S&Wリボルバーのフレームサイズとは?モデル別の特徴と使用弾薬を解説

リボルバーイメージ画像

この記事の要約:

  • S&Wリボルバーのフレームサイズは J・K・L・N・Z・X の種類があり、銃の大きさ・重量・使用弾薬・装弾数を分類する基準となっている。
  • 小型の Jフレームは.38SPL中心の5連発、中型の K/Lフレームは.38SPL〜.357MAGの6連発、大型の Nフレームは.357MAG〜.44MAGの6〜8連発 といった特徴がある。
  • フレーム刻印で識別するのではなく、シリンダー径・グリップサイズ・重量バランス などの物理的特徴で判別され、モデルごとに最適なフレームが選ばれている。

スミス&ウェッソン(S&W)のリボルバーには、「Kフレーム」「Lフレーム」といったアルファベットによる分類が存在します。これらは特定の弾薬やモデル名を示すものではなく、フレームの大きさ・強度・用途を示す設計上の分類です。

本記事では、誤解されがちな「フレームサイズと弾薬の関係」について明確にしたうえで、例としてKフレームとLフレームそれぞれの特徴と誕生の背景を解説します。

目次

フレームサイズの本質:「用途と強度」を示す設計思想

銃の画像
画像出典:smith-wessonforum.com

S&Wのフレームサイズは、主に以下の要素を規定しています。

  • 物理的な大きさと重量
  • 強度(耐久性)
  • 想定用途(隠匿携行、汎用、重量弾対応など)

代表的なフレーム分類としては、

  • Jフレーム:小型・コンシールドキャリー(隠匿携行)向け
  • Kフレーム:中型・汎用向け
  • Lフレーム:中型・ヘビーロード長期使用向け
  • Nフレーム:大型・高圧弾向け
  • Xフレーム:超大型・超高圧弾向け

といった区分が設けられています。

ここで重要なのは、フレームサイズと使用弾薬には一対一の対応関係が存在しないという点です。

例として、KフレームおよびLフレームには、以下のような複数の口径モデルが存在します。

  • .38 スペシャル
  • .357 マグナム
  • 9mm ルガー
  • .44 スペシャル(一部モデル)

このため、「Kフレーム=.38口径」「Lフレーム=.357口径」といった固定的な対応関係は成立しません

さらに、.38 スペシャルや.357 マグナムは、以下の複数フレームで採用されています。

  • Jフレーム(小型)
  • Kフレーム(中型)
  • Lフレーム(中型強化型)
  • Nフレーム(大型)

このように、「フレームサイズ=特定の弾薬」といった規則性がありません。

また、近年のスカンジウム合金など特殊軽量素材の採用により、小型フレームでありながら強装弾に対応するモデルも登場しています。これにより、フレームサイズと弾薬の関係はさらに多様化しています。

S&W社のフレームサイズ (.38 スペシャル~.357 マグナム)

S&W社の.38スペシャルや.357マグナムを使用するリボルバーでは、以下のような区分になっています。

大きさフレームS&W社のモデルナンバー使用弾薬装弾数
小型
チーフスペシャル
(M36,M37,M60,M337,※M360,M637)
センチネル
(M40,M42,M342,M340,M442,※M640,M642)
ボディーガード
(M38,M49,M438,M638, ※M649)
.38スペシャル
※.357マグナム
5発
中型
ミリタリー&ポリス
(M10,M12,※M13,M64,※M65)
.38スペシャル
※.357マグナム
6発
コンバットマスターピース
(M15,M67,M68)
ターゲットマスターピース
(M14)
ナイトガード
(M315)
.38スペシャル
コンバットマグナム
(M19,M66)
.357マグナム
中型強化型Lセンテンニアル
(M242)
.38スペシャル7発
ディスティングイッシュド・コンバットマグナム
(M586,M686)
ディスティングイッシュド・サービスマグナム
(M581,M681)
サービスマグナム
(M619)
ターゲットマグナム
(M520,M620)
アーロイマグナム
(M386)
.357マグナム 6~7発
大型
ミリタリー&ポリス
(M520)
ハイウェイパトロールマン
(M28)
ザ・マグナム
(M27)
8ショットマグナム
(M327,M627)
.357マグナム
6~8発
Zガバナー.45コルト/.4106発
最大XM500.500S&W5発

