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威嚇射撃の疑問

  • このトピックには6件の返信、2人の参加者があり、最後にポルポルにより7年、 11ヶ月前に更新されました。
7件の投稿を表示中 - 1 - 7件目 (全7件中)
  • 投稿者
    投稿
  • #37783
    好事家
    ゲスト

    以前より疑問に感じていたのですが、威嚇射撃と言えば上空に向ける、というイメージがあります。
    しかし、発射された弾頭は運動エネルギーを失えば自由落下し地表に弾着しますし、変形しない弾頭が落下してくれば、程度の差はあれ何等かの損害・危害を与えると思います。
    そこで、次の質問をさせて頂きます。

    【質問1】日本の警察官は空に向けて威嚇射撃をしますが、海外でも同様なのでしょうか?

    【質問2】そもそも、銃口を空に向ける途中誤発射する可能性を顧慮すれば、第三者への損害防止の為にも威嚇射撃すべきでない、と思われますが如何でしょうか?

    御存知であれば、回答の程よろしくお願い致します。

    #37787
    ポルポル
    キーマスター

    >【質問1】
    私が知る限り、警告射撃を手順として指導しているのは、先進国では日本だけです。
    アメリカでは人口密集地域で空に向かって撃つことは違法ですし、警察も警告射撃は指導していません。初弾は相手の胴体に向かって撃つのが常識です。

    日本と違いアメリカでは各警察が発砲の際にどう行動するかポリシーを決定していますが、日本のような指導はまずあり得ません。
    ただし、レアケースとして現場の警官の判断で警告射撃が行われることもあります。その際は必ず安全な場所に向かって発砲し、空に向かって撃つことはありません。

    >【質問2】
    世界中で大勢の人が落下した弾に被弾して死亡しているのに、何故日本の警察は未だに空に向かって撃つことを止めないのか、私には理解できません。警察にも弾道学に精通した人が大勢いるはずですが、何故かこんな危険行為が繰り返されています。

    弾は90度の角度で真上に撃てば、やがて重力によって弾速がゼロに近づき、そのまま落下します。このとき弾は前方から落下することもあれば、後ろ向きに落下することもあり、空気抵抗を受けながら終端速度に到達します。

    弾の終端速度は形状の差によって空気抵抗が異なるため、落下速度に差がありますが、概ね200~700fpsと言われています。
    この速度は日本のエアガンの初速と同等か2倍以上ですが、この速度の鉛の弾が人体に命中すればどうなるか、殆どの方が想像できるかと思います。

    しかし、空に向かって警告射撃を行う場合は結果が異なり、90度の角度で撃つケースは非常に稀です。
    もし角度が80度、70度と小さくなれば、弾は放物線を描いて飛ぶため、弾の飛翔高度が頂点に達しても弾速はゼロになりません。
    この場合、高速の弾が数キロ離れた場所に落下し、人に命中すれば死傷する恐れがあります。

    アメリカでも3~5km離れた場所で被弾し死亡したり、屋根を貫通する事件が度々起こっていますが、日本の警察はそんなことは気にしないようですね。

    #37790
    好事家
    ゲスト

    >私が知る限り、警告射撃を手順として指導しているのは、先進国では日本だけです。
    やはり、そうでしたか。映画でも警察官が空へ警告射撃をする描写を見たことがありませんし、民間人ではありますが「ターミネーター2」でサラ・コナーは外して威嚇していましたから、イメージ的には理解できます。

    >日本の警察はそんなことは気にしないようですね。
    最近、刃渡り6センチの刃物を振りかざした犯人に対し、警察官が上空へ警告射撃後、4発を犯人太股へ命中させたとの報道を見て同映画を思い出しました。
    恐らく胴体を狙ったものの下に外れ、結果になったと推察しますが、当たり所が悪ければ大出血で失血は勿論ショック死に至ることを警察官は知らなかった様にも思われます。
    実際、点検時を含め銃口を安易に上に向けたり、同僚を威嚇する為銃口を向ける等児戯にも等しい銃器の扱いを見ると、その威力を正しく認識していないことに原因があると私は考えており、当に的を射る御指摘だと腑に落ちた次第です。

