チャンバーが緩いのはグロックに限ったことではなく、コルト、S&W、スプリングフィールドアーモリーなど他のメーカー(主に.380ACP、.40S&W、.45ACPなど)でもあります。
これはメーカーのミスではなく、ジャムのリスクを減らすために意図的に緩く設計されています。
ホローポイント弾には様々な種類があり、弾頭形状によってはタイトなチャンバーで使用すると装填不良(FTF)が起こりやすくなるため、どのメーカーのホローポイント弾でも確実に作動するように考えられた結果です。
ライフルの場合はチャンバーが緩いと命中精度に悪影響がありますが、ピストルでは有効射程距離が短いため、あまり大きな影響は受けません。ただ、近い距離でも精度を求める場合は、タイトなチャンバーの方が有利ですし、FMJを使用する場合はチャンバーの緩さにメリットは殆どありません。
安全性については、チャンバーのサイズが規定内であれば緩くても問題ありません。
発射時にはケースが膨張するため、ガスは漏れずに膨張したケースで閉鎖されます。
また動画内ではフィードランプ付近でケースがチャンバーに覆われていない問題が指摘されていますが、このようなチャンバーは「アンサポーテッド・チャンバー」と呼ばれており、逆にケース後部の全周がチャンバー内に収まっているものは「サポーテッド・チャンバー」と呼ばれています。
アンサポーテッド・チャンバーは、リロード弾(特にホットロード)で問題が起こりやすいため、メーカー製のファクトリーロードの使用が推奨されています。
新品のケースをアンサポーテッド・チャンバーで使用した場合でも、圧力次第でケースの底が膨らみやすくなります。
このケースを再利用するとき、ケースを規定のサイズに再成形しますが、再成型しても薄くなったケースウォール(ケースの側面)の厚みは元に戻らないため、このままアンサポーテッド・チャンバーで使用するとケースウォールに穴が空いて事故に繋がるリスクがあります。
これはリロードを行う人には常識であるはずですが、知らない人も多いので同様の事故は多々起きています。(当然、この場合はメーカーの保証対象外となります)
>また他の口径のグロックも同じような状態なのでしょうか?
同一モデルでも製造時期によっては.380ACP、.40S&W、.45ACPで緩いチャンバーがあります。