刻

チェコの名作サービスピストルとして知られる「CZ 75」が、2026年のSHOT Showで「CZ 75 レジェンド」として復刻されました。1970年代のオリジナルCZ 75を忠実に再現したもので、現代的な機能追加よりもオリジナル仕様と操作感を重視した設計となっています。オールスチール構造のDA/SA方式9mmピストルとして、クラシックモデルを求めるファンをターゲットにしています。

銃身長は114mmで、フレームを含めすべてスチール製。装弾数は16+1発で、ダブルカラムマガジンを採用しています。トリガープルはダブルアクションで約9.9ポンド(約4.5kg)、シングルアクションで約4.7ポンド(約2.1kg)となり、リセットは6~7mmと短めです。スライドはフレーム内側を走るインバーテッドレール方式で、低いボアアクシスとリコイル低減に寄与しています。

スペック

  • 全長:208mm
  • 全高:144mm
  • 全幅:37mm
  • 空重量:1,170g

いわゆる「Pre-B CZ 75(1st 初期型)」の特徴を忠実に踏襲し、ファイアリングピンブロックをあえて省くことでDAトリガーの滑らかさを確保しています。マニュアルサムセーフティとハンマーノッチを備え、仕上げはオリジナルを思わせるブラックフィニッシュ。グリップも当時のスタイルを再現し、光学サイト用カットやアクセサリーレールといった現代的装備は一切搭載していません。SIG P210に由来するスライド・イン・フレーム構造により、自然な指向性とフラットな射撃感が得られる点も特徴です。

価格は1,399ドルで、2026年春から販売が開始されます。現代仕様ではなく、往年の「ワンダーナイン」をそのまま味わいたいコレクターやファンに向けた復刻モデルといえます。初期型の希少性(製造数約2万丁)から実射を躊躇していたユーザーも、これによりハードな射撃が可能となります。

CZ 75の設計とその影響

CZ 75 は1975年の登場時、高装弾数のDA/SA方式、優れたエルゴノミクス、オールスチール構造、低反動、そして高い信頼性を一丁にまとめた点が画期的でした。

当時の9 mmピストルは、シングルアクション専用で携行安全性に課題があるモデルや、高容量を優先して操作性が洗練されていないモデルなど、いずれかの特徴に偏る傾向がありました。

その中で CZ 75 は、これらの要素を高い完成度で統合したことで「ワンダー・ナイン」の代表的存在となり、後続のSIG、ベレッタ、S&W など多くのサービスピストルの手本となっていきます。

一方で、初期型にはファイアリングピンセーフティ(AFPB)など後期モデルで追加された安全機構がなく、扱いには一定の注意が必要でした。それでも、CZ‑75 が後の9 mmピストルの方向性を決定づけた名作であることは疑いようがありません。

OA Defense 2311 Compact Pro Elite

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OA Defense 2311 Compact Pro Elite 画像出典:oadefense.com

EDC(日常携帯)から競技まで、これ一つで対応

OA ディフェンスが2026年のSHOT Showで発表した「2311 コンパクトプロエリート(Compact Pro Elite)」は、同社のモジュラー型2311プラットフォームをベースに、アルミ製グリップモジュールを採用した高性能コンパクト2011系9mmピストルです。競技用途から日常携行まで幅広いシーンを想定し、操作性と射撃性能を高いレベルで両立させています。

銃身長4.25インチで、ポーテッド仕様とスタンダード仕様をユーザーが選択できます。7075アルミフレームの採用により、空重量は25〜30オンス(約709〜851g)と軽量に仕上がっています。装弾数は15+1発または17+1発で、SIG P320パターンのマガジンに対応し、Magpul AMAGを含む5本が付属します。トリガーは3.5〜4.0ポンド(約1.6〜1.8kg)のProチューン仕様で、競技レベルの切れとリセットを備えています。

スペック

  • 全長:約7.75インチ(約197mm)
  • 全高:5.10インチ(約130mm)
  • 全幅:1.40インチ(約35.6mm)