Kフレームの特徴

S&W M19リボルバー画像
S&W 19 画像出典:smith-wesson.com

Kフレームは、S&Wが長年にわたり製造してきた伝統的な中型フレームです。

もともとは6発の.38 スペシャルを前提に設計され、後に.357 マグナム対応モデルも展開されました。

Kフレームの主な特徴

  • 携行性とバランスの良さ
  • 操作性の高さ
  • 豊富なモデルバリエーション

Kフレームの代表的なモデル

  • Model 10:.38 スペシャル、警察採用の定番モデル
  • Model 15:.38 スペシャル、ターゲットサイト装備
  • Model 19:.357 マグナム、コンバットマグナム
  • Model 66:.357 マグナム、ステンレスモデル

これらはグリップ形状や基本フレーム寸法が共通しており、一貫した操作感があります。

Lフレーム誕生の背景

Kフレームは優れた携行性を持つ一方で、高圧の.357 マグナム弾を長期間使用し続けると、耐久性の限界に達するという課題が指摘されていました。

特に問題となったのは、シリンダーヨークを避けるためにバレル下部(6時方向)が削られた構造により、フォーシングコーン部分に亀裂が発生しやすいという点でした。

ルガーGP100のフォーシングコーン
M19フォーシングコーン画像
亀裂が生じたフォーシングコーン 画像出典: smithandwessonforums.com

この課題に対応するため、S&Wは1970年代後半から80年代にかけて、Nフレームほど大型化させずに構造強度を向上させた「Lフレーム」を開発しました。

Lフレームの設計思想

S&W 686+画像
S&W 686+ 画像出典:Junglecat, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

Lフレームは、Kフレームのグリップ寸法を維持しつつ、以下の部分を強化した設計となっています。

Lフレームの主な強化箇所

  • トップストラップの厚み増加
  • フレームウィンドウの拡大と補強
  • シリンダー周辺部の肉厚増加

Lフレーム強化で実現したこと

  • より太径のシリンダー(6発に加え、7連発モデルも存在)
  • フル径フォーシングコーン(6時方向の切削が不要)
  • .357 マグナムの長期使用に耐える耐久性

代表的なモデルとしては、Model 586(ブルーフィニッシュ)、Model 686(ステンレス)などがあります。

KフレームとLフレームの関係性

両者の位置づけを整理すると、以下のようになります。

項目KフレームLフレーム
設計思想携行性とバランス重視強度と耐久性重視
適性日常的な携行・中程度の使用頻度.357 マグナムの頻繁な使用
位置づけ汎用中型フレームKフレームの強化発展型

ただし、フレームサイズはあくまで傾向を示すものであり、使用弾薬を決定する要素ではありません。

実際の口径は、必ずモデル名またはバレル刻印で確認する必要があります。

まとめ

本記事では、スミス&ウェッソン製リボルバーにおけるフレームサイズの考え方と、その違いが持つ意味を整理しました。フレームサイズは大きさだけでなく、強度・耐久性・想定用途といった設計思想を反映した区分です。JフレームからXフレームまで、それぞれに明確な役割があり、同じ口径であってもフレームが異なれば使用感や適した用途は大きく変わります。

購入を検討する際や知識を整理する際の基礎情報として、本記事が参考になれば幸いです。

さらに詳しいフレームサイズの情報は以下の記事をご覧ください。

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この記事を書いた人

・1998年:実銃解説サイトを開設
・2001年~2007年:米国に居住し実弾射撃を学ぶ
・エアガンメーカー勤務経験や実銃経験を活かした情報を発信中

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