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熊の狩猟に最適な銃と弾薬おすすめ比較|ライフル・ショットガン・熊スプレーを解説

グリズリー画像

北海道のヒグマや北米のグリズリーといった大型熊に対して、どんな弾薬や銃が有効なのでしょうか?

ヒグマやグリズリーは極めて危険な動物であり、確実な一撃で仕留めるための強力な銃器が求められます。

この記事では、北米のハンターが推奨する弾薬と銃を整理し、分かりやすく解説します。

※専門用語は記事の最後で解説しています。

ライフル(熊狩猟で最も一般的)

.375 ルガー

.376 Steyr, .375 Ruger, .30-06画像
.376 Steyr(左).375 Ruger(中央) .30-06(右)
画像出典:Hellbus, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

.375ルガー(.375 Ruger)は、2007年にホーナディとルガーが共同開発した、大型デンジャラスゲーム狩猟向けのライフル弾です。従来の.375 H&Hマグナムに匹敵する性能を持ちながら、短く幅広の弾薬設計により効率的な装薬容量を確保しています。

狩猟用語におけるデンジャラスゲーム(Dangerous game / 危険獣)とは、狩猟対象として大きく攻撃性が高く、力や習性により人間に重大な危害を及ぼす可能性がある動物を指します。狩猟では非常にリスクが高く、経験や専用装備、大型ライフル、場合によってはプロのガイドが必要です。

代表的なデンジャラスゲームには以下があります。

  • アフリカゾウ:非常に大型で知能が高く、危険を感じると猛突進する。
  • サイ:大型で素早く、カモフラージュ能力もある。
  • カバ:縄張り意識が強く攻撃的で、アフリカで多くの死亡事故を起こす。
  • ケープバッファロー:非常に攻撃的で、特に負傷時や子を守る時に危険。
  • ナイルワニ:水陸両方で素早く、非常に強力な咬合力を持つ。
  • ライオン・ヒョウなどの大型猫類:力、速度、知能、夜間狩猟能力が高く危険。
  • クマ:大型で力が強く、鋭い爪を持つ。特に険しい地形で危険。
  • イノシシ:鋭い牙と予測不能な行動で攻撃的。

口径は.375(9.5mm)、最大圧力は62,000 psiで、270〜300グレインの弾を使用可能です。初速は約2,660〜2,840フィート毎秒(810〜870 m/s)で、高い貫通力を発揮します。スタンダードレングスアクションに対応しているため、.375 H&Hマグナムより短く軽量なライフルで同等の弾道性能を得られ、扱いやすく、コスト面でも利点があります。

狩猟用途としては、北米やアフリカの大型獣、特に熊やエルク、バイソンなどの大型獣に適しています。短めの銃身でも十分な威力を発揮できる点が、実用的な選択肢となっています。

Ruger Hawkeye Alaskan画像
Ruger Hawkeye Alaskan 画像出典:ruger.com
  • 対応銃:
    • Ruger Hawkeye Alaskanなど
  • 特徴:
    • スタンダードレングスアクション対応。
    • 短めの銃身でも高威力を発揮。
    • 北米・アフリカの大型獣狩猟に適する。

.375 H&H マグナム

.375 H&Hマグナムと.338ウィンチェスターマグナムの画像
.375 H&Hマグナム(左).338ウィンチェスターマグナム(右)
画像出典:Alchemy pete at English Wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons

.375 H&Hマグナムは、弾頭重量が235グレインから350グレイン(15〜23g)まで揃い、一般的には300グレイン(19g)が使用されます。

初速はおおむね2,500〜2,700フィート毎秒(約760〜820 m/s)で、高い貫通力と安定した弾道を誇ります。弾頭の重量が異なっても狙点の変化が少ないため、狩猟時の照準調整が容易です。

多くの地域では、デンジャラスゲームを狩猟する際の法定最低口径として採用されており、アフリカや北米の大型獣から中型獣まで幅広く対応可能です。

その信頼性と汎用性から、「中口径の女王」と称され、100年以上にわたって愛用され続けています。

pre-1964 Winchester Model 70画像
pre-1964 ウィンチェスター Model 70
画像出典:Alaska Senate Majority, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons
  • 対応銃:
    • Winchester Model 70 Alaskan
    • Ruger M77 Magnum
    • CZ 550 Safari Magnumなど
  • 特徴:
    • 安定した弾道で大型獣から中型獣まで幅広く対応。