エリートモデルの最大の特徴は、CNC加工によるアルミ製グリップモジュールです。アグレッシブなテクスチャリングと交換式サムレッジにより、射撃時のコントロール性が大幅に向上しています。スライドには軽量化カットが施され、操作系はスライドストップを含めて完全アンビ仕様。リンクレスバレルシステムを採用し、耐久性と整備性を高めています。スライドはマルチプレート方式のオプティクスレディ仕様で、ナイトフィジョン(Night Fision)製トリチウムサイトも標準装備です。ポーティングバレルを選択した場合はリコイルがさらに抑えられ、素早いフォローアップショットが可能になります。P320マガジン互換により、入手性と信頼性を確保している点も実用面での強みです。

価格は約3,000〜3,200ドルで、フルサイズのプロエリート(Pro Elite)と同等の価格帯に設定されています。EDC(日常携帯・Everyday Carry)、競技(特にCarry Optics)、さらにはデューティ(職務)用途まで対応できるモデルとして、SHOT Show 2026以降、生産が順次拡大されています。

Zev Technologies FDP

ブリーフケースから、戦闘モードへ

ZEV テクノロジーズとマグプル(Magpul)が共同開発した「FDP(フォールディングディフェンシブプラットフォーム・Folding Defensive Platform)」は、独創的な折りたたみ構造を採用し、ピストル仕様のFDP-Pとカービン仕様のFDP-Cがラインナップされています。折りたたみ時はブリーフケースのような形状となり、携行性・秘匿性・展開速度を重視した設計が特徴です。

ピストルバリアントであるFDP-Pは、7.05インチバレルを備え、折りたたみ時の全長は12インチ(30.48cm)未満、展開時は約20インチ(50.8cm)となります。フレームはポリマー製で、内部にはナイトライド処理を施した4140スチールパーツを使用しています。マガジンは21発装填のMagpul PMAG GL9が2本付属し、最大33発まで互換性があります。重量はクラスとしては軽量の約4〜5ポンド(約1.8〜2.3kg)とされ、プレシジョントリガーを採用。出荷時にはPelican 1450ケースにカスタムフォームとともに収納されています。

最大の特徴であるフォールディング機構は、アクション全体を包み込むようにロックされ、携行時の安全性とコンパクトさを両立しています。展開は1秒未満で行え、安定した射撃姿勢をすぐに確保できます。キャリーハンドル一体型の可倒式アイアンサイト、1913ピカティニーレール、アンビ仕様のチャージングハンドルとリバーシブルマグリリースなど、操作性にも配慮されています。標準バレルは非ねじ切りですが、将来的にスレッドバレルのオプションも予定されています。耐腐食性の高い構造により、過酷な環境や隠匿携行用途にも適しています。

価格は1,699ドルで、2026年のSHOT Show後に生産が開始され、法執行機関、軍、民間ユーザー向けに順次出荷が進められています。

ZEV社とFDP開発の歴史

構想から製品化まで時間を費やしたモデルとなりました。

  • 2000年代前半:ZEV Technologiesの創業期。競技向けGlock用高性能パーツ開発の開始。ドロップイントリガーによる評価の確立。
  • 2007年頃:Magpul社内プロジェクトとしての折りたたみ式ディフェンシブピストルおよびカービン構想の誕生。FDP原型の成立。
  • 2010年代:軍・法執行機関・民間市場への展開拡大。OZ9ピストルの発表。モジュラーシャーシ設計の確立。
  • 2024年7月:SilencerCoによるZEV Technologies事業買収。OEM部門除外。FDPを含む自社ブランド開発への注力。本社ワシントン州に維持。
  • 2024年:ZEVとMagpulの協業によるFDP-9ピストルおよびFDC-9ショートバレルライフルの製品化進行。OZ9シャーシを基盤とした9mm設計。
  • 2025年1月:SHOT Show 2025でのFDP公開。同年内生産開始の発表。
  • 2026年1月:Folding Defensive Platformの正式発売。一般市場での販売開始。
DEB M21(UC-9)との違い

