腔圧が気圧やライフリングの抵抗(阻害抗力)を上回ると弾頭は加速されますが、装薬の燃焼による腔圧がピークを超えると加速が終わり、存速で発射されます。
実際には腔圧がピークに到達する手前で弾頭が銃口を離れる銃身長や弾薬が利用されることが殆どですが、計算上(学問上)弾速が最速となり腔圧を最大利用可能な銃身長を学理腔長といいます。
しかし、銃によっては学理腔長をそのまま利用すると銃身が長過ぎる場合があるため、それよりも短い銃身長が利用されます。
これを「実用腔長」といいます。
>学理啌長はどの銃弾においてもおおよそ1m程度
どの銃弾でも1m程度ということはありません。
例えば、.22LRは10インチ、9mmは17インチ、M855(5.56mm NATO)は20インチが弾速のピークとなり、これを超える銃身長では減速します。
仮に狩猟やベンチレストシューティングで同じ弾薬が利用されるライフルの場合、狩猟用では18インチといった取り回しやすい短い銃身長が利用されますが、18インチで弾速が最大になるように弾薬が調整されると、ベンチレストシューティングで28インチバレルを使用する際に不利になります。
そのため、こうした弾薬では28インチでも加速を続けるだけの余裕が設けられています。
これはリボルバーとライフルの両方で利用される.357マグナムや.44マグナムも同様です。
>学理啌長とライフリングのツイストレート
弾薬の条件(腔圧)が同一のときツイストレートの違いは学理腔長に影響しますが、装薬や弾頭の調整次第で変化します。
>長距離射撃を行うことを主眼に置く銃種の銃身長はやはり学理啌長に基づいたものだったりするのでしょうか。
そうとは限りませんが、弾頭が銃口を離れる瞬間に腔圧が高すぎると命中精度に悪影響があるため、腔圧が過剰になりすぎない程度に調整(選択)されています。