.338 ウィンチェスターマグナム

.375 H&Hマグナムと.338ウィンチェスターマグナムの画像
.375 H&Hマグナム(左).338ウィンチェスターマグナム(右)
画像出典:Alchemy pete at English Wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons

.338ウィンチェスター・マグナム(.338 Win Mag)は、1958年にウィンチェスター社が開発した中口径マグナムライフル弾です。元は.375 H&Hマグナムを短縮・口径変更して設計されており、スタンダードレングスアクションのライフルに対応しています。

北米では、特にグリズリーなどの大型熊狩猟で、最も信頼される弾薬の一つです。弾頭重量は200~250グレインが一般的で、高初速かつ大きなエネルギーを持つため、突進してくる危険な獣に対して十分なストッピングパワーを発揮します。例えば、200グレインの弾では約4,000 ft-lbfのマズルエナジーを発生させ、遠距離でも大きな威力を保持できます。

反動は強めですが、適切なストックやリコイルパッドで軽減可能です。北米では大型シカやヘラジカ、さらにグリズリーやヒグマなどの危険な獲物の他、クラス3ゲームの狩猟・ディフェンス用途として広く使用されており、信頼性の高い中口径マグナム弾として知られています。

クラス3ゲーム(Class 3 game)とは、一般的に危険性は低いものの大型で、狩猟には中~大口径ライフル弾が必要な大型獣の分類を指します。体重は約140~680kgで、体の皮膚は薄めです。

  • クラス3ゲームの代表例:
    • エルク(ワピチ)
    • ヘラジカ
    • カリブー
    • クーズー
    • イランド
    • シマウマ
    • ヌー
    • ウォーターバックなど。
  • 一般的な分類
    • クラス1:小型獣や害獣
    • クラス2:中型の大型獣
    • クラス3:大型でサイズは大きいが、通常は危険性が低い獣
    • クラス4:非常に大型または危険な獣(厚い皮膚を持つ獣や危険な獣。例:バッファロー、熊、象)
レミントン700SPSタクティカル画像
レミントン700SPSタクティカル 画像出典:Picanox, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
  • 対応銃:
    • Winchester Model 70
    • Browning X-Bolt
    • Remington 700
    • Savage 110など
  • 特徴:
    • 北米大型熊狩猟で信頼される中口径マグナム。
    • 高初速・大マズルエナジーでストッピングパワーに優れる。

.300 ウィンチェスターマグナム

.300ウィンチェスター・マグナム画像
.300ウィンチェスター・マグナム
画像出典:Jim Miles, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

.300ウィンチェスターマグナム(.300 Win Mag)は、1963年にウィンチェスター社が開発したマグナムライフル弾です。7.62mm口径でスタンダードアクションのライフルに対応しており、元は.375 H&Hマグナムを短縮・口径縮小して設計されています。中型から大型の獣狩猟や長距離射撃、精密射撃にも対応できる汎用性の高い弾薬です。

弾頭重量は150~220グレインが一般的で、150~165グレインは中型の鹿やシープ(バイソンシープやマウンテンシープ)に適し、180グレインは大型鹿やヘラジカにも対応できる汎用性の高い弾です。さらに200グレイン以上にすると厚骨の大型獣や熊狩猟にも十分な威力を発揮します。高初速で弾道がフラットなため、遠距離でもエネルギーを維持でき、スタンダードレングスアクションのライフルを使用できることから軽量化も可能です。一方で反動はやや強く、.30-06スプリングフィールドより約30%増となりますが、慣れやリコイル軽減機能付きストックで対応可能です。

.300ウィンチェスターマグナムはブラック・ベアやグリズリーなどの大型熊狩猟にも利用実績があり、山岳地帯や長距離からの狩猟でも十分な性能を発揮します。重量弾を使用することで大型獣にも安心して使用できるため、世界中のハンターに支持されているマグナム弾の代表格です。

サベージ110ベアハンターライフル画像
サベージ110ベアハンター 画像出典:savagearms.com
  • 対応銃:
    • Remington 700
    • Winchester Model 70
    • Browning X-Bolt
    • Savage 110など
  • 特徴:
    • 中型から大型獣に汎用的。
    • 遠距離射撃でも弾道がフラットで安定。
    • 反動はやや強め。

.450 マーリン

.450マーリンと.458ウィンチェスターマグナム画像
.450マーリン(左).458ウィンチェスターマグナム(右)
画像出典:IHMSA80x80 at English Wikipedia, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

