射程距離は弾薬の性能だけで決定されるものではなく、使用する銃によっても異なります。
また弾薬の性能は口径の大きさで異なるのではなく、弾速、弾頭重量、BC(弾道係数)、SD(断面密度)、弾頭の構造などのバランスによって異なります。
これを踏まえたうえで弾薬の性能のみから射程距離の優位さを解説したいところですが、解説するとかなり長文になるので結論のみ回答したいと思います。
300ヤードを超える距離でより命中させやすいのは5.56mmに優位性があります。
理由としては、7.62x39mmの方が反動(リコイルインパルス)が大きい、弾道曲線が大きく滞空時間が長い(300ヤードで5.56mmは約0.3秒に対し7.62x39mmは約0.5秒)、傾向として7.62x39mmやその使用銃の製造過程における精度が劣る場合が多い・・・などです。
またストッピングパワーを優れている順に並べると以下のようになります。
5.56mm(M855A1)≒5.45x39mm(7N6)>5.56mm(M855)≒7.62x39mm(M43)
いずれの弾薬も500ヤード以内は超音速を維持しますが、7.62x39mmは200~300ヤードを超えると減速率が大きくなり、5.56mmよりも急激にエナジーを失い始めます。
M855A1や7N6は人体(流体)着弾後の浅い位置でタンブリングが始まるため高いストッピングパワーを持ちますが、弾頭が持つ慣性力は7.62x39mmの方がわずかに優位になります。
まとめると、
遠距離でも命中させやすいのは5.56mmや5.45mm
対人用で効果が高いのは5.56mm(M855A1)や5.45mm(7N6)
貫通力が高いのは5.56mm(M855A1)
障害物などに対する打撃力で優位なのは7.62x39mm
200~300ヤード以内では5.56mmと7.62mmのどちらも高い性能を維持する。
以上です。