ハードキャストは着弾時の変形が少なく貫通力が高いため、流れ弾や貫通弾による二次被害の恐れがあります。
これは法執行機関でフルメタルジャケット(FMJ)が使用されない理由の1つでもあります。
ホローポイント弾は拡張によって大きな永久空洞を形成し、ターゲットに対して大きなダメージを与えることで高いストッピングパワーを持ち、運動エネルギーを体内で消費することで貫通しにくくなります。
ご指摘の通り9mmと.45ACPの銃創の差は殆ど変わらない状態ではあるものの、FMJやハードキャストとホローポイントの銃創の状態は大きく異なります。
狩猟では獲物の大きさや使用する弾薬によって弾頭のデザインが使い分けられます。
グリズリーのような大きな獲物に対してホローポイント弾を使用すると着弾直後から大きく拡張し貫通力が低いため、致命傷となる臓器に到達できずダメージが小さくなる傾向があります。
一方、ハードキャストのように貫通力の高い弾頭では長い銃創となり、損傷する部分が多いためダメージが大きくなります。
しかし、人体に近いサイズの鹿を側面から撃った場合、FMJやハードキャストは簡単に胴体を貫通し、銃創の状態も損傷が少なく軽度のダメージになる傾向があります。
致命傷となる箇所に命中しない場合、ダメージが小さく出血量も少ないため半矢の状態で遠くまで逃げてしまい、回収困難なまま死なせてしまうことがあります。
そのため鹿などの獲物にはホローポイント、ソフトポイント、バリスティックチップなどの拡張する弾頭が適しています。
より大きなダメージを与えるには弾頭の拡張と貫通力が重要ですが、拡張が大きければ貫通力が低下し、貫通力を得るには拡張が小さい方が良いといえます。
理想は貫通力と拡張の両方を得ることですが、これは対象となるターゲットや使用する弾薬(弾頭重量や弾速のバランス)によって最適な選択肢が異なり、対象が人体の場合は過剰な貫通力よりも適度な貫通力と拡張による損傷と出血によるダメージが効果的といえます。
つまり人体に対しては過剰に貫通力の高いハードキャストのような弾頭よりも拡張するホローポイントの方が適しています。