.450マーリン(.450 Marlin)は、.45-70を現代的に改良したライフル弾で、2000年にマーリンとホーナディの共同チームによって開発されました。主にマーリン1895Mレバーガン向けに製造され、現在はブローニングBLRやルガーNo.1でも使用可能です。

弾道性能は.45-70に似ていますが、直接の派生ではなく、.458ウィンチェスター・マグナムを基にしたワイルドキャット弾「.458×2インチ・アメリカン」から設計されています。これにより、高圧でも安全に使用でき、古い銃での危険な「ホットロード」弾のリスクを避けられます。.45-70とは互換性がなく、誤装填の危険はありません。

ワイルドキャット弾とは、既存の市販弾薬を改造して作られる自作または民間開発の特殊ライフル弾のことを指します。

弾薬の形状は.458ウィンチェスター・マグナムに似ていますが、ベルト幅が広く設計され、より大口径のライフル用に調整されています。近距離(約150〜175ヤード/137〜160m)の大型獣狩猟に適しており、北米の大型シカ、ブラウンベア、ヘラジカなどを狩猟可能です。

また、ボルトアクションライフルにも装填可能で、「ボルトアクション用.45-70」として使用できます。多くの既存ライフルも換装によって.450マーリンに対応可能で、近距離の大型獣狩猟に適した現代的弾薬として評価されています。

マーリン1895ライフル画像
マーリン1895ガイドガン 画像出典:marlinfirearms.com
  • 対応銃:
    • Marlin 1895 Guide Gun
    • Marlin 1895M
    • Browning BLR
    • Ruger No.1など
  • 特徴:
    • 近距離大型獣狩猟向けの現代的弾薬。
    • ボルトアクションでも使用可能。
    • 高圧安全設計。

.30-06 スプリングフィールド

.30-06スプリングフィールド画像
.30-06(左).280ブリティッシュ(7.1×43mm)(中央)7.62x51mmNATO(右)
画像出典:Per G. Arvidsson, Public domain, via Wikimedia Commons

.30-06スプリングフィールド(.30-06 Springfield)は、1906年に米陸軍で採用された口径.30インチのライフル弾で、狩猟用としても広く使われています。弾頭重量は110〜220グレイン(約7〜14g)まで幅広く、特に150〜220グレインの弾頭は、中型から大型の獣に適しています。初速はおおむね2,900フィート毎秒(約880 m/s)前後で、十分な射程と威力を持ちながら、反動はマグナム弾ほど強くなく扱いやすいのが特徴です。

中型獣の鹿や羊には150グレイン前後の弾頭、大型獣のエルクや熊には180〜220グレインの重弾頭を用いると安定した弾道と十分な貫通力を得られます。フラットな弾道とエネルギー保持に優れ、横風の影響も比較的少なく、北米の大型狩猟に幅広く対応可能です。

.30-06は.270ウィンチェスターや.25-06レミントンなど多くの人気狩猟用弾薬の元になっており、汎用性の高いカートリッジとして長年愛用されています。

Tikka T3xライフル画像
Tikka T3xハンター 画像出典:sako.global
  • 対応銃:
    • Remington 700
    • Winchester Model 70
    • Tikka T3x
    • Browning X-Boltなど
  • 特徴:
    • 汎用性の高い口径。
    • 中型〜大型獣に適し、反動はマグナム弾ほど強くなく扱いやすい。

.45-70 ガバメント

.45-70ガバメント画像
.45-70ガバメント
画像出典:Hmaag, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

.45-70ガバメント(11.6×53mmR / .45-70 Government)は、1873年のスプリングフィールドM1873ライフル用に開発された歴史ある.45口径ライフル弾です。元々は70グレインの黒色火薬と405グレイン(26g)の鉛丸を使用しており、後に500グレイン(32g)の重量弾も採用され、より優れた射程と威力を実現しました。

最大射程は約3,500ヤード(3,200m)に達し、大型の北米産野生動物や熊類にも十分な威力を持ちます。弾頭は低速で重く、ブッシュや密林での近距離狩猟に適しています。弾道は急降下気味で、100ヤード(約91m)ではおおむね4インチ(約10cm)の精度を持ちます。

現代でも北米の大型シカやブラウンベア、ホッキョクグマなどの狩猟に使用され、アフリカのビッグファイブにも対応可能です。

ビッグファイブ(Big Five)とは、アフリカにおいて徒歩で狩猟する際に最も有名で、かつ難易度が高いとされる5種の動物を指す言葉です。対象となるのは以下の5種です。

