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DI式の「汚れ易さ」と「OTB能力」について

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  • このトピックには3件の返信、2人の参加者があり、最後にポルポルにより1年、 9ヶ月前に更新されました。
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    投稿
  • #101356
    名無しの銃ヲタ見習い
    ゲスト

    一つ目の質問はDI式の欠点として一般論に挙げられる「発射薬の種類によってはその残渣が機関部に付着して汚れやすくなる」部分に関して
    「高圧ガスがチューブを初めとした機関部を吹き抜ける為残渣が溜まるどころか寧ろ吹き飛ばされるので言われる程汚れない」といった反論も聞きますが、
    実際にそれは間違っていないのか、更に言えば「発射薬によって」というのもベトナム戦争時にあったとされるM16にM14の装薬を利用されていた件も関係してるのでしょうか?

    二つ目の質問はDI式AR-15のOTB(オーバーザビーチ)能力についてですが、その話題が取り上げられたヘッケラー&コッホ社によるHK416の紹介動画について
    「HK416にはOTB能力を向上させる上で排水用の穴が儲けられている、M4が水から上げて直ぐ撃ったのに対しHK416が時間を置いて水を排出させてから撃った、M4の14.5インチ銃身に比べてHK416の10インチ銃身は短い故に排水し易い」といった指摘がなされており
    「OTB能力にガス作動方式の違いとは関係が無い」と捉えるべきなのでしょうか?

    #101358
    ポルポル
    キーマスター

    >「高圧ガスがチューブを初めとした機関部を吹き抜ける為残渣が溜まるどころか寧ろ吹き飛ばされるので言われる程汚れない」

    ガスチューブ内は高圧ガスによってカーボンを吹き飛ばすため、基本的にガスチューブ内のクリーニングは不要です。
    しかし、ボルトキャリア周辺はガンオイルにカーボンや不完全燃焼のパウダーが付着し、大量に発射するほど蓄積します。

    DI方式はピストン方式と異なりガスをレシーバー内に引き込む構造のため汚れやすいですが、とはいえ軍でDI方式も採用されているように、通常の使用でDI方式の作動の信頼性に大きな影響はありません。

    >「発射薬によって」というのもベトナム戦争時にあったとされるM16にM14の装薬を利用されていた件も関係してるのでしょうか?

    ベトナム戦争時にM16にM14の装薬を使用した事実は無いと思われますが、もし使用していたという信頼できるソースをご存知の方がいればお教えいただきたいです。
    M14で使用されていた7.62mm弾は装薬にIMR4895やIMR4064が使用された一方、5.56mm弾(M193)ではIMR4475、CR8136、IMR8208M、WC846などが使用されました。
    レミントン社とデュポン社がIMR4475の採用を止めたのが1964年で、レミントン社がCR8136を止めたのは同年末となっており、XM16E1が配備された1963~1967年の期間ではIMR4895やIMR4064の使用が確認できません。
    (1963年の米空軍による仕様書にIMR4064が存在するものの、実際に製造されたのか確認できません)

    本題から逸れましたが、装薬の違いによって残留するカーボンや不完全燃焼の装薬といった残渣の量が異なるのは事実です。
    質の悪い安価な弾薬はカーボンの量が多い傾向がある他、ベトナム戦争時を例にすると、当時は通常であれば質の悪い装薬を弾いて良質なものだけを使用するところ、戦時の大量生産によって従来の品質管理が困難となり、質の悪い弾薬が流通したこともM16のジャムの一因になっています。

    >「OTB能力にガス作動方式の違いとは関係が無い」と捉えるべきなのでしょうか?

    違いは関係あります。
    問題となるのは銃身長よりもガスチューブの有無で、ガスチューブ内に水が残っている状態は発射時に高圧となり、薬室内が高圧状態であるにも関わらず薬室を開放するため破裂や破損に繋がります。

    一方でピストン方式はガスチューブが存在しないため、破裂のリスクが低くなります。

    #101359
    名無しの銃ヲタ見習い
    ゲスト

    M16におけるベトナム戦争でのジャムの頻発は当初使われていた”Olin WC846”若しくは”WC846 ball propellant”という火薬を用いるのが不味かった、という話を聞きますが
    M14でも使われていたか、という話までは確認出来ませんでした、すみません…
    https://content.time.com/time/subscriber/article/0,33009,899755,00.html

    #101360
    ポルポル
    キーマスター

    情報ありがとうございます。

    ご指摘の通り、WC846に変更したことが原因でサイクルレートが上昇し、ライフルと弾薬の仕様のバランスが崩れたことでジャムが増加したことに間違いありません。
    その結果、バッファーシステムやバッファースプリングの変更、薬室内のクロムメッキ処理による腐食防止などにより作動不良率を低下させました。

    ただ私が疑問に思う点は、M14でWC846を問題なく使用していたものをM16で使用したのかという経緯です。

    確かにWC846は7.62mmNATO弾に使用され、具体的には、M59、M61、M62、M80、M118、M198に使用されていますが、1964年以前もWC846が使用されていたのか確証が得られません。

    1968年の米軍のレポートでは、WC846がM193に採用された1964年の作動不良のテスト結果において、M16と同様にM14も不良率が上昇しています。

    つまり、WC846がM14に適してM16に適さないという問題ではなく、装薬を変更した結果によって生じた問題ではないかと考えたわけです。

    WC846は.303ブリティッシュに使用された歴史のある装薬なので1964年以前の7.62mmNATO弾に使用されていても不思議はありませんが、実際に広く流通し軍で使用されていたのか経緯が気になるところです。
    私も勉強不足ですので、また時間のあるときにレポートなど資料を熟読したいと思います。

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