高価になる主な原因は製造コストの高さとブランドの力にあります。
S&W686やGP100を所有しても大して関心を持たれませんが、コルトパイソンを所有することは一種のステータスになるので、多少高価でも需要があり売れます。
単に.357マグナムを撃つだけの実用性を重視するユーザーにとっては「ぼったくり価格」ですが、パイソンブランドを買うと考えると妥当かもしれません。
とはいえ、2020年版パイソンは従来のパイソンとは仕様が大きく異なり、復刻版というよりもパイソンに似た新型リボルバーにパイソンの名前を付けたという見方も可能ですから、どう捉えるかは考え方次第でしょう。
1960年代までのパイソンは一般的な大量生産リボルバーとは異なり、カスタムリボルバーに近い製造工程で高い品質を得ていましたが、現在では当時の品質を再現することは難しくなりました。
工作技術が発展してもパイソンのフィッティングと仕上げ(ポリッシング)はガンスミスの高い技術が要求されますが、そういったガンスミスは引退したりピースメーカーの製造に回るなどして現在のコルト社にパイソンを製造する力は失われているという現実があります。
もし2020年版パイソンが当時の品質を再現しようとすれば、1500ドルでは難しいのではないでしょうか。