  1. アフリカライオン
  2. アフリカゾウ
  3. アフリカヒョウ
  4. アフリカスイギュウ(特にケープバッファロー)
  5. サイ(クロサイとシロサイの両方が含まれる)

この呼称は大物猟を行うハンターの間で生まれたもので、動物の体の大きさを意味するのではなく、「狩猟が最も困難で危険な動物」という意味合いで使われています。

.45-70は歴史的な単発のシングルショットライフルだけでなく、現代のスポーティングライフルやシングルショットピストルでも使用され、近距離での高いストッピングパワーを発揮します。重い弾頭による反動はありますが、適切な銃床設計やマズルブレーキで軽減可能です。熊狩猟においても信頼性の高い選択肢の一つとして知られています。

ヘンリーレバーアクションライフル画像
ヘンリーレバーアクションXモデル.45-70 画像出典:henryusa.com
  • 対応銃:
    • Marlin 1895
    • Henry All-Weather Lever Action
    • Winchester Model 1886など
  • 特徴:
    • 歴史ある大型口径。
    • 近距離での高いストッピングパワー。
    • 重弾頭による十分な威力を持つ。

ショットガン(近距離用)

M1014ショットガン画像

熊狩猟用のショットガン弾として最も適しているのは、10~12ゲージのスラッグ弾です。

貫通力が高く、確実に熊を止められる重量弾が推奨されます。

ただし、ヒグマやグリズリーなどの大型熊にはライフルが適しており、ショットガンでの狩猟は基本的に非推奨です。

経験豊富なハンターや専門家のおすすめは以下の通りです。

  • ブレニキ・スラッグ
    • アラスカで特に人気が高く、信頼性のあるスラッグ弾です。
    • 固形の鉛弾で貫通力に優れ、ブラック・ベアやツキノワグマには十分対応可能です。
    • 大型のヒグマやグリズリーには、ライフルの使用が望ましいです。
  • その他のサボット弾やライフルドスラッグ
    • レミントン、ウィンチェスター、フェデラルなどの高品質ブランドの12ゲージスラッグも優れた性能を発揮します。
    • 弾は約1オンス(約28グラム)以上が望ましく、重要臓器への命中が狩猟成功の鍵です。
  • バックショット(00/000番)
    • 非常に近距離(濃い藪や餌場など)では使用可能ですが、熊狩猟には深い貫通力が不足するため、「迅速な仕留め」にはスラッグ弾が推奨されます。
レミントン870フィールドマスター画像
レミントン870フィールドマスター 画像出典:remarms.com
  • 対応銃:
    • M1014
    • Remington 870
    • Winchester 1300
    • Benelli M4など
  • 特徴:
    • 高貫通力のスラッグ弾使用で近距離の大型熊狩猟や防衛用途に適する。
    • バックショットは緊急時のみ補助として使用。

ハンドガン(主に護身・バックアップ)

.500 S&W マグナム

.500 S&Wマグナム画像
.500 S&Wマグナム 画像出典:Malis, Public domain, via Wikimedia Commons

.500 S&Wマグナムは2003年にスミス&ウェッソンとコーボンが共同開発した、世界最大級のハンドガン用リボルバー弾です。北米の大型獣を狩猟できる威力を想定して設計され、特に大型熊やバイソン、ムース、エルクなどの狩猟に適しています。

口径は.50(12.7mm)、最大圧力は60,000 psiで、重い弾(500グレイン以上)を使用することで高い貫通力とストッピングパワーを発揮します。発射時の反動は非常に強力ですが、S&Wモデル500リボルバーの重量やコンペンセイターである程度抑えられています。また、軽量弾や低反動弾も用意され、使用目的に応じて選択可能です。

主用途はハンドガンでの大型獣狩猟ですが、北米ではサバイバル用ハンドガンやディフェンス用としても携行されます。リボルバーだけでなく、一部のカービンやライフルにも対応しており、強力なストッピングパワーをハンドガンで扱える点が特徴です。

Smith & Wesson Model 500画像
Smith & Wesson Model 500 画像出典:smith-wesson.com
  • 対応銃:
    • Smith & Wesson Model 500など
  • 特徴:
    • 世界最大級リボルバー弾。
    • 北米大型熊やバイソンなどの狩猟、緊急防衛用として使用可能。
    • 反動は非常に強力。