    蛇足ですが、自衛隊では、家電を使う様な感覚で火器に接する事の危険性を周知させる為、教育方針を変更したと聞き及びます。
    銃器に限らず凶悪犯罪やテロ対策に火器を積極的に使用することを否定しませんが、その動作原理や威力を知らずして運用する無知蒙昧さに私は恐ろしさを観ずる次第です。

    御回答ありがとうございました。

    #37792
    ポルポル
    キーマスター

    今回発生した京都の発砲事件を報道を見て、改めて日本の常識は世界の非常識だと思わされました。

    たまたま運良く逮捕できたから良かったものの、下手をすれば警官は殉職していたかもしれません。
    ご指摘のように、世間一般では「足を撃てば命を助けられる」と誤解されがちですが、実際は足の被弾が致命傷となって死亡した例はいくらでもあります。それどころか、命中させにくい足を狙えば命中率が下がり、たった5発の(9mmより低威力の).38SPLしか所持しない警官には大きなリスクがありました。

    当時容疑者まで3~4メートルという距離での出来事でしたが、数秒あれば数メートルぐらい間を詰めることができたでしょう。1発を警告用として使用してしまったので、残弾4発で相手をストップさせる必要があったわけですが、足を狙ったとしたらかなり無謀だったと言わざるを得ません。人間は4発ぐらい被弾しても当たり所次第ではしばらく行動可能ですが、瞬時に行動をストップさせるには不適当な太腿に命中させるのは正しい判断だったとは思えません。もしストップできなかったら、警官とそばにいた一般市民も死傷した可能性があったと思います。

    また、当時の状況は夜だったため、リボルバーのサイトは殆ど視認できなかったと想像します。いくつもの悪条件の中で死者が出なかったのは、運が良かったとしか思えません。

    改善すべき点はいくつもあるので、「警官はお手柄だった」と手放しで喜べないのが私の個人的感想です。

    #37794
    kent5mg
    ゲスト

    横から失礼します。
    報道だけでなく「日本の警察官の銃の1発目は空砲だ」という事をつぶやいている方もいらっしゃいましたが、
    それって何処のロシアンルーレット?と思いました。
    空砲と実包を混在して運用するなんて事故の元でしょうに。

    #37796
    好事家
    ゲスト

    重ねての御回答ありがとうございます。

    仰るとおり、接近戦で刃物が有効なことは自明ですが、一般の警察官にその対策訓練を行う事は出来ませんし、今回の結果は僥倖であったとの管理人様の御指摘は尤もなことです。

    話は逸れますが、私は海外の観光客向け射場で記念撮影の際、カメラマンから模造銃を胸元で銃口を上45度に向けるポーズ(昔「007」シリーズの広告用でショーン・コネリーがやっていたアレです)をする様求められ閉口した覚えがあります。

    私が実銃の怖さをある程度自覚しているつもりの素人だからかも知れませんが、銃器に慣れてしまうとこんなものなのかと考えさせられた出来事でもありました。

    職務上銃器を扱う公務員全てがそれに精通することを求めるものではありませんが、せめて自らが携行する銃器の威力位は正しく認識して貰いたいものだと私は考えております。

    御教示ありがとうございました。

    #37806
    ポルポル
    キーマスター

    >「日本の警察官の銃の1発目は空砲だ」

    息の長いデマですね。
    私が子供のころにも聞いた事がありますが、まだ語り継がれているとは・・・。

    >カメラマンから模造銃を胸元で銃口を上45度に向けるポーズ

    私だったら自撮りが難しい射撃の瞬間を撮ってもらえた方が嬉しいですね。

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