HB-PLAZA 入門者にやさしい実銃解説 › フォーラム › 実銃フォーラム(休止中) › ライフル銃のライフリングについて
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2021年8月16日 10:24 AM #94043
いつも初心者
ゲストお忙しいところ恐縮です。
レミントンM700 のライフリングで、
最近5Rというタイプが出てきていますが、
従来の6本タイプとのメリット、デメリット等がおわかりでしたら
教えてください。
よろしくお願いいたします。2021年8月16日 3:59 PM #94044ポル
キーマスター5Rは1980年代にブーツオーバーマイヤーによって開発された溝の斜面の角度が浅い5条のライフリングです。
ライフリングのグルーヴ(谷)の数が偶数の場合はランド(山)が対面するため弾頭が通過する際に弾頭の収縮が大きくなりますが、奇数の場合はランドが対面しないため収縮が軽減されます。
マッチグレードの弾頭ではジャケットが薄く柔らかいものがあり、こうした弾頭にツイストレートの高い負荷を掛けると弾頭の変形や収縮が大きくなり、命中精度に悪影響が生じる場合があります。
特に長距離射撃において重い弾頭(全長が長い弾頭)を使用する際に強い回転が必要となり、弾頭の変形が大きい場合に遠心力によってライフリングによってついた傷が裂け、ジャケットとコアが分離しやすくなるため角度の浅い奇数のグルーヴを使用することによってこの問題が軽減されます。
このような弾頭を5Rで使用すると高い命中精度を維持できるメリットがあります。しかし、かと言って6条のライフリングの方が命中精度が低いとはいえません。
実際の差はごく僅かで、殆ど体感できないと言われています。
1943年にレミントンが行った2条と4条のライフリングの差を比較したテストでは僅かに2条の方が集弾が良かったり、アクリーカートリッジで有名なパーカーアクリーが「3条が良い」と証言するなど様々な意見や理論が存在しますが、現代のバレルメーカーの意見によればライフリングの条数と命中精度は相関しないと言われています。(製造者側にとっては製造しやすさなどの面で条数が問題になり得ます)
もし仮にライフリングの条数が命中精度に明確に影響するのであれば射撃競技界の誰もが追随するはずですが、実際はそうではありません。ただし、グルーヴの斜面の角度については経験的にメリットとデメリットが知られています。
長距離射撃においては全長の長い弾頭が使用されるためライフリングの接触面が大きく5Rで問題ありませんが、近距離射撃で全長が短い弾頭をツイストレートの低いライフリングに使用した場合に接触面の小ささから回転が不十分になりやすいと言われています。またもう一つのメリットとして、クリーニングの容易さがあります。
通常のライフリングは溝の角度が90度に近いためジャケットやカーボンなど汚れが蓄積しクリーニングが困難ですが、角度が浅い5Rでは汚れが取りやすくなっています。ライフリングについては掲示板では解説しきれないので、またの機会に記事で解説したいと思います。
2021年8月16日 8:22 PM #94045いつも初心者
ゲスト謎が一つ解けました。
詳細にありがとうございました。もう一つよいでしょうか。
Remington M700 XCRⅡ
と
Remington M700 XCR TACTICAL LONG RANGE
共に300Win.Mag を使用するモデルですが、片方は XCRⅡ、もう片方は XCR TACTICAL LONG RANGE 、
同じ XCR とつきますが、性能はどのように違うのか教えていただけないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
2021年8月16日 9:28 PM #94046ポル
キーマスターXCR2とロングレンジモデルはどちらもアクションとバレルに416ステンレスを使用し、トライナイト(窒化チタン)コーティングされています。
ロングレンジモデルは文字通り長距離射撃に最適化されたモデルで、ベル&カールソン社製ストック、アジャスタブルトリガー、フルーテッド・フローティングバレルが備わっています。
>もう一つよいでしょうか。
次回からは新しい質問は新しいトピックでお願いします。
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