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旧コルトパイソンのシリンダーギャップとリアサイト

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  • このトピックには4件の返信、2人の参加者があり、最後にゆうたにより2年、 9ヶ月前に更新されました。
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    投稿
  • #93104
    ゆうた
    ゲスト

    いつもお世話になっております。
    またよろしくお願いします。

    旧コルトパイソンのシリンダーギャップについてなのですが、「マスターピースピストル」という本のP131に「パイソンのシリンダーギャップは0.25~0.3mmとかなり大きい」と書いてあり、「シリンダーギャップが0.15mmに改善されたのは、かなり末期のことだった」とも書かれています。
    私が気になるのはシリンダーギャップが改善されたのは正確にはいつの時期なのかということなのですが、ご存じでしょうか?
    何しろ1955~1996年と息の長いモデルなので「末期」と言われてもそれがいつ頃なのかわかりません。
    それと、旧コルトパイソンが明確に変更を加えたのはリアサイトだけで他は何も変わっていないという意見をYouTubeで聞きました。
    これはどんな変更がいつ頃加えられたのでしょうか?
    よろしくお願いします。

    #93107
    ポルポル
    キーマスター

    >「パイソンのシリンダーギャップは0.25~0.3mmとかなり大きい」

    これが事実なのかはさておき、現代のS&W.357マグナムリボルバーでも最大0.012インチ(約0.3mm)まで許容されているので特別大きいわけではありませんが、コルトのファクトリースペックでは0.003~0.008インチのため、比較すると大きいと言えそうです。

    パイソンはタイトなシリンダーギャップで知られているリボルバーなのでそれとは矛盾する気がしますが、とはいえ実際には個体差があるためスペック通りとは限らず、実測すると大きい場合もあります。

    >旧コルトパイソンが明確に変更を加えたのはリアサイトだけで他は何も変わっていない

    リアサイトの他には、排莢時にグリップが干渉するため1963年にグリップ上部を削ってサムレストに変更されています。

    サイトについてはパイソンではアクロサイト(Accro)が搭載されているのですが、1950年代の終わりごろにベース部分の先端形状が丸型から角型に変更されました。

    リアサイトはピン止めで固定されており、シーソーのように動くことでエレベーション調整が可能な構造ですが、先端部分を平らにすることで可動域が大きくなり、リアサイトをより高く上げることが可能になっています。

    また当時コルト社はオプションとしてイライアソンサイト(Ellison)を提供しており、中古市場のパイソンではこの2種類のサイトが多く見られます。

    #93110
    ゆうた
    ゲスト

    ポルさん、いつもありがとうございます。

    まずシリンダーギャップの件ですが、私はずっと旧コルトパイソンのシリンダーギャップは大きいものだという認識でいました。
    ですので、
    http://www.ballisticsbytheinch.com/357mag.htmlで旧コルトパイソンの6インチの弾速がそれよりもバレルの短い銃たちよりも遅いのはそのせいだと思っていました。
    ですがポルさんのお話によると「シリンダーギャップが改善されたのはかなり末期」というよりは「もともとシリンダーギャップは小さいものだった」ということでしょうか。
    実はこの元ネタの本、先日9ミリ拳銃のスライドの件でご迷惑をおかけした元ネタを書いているところが出版している本なんですね。
    日本では月刊GUNの血脈を引き継ぐ本の別冊ムック本だったりもします。
    なので鵜呑みにしてました。
    (旧コルトパイソンのシリンダーギャップについては記憶にないほど前から大きいものだという認識でいました)
    とあるYouTuberさん(旧コルトパイソンのリアサイトの件を指摘した方でもあります)は実際に旧コルトパイソンを所持していて、「シリンダーギャップが大きいなんてことはないですよ」とは仰っていたのですが…。
    次にリアサイトの件ですが、ずいぶん初期に変更されていたのですね。
    今旧コルトパイソンのリアサイトを見てみましたが角型になっているようです。
    グリップに関しては先述の本にフルチェッカーのグリップが付いている画像がありましたが、あれが最初の旧コルトパイソンのグリップになるのでしょうね。
    トイガン用のグリップはポルさんが仰るような形状のものになっています。
    しかし、日本の専門誌はもう駄目なんでしょうか、もともと駄目だったんでしょうか…。

    #93114
    ポルポル
    キーマスター

    >旧コルトパイソンの6インチの弾速がそれよりもバレルの短い銃たちよりも遅いのはそのせいだと思っていました。

    パイソンの弾速がS&Wやルガーの.357マグナムリボルバーより遅い傾向があるのは事実です。
    原因はいくつか考えられますが、一つはライフリングのツイストレートの違いに原因があると考えられます。
    S&Wの.357マグナムリボルバーのツイストレートは1:18.75インチですが、パイソンは1:14インチのため加速が遅れます。

    また、パイソンは銃口に向かって口径が小さくなるテーパードボアを採用しているため、これがブレーキになっている可能性があります。

    他にも、シリンダースロートやフォーシングコーンのサイズの違いや、使用弾薬の違いも影響します。

    使用弾薬によっては同じパイソンでも4インチバレルより8インチバレルの方が弾速が速い場合もあれば、逆に4インチバレルの方が速い場合もあります。
    4インチバレルで最適化されている弾薬では装薬の燃焼速度が速く、圧力のピークが早いタイミングで到達するため6~8インチバレルではライフリングの摩擦により弾速にブレーキが掛かります。

    弾速低下に影響する原因は多く、他にも気温差、使用弾頭の直径、ボアの直径、グルーヴの直径、シリンダーギャップ・・・等々、様々です。

    >「もともとシリンダーギャップは小さいものだった」ということでしょうか。

    コルトが設定するファクトリースペック通りなら0.008インチ以下のはずですが、実際に市場に流通しているパイソンのなかには0.002インチといったタイトなものや、反対に0.012インチといったギャップが大きいものもあるということです。

    >あれが最初の旧コルトパイソンのグリップになるのでしょうね。

    そうだと思います。
    他にはパックマイヤーグリップのパイソンハンター(8インチバレル)などもあります。

    >日本の専門誌はもう駄目なんでしょうか、もともと駄目だったんでしょうか…。

    内容がファクトリースペック値なのか実測値なのか、それとも傾向があるという意味なのかわからないので、一概に間違っているとは言えないと思います。

    #93118
    ゆうた
    ゲスト

    ポルさん追記ありがとうございます。

    パイソンというか銃器の初速というものは以前にポルさんがお話ししていた通り実測してみないとわからないようですね。
    ただパイソンの初速が遅い傾向があることとその要因がわかってとてもありがたいです。
    また弾薬には4インチで適正化されているものがあるというのは驚きでした。
    他のバレル長で適正化されているものも当然あるのでしょうね。
    やはり実測しないとわからないわけですね。
    シリンダーギャップに関しては個体差が結構あるということでしょうか。
    これもやはり実測しないとわからないですよね。
    (シリンダーギャップを測る板みたいなのを見た記憶があるのですが)
    グリップに関しては最初期のグリップも味があっていいですね。
    パックマイヤーは意外なチョイスですが「しっかり当てる」という意味では木製グリップよりも安定しているのかもしれませんね。
    最後に日本の専門誌についてですが、本当にどうなんでしょうね…。
    9ミリ拳銃のスライドに関しては完全に凡ミスですし、他の雑誌の編集長がtwitterで「自衛隊次期拳銃はSIG P320だ!」と飛ばしツイートを流したのも記憶にあります。
    最近は海外のサイトを見ることも覚えた私ですが、やはり日本語で教えてくれる情報というものは大変ありがたいのでもっと頑張ってほしいところです。

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