.357SIGも.357マグナム並みに貫通力が高い弾薬です。
.357SIGが一部の法執行機関で採用された理由の一つは、.357SIGが市場に登場した当時の9mmの性能が低かった問題があります。
1986年のマイアミ銃撃事件を切っ掛けに法執行機関が.40S&Wや10mmオートを採用するなか、1994年に登場した.357SIGはストッピングパワーや遮蔽物(ハードターゲット)などに対する貫通力が評価され採用する法執行機関が現れました。
.357SIGは貫通力が高く二次被害のリスクはありますが、それよりもストッピングパワーなどのメリットを優先した結果です。
しかしやがて9mmホローポイント弾の性能が向上すると.357SIGのデメリット(銃身命数低下などパーツの消耗、弾薬コスト、訓練コスト、速射性、命中精度、過剰な貫通力などの問題)が相対的に大きくなり、シークレットサービスを始めとして多数の法執行機関が.357SIGから9mmへと変更しています。
恐らくこの流れは今後も変わらず、長期的にみると.357SIGは次第にニッチな市場に応える弾薬になると考えられます。
実際の貫通力については弾薬の種類、弾速、弾頭重量などによっても異なるため一概に比較できませんが、以下のバリスティックゼラチンに対する実射テストの結果が参考になると思います。
(.357マグナムは銃身長2~4インチのリボルバーを使用していますが、.357SIGは銃身長4.5インチのグロック31を使用しています)
関連記事:FBIが.40S&Wより9mmを選択した理由とは?
参考:
https://www.luckygunner.com/labs/357-sig-gel-test/
https://www.luckygunner.com/labs/revolver-ballistics-test/