.454 カスール

.454カスール画像
.454カスール 画像出典:Malis, Public domain, via Wikimedia Commons

.454カスール(.454 Casull)は、1958年にディック・カスールらによって開発された拳銃弾で、延長・強化された.45コルト弾のケースをベースにしています。1983年にフリーダムアームズが装弾数5発のリボルバーを発売したことで広く知られるようになり、その後ルガーやトーラスも対応モデルを発表しました。.45コルト弾は使用可能ですが、逆はできません。

この弾は非常に高い圧力(約50,000 CUP)で発射されるため、小型ライフル用の雷管を使用します。拳銃弾としては最大級の威力を誇り、.45コルトの約5倍、.44マグナムより約75%強い反動を生じます。250グレイン弾で初速約580 m/s、発射エネルギーは最大約2,000 ft-lbfに達します。

ルガースーパーレッドホーク画像
ルガースーパーレッドホーク 画像出典:ruger.com
  • 対応銃:
    • Ruger Super Redhawk
    • Taurus Raging Bull
    • Freedom Arms Model 83など
  • 特徴:
    • 拳銃弾として最大級の威力。
    • 反動は強いが大型獣狩猟に十分対応。
    • 使用目的に応じて軽量弾も選択可能。

.480 ルガー

.480ルガー画像
.480ルガー 画像出典:guns.fandom.com

.480ルガー(.480 Ruger)は2003年にルガーとホーナディが開発した大型高威力な拳銃弾で、当時.475口径としては市販リボルバー用弾薬で二番目に太い弾でした。設計の基となったのは1988年登場のワイルドキャット弾.475ラインボーで、熊狩猟など大型獣用に深い貫通力を確保できる弾として知られています。

.480ルガーはダブルアクションのスーパー・レッドホーク用に設計され、6発装填可能なシリンダーに対応。最大圧力は48,000 psiで.454カスールより低いため反動とマズルブラストが抑えられています。重い弾(400グレイン以上)でも高い貫通力を発揮し、大型獣狩猟に適しています。

初速やエネルギーは.44マグナムを上回る場合もあり、重い弾でも扱いやすいのが特徴です。発射感覚は比較的穏やかで、TKO(Taylor Knockout)値も.454カスールに匹敵します。用途としては、大型熊や鹿などの狩猟、セルフディフェンス用拳銃弾として有効です。

ルガースーパーレッドホーク画像
ルガースーパーレッドホーク 画像出典:ruger.com
  • 対応銃:
    • Ruger Super Redhawkなど
  • 特徴:
    • 高威力ながら反動を抑えた設計。
    • 重弾でも扱いやすく、大型熊や鹿などの狩猟・セルフディフェンス向け。

スペック表まとめ

弾薬名弾頭重量銃口初速
(ft/s)
マズルエナジー
(ft-lbf)
.375 Ruger270〜300 gr2,660〜2,8404,200〜5,360
.375 H&H マグナム235〜350 gr
(一般的に300 gr)
2,500〜2,7004,100〜4,850
.338 Win Mag200〜250 gr約2,950約4,000〜4,800
.300 Win Mag150〜220 gr2,950〜3,1503,500〜4,200
.450 Marlin350〜400 gr2,100〜2,2003,400〜4,000
.30-06 Springfield110〜220 gr約2,9002,900〜3,800
.45-70 Government405〜500 gr1,350〜1,8001,650〜3,600
12ゲージスラッグ1 oz(437 gr)以上1,600〜1,8002,500〜3,150
.500 S&W マグナム500 gr以上1,400〜1,6002,200〜2,800
.454 Casull250 gr約1,900約2,000
.480 Ruger325〜400 gr1,200〜1,3501,050〜1,600

熊の種類と狩猟用ライフル・弾薬の選び方

熊比較画像

熊の種類によって体格や性格、必要なライフルの口径や弾薬は大きく異なります。たとえば、小型で臆病なブラック・ベアやツキノワグマは軽量弾でも十分対応できますが、グリズリーやヒグマのような大型で筋肉質な熊には、大口径で貫通力の高いライフルが求められます。

以下の表では、主要な熊の種類ごとに体格、毛色、性格、生息地、狩猟に適したライフルと弾薬の目安をまとめました。熊狩猟の計画を立てる際や、どの銃を選ぶかの参考としてご覧ください。