FDPは、1990年公開の映画「ロボコップ2」に登場したサブマシンガン「DEB M21」を想起させます。

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DEB M21

UC-9は、ユタ・コナー氏が1970年代半ばに構想した折りたたみ式サブマシンガンで、フランス製の折りたたみ式銃(MAS CR-39やMAT-49など)から影響を受けていました。「UC」は「Undercover」の略で、コナー氏のイニシャルでもあります。この設計を基に、1980年代後半には A.G. Becker UC-9 を参考にした派生試作モデル DEB M21 が製作されました。DEB M21はスチールプレスによる角張った外観と前方へ折りたたむ構造を備えていましたが、量産には至らず短期間で姿を消しています。

DEB M21
DEB M21 画像出典:imfdb.org

UC-9の初期生産は、コナー氏らの協力によってDEB M21として9丁が完成しました。しかし、1986年のヒューズ修正条項により新規フルオート銃の製造が禁止され、生産は中断。一方で、コナー氏が事前に登録していた約100丁分のレシーバーは合法的に完成させることができ、後年マイケル・シャイン氏が76丁を入手し、技術者チームとともに組み上げています。

UC-9とDEB M21はいずれもシンプルブローバック方式のオープンボルトを採用し、9mm弾を使用します。UZI用25〜32連マガジンをそのまま使用でき、32連マガジンを装着したまま折りたたむことも可能です。発射速度は毎分690〜895発で、折りたたみ時はマガジンがボルトに触れないため誤射の心配がありません。また、コッキング状態では折りたためない安全設計になっています。

一方で、DEB M21は給弾不良が多く、信頼性に課題がありました。アクセサリー類を装着する余地もほとんどなく、試作にとどまった理由の一つとなっています。

項目DEB M21ZEV Technologies FDP
開発年代1980年代後半2025年
開発背景試作サブマシンガン民間市場向けピストル
ベース設計A.G. Becker UC-9ZEV OZ9
作動方式オープンボルト式ブローバックショートリコイル式ロックドブリーチ
構造材スチールプレスポリマー製シャーシ
口径9mm9mm
マガジンUZI用ダブルスタックGlock互換ダブルスタック
製品化状況試作のみ市販モデル
主な用途実験・撮影用プロップディフェンス用

ライフル

FN SCAR Next‑Gen

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FN SCAR Next‑Gen 画像出典:fnamerica.com

SCARの形を残し、中身を刷新

FN Americaが2026年のSHOT Showで公開した「FN SCAR Next-Gen」は、同社を象徴するSCARプラットフォームを発展させた最新モデルです。外観のシルエットは従来のSCARを踏襲しつつ、リコイル低減、サプレッサー適性、モジュール性の向上など、20以上の改良が施されています。

ラインナップは、5.56×45mm NATOを使用する「SCAR 16S」(16インチCHFクロムライナーバレル)、7.62×51mm NATOまたは6.5 クリードモア対応の「SCAR 17S」(16インチバレル)、そして20インチのヘビーバレルと5Rライフリングを備えた精密射撃向け「SCAR 20S」で構成されています。いずれもセミオートで、ユーザーがバレル交換を行える設計です。マガジンは16SがSTANAG互換、17S / 20Sは20連マガジンを使用します。トリガーはカービンモデルがシングルステージで4.5〜7ポンド(約2.0〜3.2kg)、20Sはツーステージで3.5〜4.5ポンド(約1.6〜2.0kg)です。本体重量は約7〜8.5ポンド(約3.2〜3.9kg)に収まっています。

Next-Gen最大の改良点は、油圧バッファを組み込んだ2ピースボルトキャリアで、体感反動を大幅に軽減し、素早いフォローアップショットを可能にしています。この新キャリアは旧SCARにも後方互換性があります。アッパーレシーバーは延長され、3・6・9時方向にM-LOKを備えた広いレールスペースを確保。操作系は完全アンビ仕様で、セレクターは16通りの設定が可能です。ショートストロークガスシステムは2ポジションレギュレーターに更新され、信頼性が向上しています。

Next-Genでは3種類のセレクターレバーを左右に個別装着でき、各レバーには2〜4通りの設定(取り付け位置、向き、形状など)が用意されています。これにより、手の大きさや操作感に合わせた調整が可能です。

