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新しい銃が欲しいと刑務所ガードマンがストライキ

先週のニュースですが、面白い記事を見つけました。

[アテネ 17日 ロイター]ギリシャで刑務所の護衛官が、来週ストライキをする予定だ。彼らは、ほぼ一世紀前に中央アメリカでおこったアメリカ戦争に始まる米国製武器の刷新を求めている。
刑務所で代々伝わってきたこの銃は、骨董品屋は喉から手が出るほど欲しいかもしれない。刑務所護衛官が、もういらないと言っているのは1911年製キャバルリー・リボルバーだ。
安全性の専門家が護衛官に、この銃はもう発砲できないと告げてから、囚人達はまったく怖がらなくなってしまった。
「脱走を試みようとする囚人は後を絶たない。それに囚人は『あんな銃なんかに俺は撃たれっこないね。だから脱走をしてやるんだ』と言うんです。と、エクステリア・プリズン・ガード組合長のイヨルゴス・コスティカスさんはロイター通信に語った。
ガードマンたちは、新しい武器の調達や増え行く囚人の安全を確保するための道具などを求めて来週ストライキをする予定だ。
「2800人の護衛官が現在所属しているが、武器は1200しかない。適切な武器で、囚人の周囲をもとめることは、非常に無図カッしい」と答えている。

ここで登場する、”1911年製キャバルリー・リボルバー”とは、どんなリボルバーなのか?

初めて目にするモデル名が気になりました。

この記事の英語版を読むと、”1911 US Cavalry revolver”となっているので、コルト製リボルバーで間違いないでしょう。

さらに、英語版からはこのリボルバーが.45口径であることもわかります。

しかし、コルトのリボルバーで1911なんて聞いたことがありません。

1911年の直前まで、米軍はコルトM1909をサービス・リボルバーとして採用していたので、おそらくM1909の間違いではないかと思います。

 

コルトM1909は、米軍で最後に採用された.45口径リボルバーで、1911年にM1911ピストルが採用されるまでの間使用されていました。およそ、21,000丁が製造されています。

過去のフィリピンでの作戦で米軍は.38SPL口径リボルバーのパワー不足の教訓から.45口径へと取り替えたわけですが、1907年以降から使用されはじめていたM1909も、数年足らずで1911年にはM1911ピストルへと交代となったのでした。

しかしながら、M1911ピストルが採用された後も、個人的にM1909を愛用する者は多く、愛着と信頼をもたれながらさらに長く使用されていたと言えます。

また、第一次世界大戦時には、英軍(エンフィールド)がM1909を米国から輸入し採用していました。

そんな歴史を持つ古いリボルバーが、まさか今でも使用されているとは驚きでした。

米国での現在のM1909価格は、アンティークとしての価値が付くため、状態が良ければ1,000ドルを超えますし、多少悪くても数百ドルはするでしょう。

しかし、現役で使用されていたリボルバーとなれば、かなりのボロかもしれないので、まともな値段が付けられるのか微妙です。

ストライキの結果はどうなったのでしょうか?

最後までお読みいただきありがとうございます。

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