項目ブラック・ベアグリズリーヒグマツキノワグマ
体長1.2~2.0m2.0~2.8m1.8~2.8m1.2~1.8m
体重90~200kg200~450kg150~400kg70~150kg
特徴黒色主体、茶色や白も茶色主体、肩や背中に銀毛茶色~濃茶色、肩や背中に明るい毛混じり黒色主体、胸に白い三日月模様
性格臆病、人間を避ける攻撃的、縄張り意識強い警戒心強い、攻撃性中程度臆病、警戒心強い
生息地北米森林地帯北米北西部・カナダ・アラスカ北半球温帯・寒帯、日本北海道・ロシア東アジア、日本本州・四国・九州
推奨弾薬.375 Ruger
.375 H&H Mag
.338 WinMag
.300 WinMag
.450 Marlin
.30-06
.45-70
.500 S&W
.454 Casull
.480 Ruger
12ゲージスラッグ
.375 Ruger
.375 H&H Mag
.338 WinMag
.300 WinMag
.450 Marlin
.30-06
.45-70
.375 Ruger
.375 H&H Mag
.338 WinMag
.300 WinMag
.450 Marlin
.30-06
.45-70
.375 Ruger
.375 H&H Mag
.338 WinMag
.300 WinMag
.450 Marlin
.30-06
.45-70
12ゲージスラッグ
弾頭重量100~180 gr200~300 gr200~300 gr100~150 gr
口径目安軽量弾大口径・高貫通力大口径推奨軽量弾

このなかでグリズリーやヒグマに対して最も推奨されるのは、「.375 ルガー」「.375 H&H マグナム」「.338 ウィンチェスターマグナム」の三種類です。

グリズリーやヒグマに対してハンドガンやショットガンの弾薬は貫通力が不足するため非推奨です。

.300 ウィンチェスターマグナムや.30-06 スプリングフィールドに類似するカテゴリーの弾薬は、弾頭重量や弾頭の種類によっては大型獣に対して非推奨になり得るため、「重い弾頭」と「貫通力と信頼性の高い弾頭タイプ」を選択する必要があります。

.500 S&W、.454 カスール、.480 ルガーなどのハンドガン用弾薬は、「経験豊富なハンター限定」という条件下で推奨されます。

熊の種類の違い

ブラウンベア、ブラック・ベア、ツキノワグマは別種であり、ヒグマやグリズリーはブラウンベアの地域名・亜種名です。

  • ブラウンベア(Brown Bear, Ursus arctos):世界的に広く分布する種の総称。地域や亜種によって呼び方が異なります。
    • ヒグマ:日本(主に北海道)に生息するブラウンベア。体長2m前後、雑食性。
    • グリズリー:北アメリカ(アラスカやカナダ)の陸生型ブラウンベア。筋肉質で攻撃性がやや高め。
    • 沿岸型ブラウンベア(Coastal Brown Bear):北アメリカ(アラスカ南東部、ブリティッシュコロンビア沿岸)に生息。体格が非常に大きく、筋肉量が厚いため、攻撃力も高め。
  • ブラック・ベア(American Black Bear, Ursus americanus):北アメリカに生息する別種。体はブラウンベアより小型で、色は黒・茶・シナモンなど変化。性格は臆病で、人を避ける傾向が強い。
  • ツキノワグマ(Asiatic Black Bear, Ursus thibetanus):日本本州やアジアに広く分布する別種。胸に三日月状の白斑があるのが特徴。体長は1.2〜1.8m程度で、性格は比較的臆病。

熊狩猟に有効なライフルの選び方と使い方

グリズリー画像

熊をライフルで狩る際は、ライフルや弾薬の選択、狙う部位、射撃スキル、安全対策、追跡・後処理までを総合的に考えることが重要です。

以下に北米におけるベアハンティングの基本的なポイントをまとめます。

1. ライフルと弾薬の選択

  • ブラック・ベア向け
    • .300 ウィンチェスターマグナム、.450 マーリン、.30-06スプリングフィールド、.308ウィンチェスター、.243ウィンチェスター、6.5 Creedmoorなどが適しています。
    • 軽量弾を使用すれば扱いやすく、100~180グレイン程度が目安です。
  • ブラウンベア(グリズリー)向け
    • .375 ルガー、.375 H&H マグナム、.338 ウィンチェスターマグナムなど、より高い貫通力とストッピングパワーが求められます。
    • 弾頭重量は200~300グレインが目安です。
  • 弾頭の種類
    ハードキャスト弾や拡張するソリッド弾頭が望ましく、ホローポイント弾は貫通力不足のため一般的に非推奨です。

2. 狙う部位(ショットプレースメント)