各レバーに複数の選択肢があるため、組み合わせは合計16通り。右利き・左利きどちらでも、親指で自然に操作できる配置を工具なしで設定できます。

サプレッサー対応も強化され、5.56モデルは1/2×28、7.62モデルは5/8×24のスレッドを採用。新たにFN QD556 / QD762サプレッサーがラインナップされ、前方排気構造、インコネル製、145〜149dBの低騒音、1万発耐久といった高性能を備えています。

価格は従来モデルと同程度の約3,500〜4,500ドルとされ、SCAR 17Sが2026年第1四半期、その他モデルが第2四半期に発売予定です。カラーはブラック、FDE、グレーが用意され、民間、法執行、軍向けに幅広く展開されます。

SCAR Next‑Gen(通称 MK2)の主な改良点
  • リコイル・ボルト周り
    • 油圧バッファ付き2ピースボルトキャリアで反動低減
    • ボルトキャリアの軽量化
    • 旧SCAR用の従来型キャリアも装着可能
  • ガスシステム
    • 調整されたショートストロークガス作動で安定化
    • 2ポジションのガスレギュレーターをレシーバー側から操作
    • ガスブロック周辺の構造を最適化し汚れを抑制
  • サプレッサー・マズル互換
    • 5.56は1/2×28、7.62は5/8×24の標準スレッド
    • サプレッサー向けにショルダー形状を最適化
    • QD対応マズルデバイスを標準装備
    • サプレッサー使用時の追加調整を最小化
  • レシーバー・ハンドガード・モジュール性
    • 上部レシーバーを約3インチ延長
    • フリーフロートM‑LOKハンドガード
    • 12時方向のピカティニーレールを継続
    • アクセサリー搭載スペースを拡大
    • ユーザー交換式バレルを維持
  • 操作系・エルゴノミクス
    • 全操作系を完全アンビ化
    • ボルトキャッチ/リリースを左右に配置
    • マグリリースも左右対応
    • セレクターも左右対称
    • 3種類のレバー形状を組み合わせて16通りの構成が可能
    • AR系グリップに対応
    • 頬付け改善の再設計ストック
    • 複数タイプのストックに交換可能
  • トリガー・射撃性能
    • 16S/17Sは改良シングルステージ(軽くクリスプな引き)
    • 20Sは専用2ステージトリガー
    • 旧SCARにも互換性のあるトリガーパック
  • 細部の改良
    • トルクスネジを採用し整備性向上
    • スリングポイントの配置を改善
    • 標準で縦型フォアグリップ付属
    • LOP調整などに使うカスタム用インサートを同梱
  • 互換性・エコシステム
    • 旧SCARとの高い後方互換性を維持
    • 新QD556/QD762サプレッサーと相互運用可能

Barrett MRAD Covert

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Barrett MRAD Covert 画像出典:barrett.net

携行性と長距離性能の両立を追求したMRAD

バレット社が2026年1月に発表した「MRAD Covert」は、同社のマルチキャリバープレシジョンボルトアクションライフル「MRAD」をベースに、携行性を大幅に高めたコンパクトモデルです。折りたたみ式ストックと迅速な分解機構により、バックパックに収まる秘匿性を実現しつつ、フルサイズMRADと同等の精度と耐久性を維持しています。

口径は.308 ウィンチェスターと6.5 クリードモアの2種類で、銃身長は17インチ、ツイストは1:8。マガジン容量は10発で、工場出荷時に5発で0.85 MOA未満という高い精度が保証されています。展開時の全長は約40.4インチ(約103 cm)で、折りたたみ・分解時には携行しやすいサイズに収まります。MRADシリーズの特徴であるユーザー交換式バレルシステムも継承され、将来的な口径変更にも対応します。

折りたたみストックとクイックディスアセンブリーにより、バッグ収納により秘匿携行が可能となり、軍・法執行機関・民間の長距離射手が求める機動性を大幅に向上させています。アンビ操作系や堅牢なレシーバー構造、拡張性の高いレールシステムなど、MRAD本来のモジュール性と信頼性はそのままです。サプレッサー使用や狭所での運用にも適した設計となっています。

