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3Dプリンタを使用した密造銃が摘発された件で。

HB-PLAZA 入門者にやさしい銃器の話 フォーラム 過去ログ 3Dプリンタを使用した密造銃が摘発された件で。

  • このトピックには7件の返信、1人の参加者があり、最後にポルポルにより9年、 2ヶ月前に更新されました。
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  • #6758
    ポルポル
    キーマスター

    3Dプリンタを使用した密造銃が摘発された件で。
    一部報道にある鑑定基準の、「厚さ2.5ミリの板を10枚貫通」「基準の五倍の威力」というのはどのような基準なのでしょうか。
    短絡かもしれませんが、単純計算では厚さ5ミリの板を貫通する能力があると実銃と見なされる事となってしまいそうです。

    建設作業用の釘打ち銃は言うまでもなく、事務用のスプリング式のタッカー(ホッチキスの大きいもの)でもその程度の能力はあります。
    極論すれば、金槌で釘を打つのでも、上手くヒットすれば瞬間的にはその程度の威力は十分ありますよね。

    法制度にお詳しい方、ご教授頂ければ幸いです。

    #6759
    ポルポル
    キーマスター

    日本での殺傷力判定には、「マズルエナジー(キログラムメートル)/弾頭底面積(cm^2)≧2.6」の公式が使用されています。
    例えば9x19mm弾の場合は約75.48≧2.6となり、数値が2.6以上なので「殺傷能力あり」と判定されます。

    ベニヤ板でテストするのは非科学的なので、恐らく一般向けに分かりやすく「これぐらい威力があります」と見せるためのテストではないでしょうか。
    その証拠に事件の度に発表されるベニヤ板の厚みに統一性がありません。

    参考までに、マズルエナジーの求め方は当サイトの「基礎知識>弾の初速とエナジー」で解説していますので、よろしければご覧ください。

    #6760
    ポルポル
    キーマスター

    ご教授ありがとうございます。

    今回の事件では容疑者には弾薬の準備は無いと報道されていますので、押収した銃に使用可能な実包を警察側で準備して実験したと言うことなのだろうと思っておりました。その実包が基準値を上回る性能を有していれば立件できるということとなりますね。

    ところで、お示し頂いた基準は「弾頭底面積」が小さければ小さいほど数値が上がることになるので、針のような小口径弾頭を使用する特殊な弾薬を用いればマズルエナジーが低くても数値は大きくなります。(机上の空論ですが、対戦車砲弾のようなサボをつけた弾頭の実包を製作すれば可能なように思います。)また命中精度や射手の安全などは基準には関係ないようですので、とりあえず弾が出るだけの様な代物でも、また一発発射したら壊れるような銃でも「殺傷力有り」との判定を出そうと思えば可能と言うことでしょうね。

    もっとも今回は、素行が危険な人物だったようですので、早期の逮捕は意味のあることだったとも思えますし、また3Dプリンタの悪用に早々に警鐘を鳴らすという意味もあったと思われます。

    #6761
    ポルポル
    キーマスター

    仰るとおり、今回の逮捕は「殺傷力を有する弾を発射可能な銃を所持した」という理由から逮捕に至ったのだと思います。容疑者は実包を製造していなかったので、警察で実包を使用して試射したら発射可能なため違法が確定したということですね。恐らく、銃刀法と武器等製造法に抵触しているでしょう。
    どうやらバレルにインサートが用意されていたようですが、彼は「インサートを外せば実弾を使用できます」といった趣旨のことをアピールしていたので、警察も動かざるを得なかったと思います。

    殺傷力の判定はストッピングパワーの有無ではなく、人間の皮膚を貫通できる能力に焦点があるように見えます。実包と同じマズルエナジーを有していても、弾がサッカーボールの大きさであれば数値は基準以下となるので、エナジー量だけで殺傷力の有無を判断することはできないということですね。

    >一発発射したら壊れるような銃でも「殺傷力有り」との判定を出そうと思えば可能

    まさにそのとおりですね。

    #6762
    ポルポル
    キーマスター

    この件に関して、神奈川県警が3Dプリンタを使用して再現実験を行うとの報道がありました。

    https://idarts.co.jp/3dp/3dprinting-gun-kanagawa/

    押収された製品が殺傷力を有する“実銃”、と言うことでの立件・逮捕だったと思いますが、あらためて実験を行うのはなにか理由がありそうです。
    一般に思われているように、「3Dプリンタにデータを入れて、スイッチオンで即拳銃が、」ということはなかなか困難であると思います。実際には相当な加工技術が必要と思われるので、そういった面の実証実験なのかも知れませんね。

    #6763
    ポルポル
    キーマスター

    当初の逮捕理由が銃刀法違反で、再現実験は武器等製造法違反容疑の立件のため、ということですね。

    #6764
    ポルポル
    キーマスター

    後学のため、お尋ねします。
    「マズルエナジー(キログラムメートル)/弾頭底面積(cm^2)≧2.6」
    この基準の引用元となった文献をご教示ください。

    #6765
    ポルポル
    キーマスター

    こちらが参考になると思います。
    htt://www.med.nagoya-cu.ac.jp/legal.dir/lectures/newest/node6.html

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