M16A1の時代(1960年代)は半身の状態で肘を上げる(脇を開ける)フォームで射撃されていました。
これは銃を体に引き寄せた状態になるため銃の重心が体の重心が近づき、銃を安定させやすいフォームです。
しかしセミオートで狙撃する場合には良いものの、速射時やフルオート時、または移動しながらの射撃にはコントロールが困難な姿勢です。
そしてボディーアーマー着用が一般的な時代になると、胴体正面をターゲットに向け、肘を下げ脇を締める射撃フォームに移り変わりました。
半身の状態ではボディーアーマーで守られていない脇腹をターゲットに向けることになり、ストックも滑りやすくなる問題があります。
グリップの角度はグリップと肘の位置関係に影響を与えます。
昔ながらの射撃フォームのように、グリップの高さと肘の高さが近い場合はグリップの角度が浅い方が手首の可動域に無理なくグリップすることが可能です。
しかし、脇を締めてグリップの高さより低い位置に肘があるとき、手は肘からグリップに向かって上向きになるため、グリップの角度が浅いと手首を大きく曲げる必要があります。
こうした手首の可動域の限界に近い状態は銃のコントロールやトリガープルに影響し、命中率に悪影響を及ぼす場合があります。
特に近接戦闘時や車両を使用するセキュリティー要員などは伸縮式ストックを縮めた状態で射撃されることがあり、この場合はグリップが肩に近づくため、角度が直角に近いグリップの方が手首に負担なく自然にグリップすることが可能になります。
ただし、腕の長さや手首の可動域は人それぞれ異なるため、グリップ時の快適性は個人差があります。
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