熊画像

歩行時に前足が後ろに移動するとき、心臓が前足の骨の背後に隠れます。

そのため、前足が前へ移動したときに画像の狙点の位置を射撃すると効果的です。

ヘッドショットは高威力のライフル弾が命中すれば有効ですが、ストレス状況下で小さな脳に命中させるのは困難です。

  • 主要ターゲット
    • 心臓と肺を狙うと致命性が高く、迅速な狩猟が可能です。
  • 狙い方
    • 側面(Broadside)やや後ろ斜め(Quartering Away)から狙うのが基本で、前肩の骨を避けながら肺や心臓に届くようにします。
  • 注意点
    • 下腹部は厚い脂肪と毛で狙いにくく、血の跡は初期少なめです。
    • 追跡は慎重に行います。
  • 熊の皮膚から心臓までの距離は10~20cm以上になるため、高い貫通力が必要です。
  • 「ナイフ格闘しか助かる手段がない」という最悪の状況になった場合も、かなり大きなナイフでなければ効果が低く、肋骨に当たれば心臓まで到達できません。

3. 狩猟戦術

  • 餌場、食料源、通り道で待ち伏せやストーキングが効果的です。
  • スタンドやブラインドを利用し、身を隠しつつ安定した射撃姿勢を確保します。
  • 風向きに注意し、熊に気づかれないように行動します。

4. 射撃スキルと安全

  • 伏射、膝射、立射など複数の姿勢で練習しておくことが望ましいです。
  • 冷静に狙いを定め、初弾で仕留めることを意識します。
  • 近距離用の予備ハンドガンやナイフを携行し、法令順守と安全確保も徹底します。

5. 追跡と後処理

  • 血の跡や足跡、乱れた植生を手がかりに慎重に追跡します。
  • 死亡を確認後、衛生的に解体し、内臓を除去して肉質を保ちます。
  • 輸送方法や現地の報告・処理規則に従うことが重要です。

日本国内での法律上の注意点

  • 「鳥獣保護管理法」第18条で、捕獲した鳥獣類の遺体や残滓を捕獲場所に放置することは禁止されています。違反すると30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
  • 「廃棄物処理法」でも、狩猟後の残滓は適切に処理しなければなりません。自治体の一般廃棄物処理施設で処理される場合が多いです。
  • 野生鳥獣の残滓放置や不適切処理は環境問題や他の野生動物の行動に悪影響を及ぼすため、狩猟者は責任を持って処理しなければいけません。

銃より効果的な選択肢:熊スプレー

ベアスプレー訓練画像
熊スプレー訓練 画像出典GrandTetonNPS, Public domain, via Wikimedia Commons

熊対策と聞くと、猟銃を思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、最新の研究やフィールドでの実績から、実際には熊スプレー(カプサイシン入りスプレー)の方が熊との遭遇において安全かつ効果的であることが示されています。

研究と実績から分かっていること

  • 熊スプレーの有効性:
    • 2008年に発表されたJournal of Wildlife Management誌の研究報告書「Efficacy of Bear Deterrent Spray in Alaska」では、熊スプレーが突進してくるブラウンベアに対して98%の確率で有効であったことが示されています。
    • この研究では、スプレー使用時の負傷率は約17%だったのに対し、銃器使用時の負傷率は約50%に上ることが示されました。
    • スプレー使用者の怪我は軽度にとどまることがほとんどでした。
  • 銃器の有効性:
    • 銃器が熊対策として機能する確率は、スプレーと比較して低いとされています。これは、極度の緊張下で動いている目標に正確に命中させることの難しさが主な理由です。
    • 致命傷を与えられなかった場合、逆に熊を激高させてしまい、より危険な状況を招くリスクもあります。
  • リスクの低さ:
    • 熊スプレーは、熊を殺すのではなく、視覚と嗅覚を一時的に麻痺させることで行動を停止させ、人間から遠ざけることを目的としています。このため、熊と人間双方にとって重篤な結果を避けることができます。
    • 銃器は意図せず熊を殺してしまう可能性があり、これは狩猟が目的でない場合には問題となることがあります。
  • 推奨状況:
    • 米国魚類野生生物局(USFWS)や米国国立公園局(NPS)は、一般のハイカーやキャンパーに対して、熊の生息地での主要な自己防衛手段として、銃器よりも熊スプレーを推奨しています。これは、銃器の携行には多くの法的な制約が伴うことも一因です。

熊スプレーの注意点

熊スプレーは風向きの影響を受ける可能性があるほか、誤って自分にかかると軽度の刺激を感じることがあります。しかし、これらのリスクは銃の誤射や外れ弾による深刻な結果と比較すればはるかに軽微です。