2026年の新フィニッシュ展開とともに導入され、携行性と精密射撃性能を両立したモデルとして注目されています。

Henry SPD Predator

Henry SPD Predator画像
Henry SPD Predator 画像出典:henryusa.com

レバーアクションで最高の命中精度

ヘンリー社のスペシャルプロダクツディビジョン(SPD)が開発した「SPD プレデター(Predator)」は、.223 レミントン・5.56 NATOを使用するプレシジョンレバーアクションライフルで、バーミントやプレデター(害獣)ハンティング向けに設計されたモデルです。100ヤードで3発サブMOAという精度を備え、レバーアクションとしては異例の高い射撃性能を実現しています。

銃身長18インチのマッチグレード416Rステンレス製で、カーボンファイバーでテンションラップされた軽量構造を採用しています。ツイストは1:8で、1/2×28のねじ切りによりサプレッサー装着にも対応します。マガジンはMSRパターンの10連タイプで、Magpul PMAGが1本付属。全長は38インチ(約965mm)、重量は約6.2ポンド(約2.8kg)と軽量です。トリガーは工場出荷時に4ポンド(約1.8kg)に調整されており、ユーザーによる微調整も可能です。さらに、ハリス S-LMバイポッドが標準付属する点も特徴です。

レシーバーはレバーアクションスプリーム(Lever Action Supreme)と同様に航空機グレードのアルミニウムを使用し、特許取得のファイアコントロールや内部リンク機構、マガジンリリースを組み合わせることで、動作の無駄を極限まで排除しています。これにより、精度の再現性と素早いフォローアップショットが可能になっています。ストックはグレーのチェッカリング入りラミネート材で、調整式チークピースを備えています。光学機器用には鍛造カーボンファイバー製ピカティニーレールを搭載し、タンセーフティやサプレッサー対応のねじ切りなど、実猟での使い勝手を重視した仕様が揃っています。

価格は2,510ドルで、2026年の生産では過酷な環境下での耐久性を重視した設計が強調されています。ヘンリー社の永久保証も付帯し、精密射撃と実用性を両立したレバーアクションとして注目されるモデルです。

Savage 110 Trailblazer

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Savage 110 Trailblazer 画像出典:savagearms.com

バックカントリーのために生まれたプレシジョンライフル

サベージ・アームズの「110 トレイルブレーザー(Trail Blazer)」は、2026年モデルとして刷新されたモデル110シリーズの中でも、特に過酷な環境下での運用を想定した軽量ボルトアクションライフルです。バックカントリーハンティングやバーミント対策に適した耐候性と携行性を備え、サブMOA級の精度ポテンシャルを持つ実用志向のモデルとして設計されています。

バックカントリーハンティングとは、道路や整備された猟場から離れた山岳地帯や原野に入り、徒歩で行う狩猟スタイルです。

銃だけでなく、食料や野営装備を携行し、自然環境の中で行動から撤退までを自力で完結させる点が特徴です。体力と判断力が求められ、狩猟と同時に自然の厳しさと向き合うスタイルだと言えます。

口径は.338 ARCや.22 クリードモアをはじめとする多彩な選択肢が用意され、左利き用を含め最大34種類の構成が選べます。銃身長16.5〜20インチのストレートフルート入りカーボンスチール製で、5/8×24のねじ切りによりサプレッサー装着にも対応します。マガジンは4発の着脱式ボックスマガジンを採用し、全長は約36〜40インチ(約914〜1,016mm)、重量は6.67ポンド(約3.0kg)と軽量です。アキュトリガーは2.5〜6ポンド(約1.1〜2.7kg)の範囲で調整可能で、ジュエル加工されたボルトボディにより滑らかな操作感を実現しています。

アキュトリガー(AccuTrigger)は、ユーザーが引き金の重さを調整できる安全性重視のトリガーシステムです。引き金はクリープ感が少なく、明確な切れを持つ設計になっています。

トリガー中央のレバーであるアキュリリース(AccuRelease)は、完全に押し込まれない限りシアを作動させない仕組みで、落下や衝撃による暴発を防ぎます。引き金の重さは専用工具で調整でき、トレイルブレーザーではおおよそ2.5から6ポンドの範囲に設定可能です。

アキュトリガーは、AccuFit 2ストックと組み合わさることで、寒冷環境でも安定したサブMOA精度に貢献する要素の一つとなっています。

ストックにはフラットダークグレーの合成トロフィー(Trophy)ストックを採用し、工具不要のアキュフィット2(AccuFit 2)システムにより、長さ(12.75〜13.75インチ)とチーク高さを素早く調整できます。リムセーバー(LimbSaver)リコイルパッドは反動を最大50%軽減し、長時間の射撃でも快適です。バレルアクションにはブラックインクセラコート(Black Ink Cerakote)が施され、高い耐腐食性を確保。アンビ仕様のマガジンリリースや0 MOAのワンピーススコープレールなど、フィールドでの信頼性と光学機器の搭載性を重視した構成となっています。

価格は719ドルからと手頃で、トラックから山岳地帯までシームレスに移動しながら狩猟を行うユーザーに適したモデルです。今後はCoreやProといった上位バリアントも展開される予定です。

  • Trophy(トロフィー)ストック
    • Savage Arms社が採用している、軽量で耐久性の高い合成樹脂(シンセティック)製の銃床(ストック)。
    • 過酷なハンティング環境でも歪みが少なく、安定した精度を維持できるように設計。
  • AccuFit 2(アキュフィット 2)システム
    • 射手の体型や好みに合わせて、ストックの形状をカスタマイズできる機能。
      • プルレングス(長さ): 銃床の長さを調整し、腕の長さに合わせる。
      • チーク高さ: 頬を当てる部分の高さを調整し、スコープを覗く目の位置を最適化。 「2」では、これらを工具なしで素早く調整できるよう利便性が向上。
  • LimbSaver(リムセーバー)リコイルパッド
    • 銃床の最後尾(肩に当たる部分)に取り付けられた、高性能な衝撃吸収パッドのブランド名。
    • 独自の素材と構造により、発射時の衝撃を「50%軽減」と謳われるほど強力に吸収し、肩への負担や射撃時の恐怖感を和らげる。
  • Black Ink Cerakote(ブラックインクセラコート)
    • 銃身(バレル)や機関部(アクション)の表面に施された、セラミックを主成分とする特殊コーティング。
      • 耐腐食性: 非常に錆びに強く、雨や泥にさらされるフィールドでの使用に適する。
      • 耐久性: 擦り傷や摩耗にも強く、長期間美しい状態を保つ。 「ブラックインク」はそのカラー名称で、反射を抑えたマットな黒色。

ショットガン

Beretta AX800 Suprema

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Beretta AX800 Suprema 画像出典:beretta.com

高速作動と低反動の両立を極めた12ゲージ

ベレッタが2025年末に発表した「AX800 スプリーマ」は、水鳥猟向けに開発された同社最上位のセミオート12ゲージショットガンです。ガス作動式モデルとして過去最高レベルの高速作動、低反動、安定したパターン性能を追求し、過酷な環境下でも確実に作動することを前提に設計されています。

薬室は3.5インチシェルに対応し、銃身長28インチのスティーリウム・プロ仕様。トリガープルは約3.3〜4ポンド(約1.5〜1.8kg)で、キレの良いブレイクと短いリセットを備えています。ロングフォーシングコーン(17.7インチ / 450mm)により、タイトなパターンと遠距離における高いエネルギー保持を実現しています。

スペック

  • 全長:47.6〜51.6インチ(約1,209〜1,311mm)
  • 重量:約7.75〜7.8ポンド(約3.52〜3.54kg)
  • 装弾数:2+1発(延長可能)

スティーリウム・プロ(Steelium Pro)は、ベレッタが競技用ショットガン向けに開発した高性能バレル技術です。独自の三元合金鋼を用い、深穴加工と冷間鍛造などの工程によって製造されています。76cmバレルでは最大450mmに及ぶ長いフォーシングコーンが特徴です。

この構造により、発射時の弾道が安定し、反動や銃口の跳ね上がりが抑えられます。ペレットの変形が少なくなるため、鉛弾やスチール弾でも均一で密度の高い散布が得られ、精度向上に寄与します。