熊との遭遇に備えるのであれば、最優先すべきは熊スプレーの携行です

銃は狩猟や熟練者のバックアップ手段として有効ですが、登山者やキャンパーなど一般的なアウトドア活動では、熊スプレーを持ち、正しい使い方を理解しておくことが最も安全な選択といえます。

また、音を立てて行動し「熊に不意打ちを与えない」など、基本的な回避行動と併用することで安全性はさらに高まります。

おすすめの熊スプレー

熊スプレー購入の際の注意点

  • ヒグマ用スプレーは非常に強力で、カプサイシノイド値が約2.0%(辛味換算でタバスコ約900倍)であり、油性の成分を使い雨や川の水にも流されにくい仕様です。これは体重400kgを超える大型のヒグマを対象にしているための威力です。
  • 本州のツキノワグマ用スプレーは威力を落としていて、カプサイシノイド値は約1.33%(タバスコ約54倍)、水性であり、過剰な痛みや環境・人への影響を減らす設計になっています。
  • ヒグマ用の強力なスプレーを本州のツキノワグマに使用すると、動物虐待レベルの刺激となるため、推奨されません。また誤使用した場合の人間への危険性も高いです。

以下の熊スプレーがお手頃でおすすめです。

まとめ

熊狩猟においては、「ライフル」「ショットガン」「ハンドガン」それぞれに特徴があります。

ライフルは最も信頼できる選択肢であり、用途に応じて.375 ルガーや.338 ウィンチェスターマグナムといった弾薬が効果的です。

ショットガンは近距離で限定的に有効ですが、基本的にはライフルのほうが安全です。

ハンドガンは護身やバックアップとして役立ち、強力な.500 S&W マグナムや.454 カスールなどが選ばれています。

最終的に重要なのは、狩猟環境や目的、自身の射撃スキルに合った銃と弾薬を選ぶことです。

  • 口径(こうけい):銃弾の直径を示す数値。インチやミリメートルで表される。例:.375=直径約9.5mm。
  • グレイン(grain):弾頭や火薬の重量を表す単位。1グレインは約0.0648グラム。
  • 初速(しょそく):弾丸が銃口を出た瞬間の速度。フィート毎秒(ft/s)やメートル毎秒(m/s)で表される。
  • マズルエナジー(Muzzle Energy):銃口での弾丸の運動エネルギー。威力の指標で、ft-lbf(フィート・ポンド)で表す。
  • スタンダードレングスアクション(Standard Length Action):ボルトアクションライフルの機関部サイズの一つ。一般的な弾薬に対応できる中間的な規格。
  • マグナム(Magnum):通常の弾薬よりも強装薬で高威力な弾薬を指す名称。
  • リムレス(rimless):薬きょうの底部にリム(突起)がない設計。自動銃やボルトアクションで給弾がスムーズ。
  • ショートリコイル(Short recoil):発射時に銃身が少し後退してから閉鎖が解除される作動方式。反動軽減と安全性に寄与。
  • ストッピングパワー(Stopping Power):獲物や敵を即座に動けなくする力。単に殺傷力ではなく停止能力を指す。
  • ブラックパウダー(黒色火薬):19世紀まで主に使われた火薬。現代では無煙火薬に置き換えられている。
  • ホットロード弾(Hot Load):規格より多めに火薬を詰めた強装弾。危険性が高く、古い銃には不適。
  • スラッグ弾(Slug):ショットガンで使用する単弾。大口径の鉛弾で、熊狩猟などに使用される。
  • サボット弾(Sabot):ショットガン用スラッグの一種で、プラスチックケースに細い弾を収めて発射し、高速で飛ぶ。
  • バックショット(Buckshot):ショットガン用の散弾。複数の鉛玉を発射する。近距離で有効だが貫通力は低い。
  • リボルバー(Revolver):回転式弾倉を持つハンドガン。装填数は5〜8発程度。
  • セミオートピストル(Semi-auto pistol):自動で次弾を装填するピストル。マガジンを使用し、引き金を引くたびに一発発射される。
  • CUP(Copper Units of Pressure):弾薬の発射圧力を測定する単位。古い規格で、psi(ポンド毎平方インチ)と併用される。
  • コンペンセイター(Compensator):銃口先端に取り付け、発射ガスを上方に逃がすことで跳ね上がりを抑える装置。

参考文献一覧

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    https://www.youtube.com/watch?v=WASFQh13Dj8