DT11やSL2といった最上位の上下二連銃に採用され、クレー射撃やトラップ競技での高い命中精度を狙った設計です。

作動方式には新開発のB-Link Proガスシステムを採用し、従来比で36%のサイクル速度向上、46%のクリーン化を達成しています。レシーバーはポリマー製で、錆に強くオイル不要のメンテナンス性を備えています。Kick-Off Proリコイル低減システムにより、反動を最大70%軽減し、重い水鳥用マグナム弾でも快適に射撃できます。操作系は大型化され、グローブ着用時でも扱いやすい設計です。

ストックは調整式で、交換可能なグリップやチークピースによりフィット感を最適化できます。スリムなフォアエンドは取り回しを向上させ、Optimachoke HPエクステンデッドチョークが標準で付属。水辺での使用を想定したカモパターンも用意され、信頼性の高い給弾と耐候性を備えたハンティング向けフラッグシップモデルとなっています。

価格はブラックが約2,499ドル、迷彩仕様が約2,599ドルで、水鳥猟に求められる耐久性と性能を高いレベルで満たすショットガンです。

  • B-Link Proガスシステム
    • 従来のB-Linkガスシステムを発展させた新型作動機構で、24〜64gの装弾に対応しつつ作動信頼性を確保。
    • サイクル速度は従来比36%向上し、再設計されたガスポートと低摩擦コーティングによりカーボン堆積を抑制、作動汚れを約46%低減。
  • Kick-Off Pro(キックオフ・プロ)
    • ストック内に油圧ダンパーを組み込んだ反動吸収機構で、最大70%の体感反動低減を実現。
    • 肩への衝撃とマズルジャンプを抑え、マグナム装弾でも素早い復帰と照準維持を可能にする。
  • Optimachoke HP(オプティマチョーク HP)
    • 高強度スチール製の交換式チョークで、スチールショット使用に対応。
    • 長距離での均一なパターン形成と安定した密度を確保するよう最適化されている。

まとめ

FDPイメージ画像

今回取り上げた10モデルはいずれも、現代の銃器に求められる携行性・精度・拡張性を高いレベルで備えています。

ハンドガンではコンパクトモデルや復刻モデルが存在感を示し、ライフルではモジュール性と精度を重視した軍・法執行向けや狩猟向けの軽量モデルが目立ちました。ショットガンも低反動化や作動性向上が進んでいます。

これらの傾向から、スペック競争ではなく、用途を重視した設計が主流になっていることが分かります。

参考文献
  • ActionGunner:OA 2311 Compact Pro Elite
  • All4Shooters:Henry SPD Predator
  • American Hunter:Savage 110 Trail Blazer
  • American Rifleman:Staccato HD C4X
  • Barrett:MRAD Covert
  • Beretta:AX800 Suprema
  • Bill Hicks & Co.:ZEV FDP-P
  • Field & Stream:AX800 Suprema
  • FN America:SCAR Next-Gen
  • Frag Out Magazine:Barrett MRAD Covert
  • Gun Digest:Staccato HD C4X
  • Gun Talk:Staccato HD C4X
  • GunsAmerica:CZ 75 Legend
  • GunsAmerica:Henry SPD Predator
  • GunsAmerica:OA Defense 2311 Pro Elite
  • GunsAmerica:ZEV FDP
  • GunsWeek:CZ 75 Legend
  • GunsWeek:FN SCAR Next-Gen
  • GunsWeek:Henry SPD Predator
  • Henry USA:SPD Predator
  • HK-USA:CC9 Optics Ready
  • HK-USA:CC9
  • Inside Safariland:Staccato HD C4X
  • OA Defense:2311 Pro Elite
  • Rifle Configurator:FN SCAR Next-Gen
  • Savage Arms:110 Trail Blazer
  • Target Focused:Beretta AX800 Suprema
  • The Truth About Guns:CZ 75 Legend
  • The Truth About Guns:ZEV/Magpul FDP
  • USA Carry:FN SCAR Next-Gen
  • YouTube:AX800 Suprema
  • YouTube:CZ 75 Legend
  • YouTube:HK CC9
  • YouTube:MRAD Covert
  • ZEV Technologies:FDP
  • その他、多数の資料

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この記事を書いた人

・1998年:実銃解説サイトを開設
・2001年~2007年:米国に居住し実弾射撃を学ぶ
・エアガンメーカー勤務経験や実銃経験を活かした情報を発信中

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