以下はアメリカの警察におけるテーザーの有効率を表した統計です。
POLICE DEPARTMENT EFFECTIVE RATE
Atlanta 67.8%
Charlotte-Mecklenburg 69.7%
Columbus 77.3%
Dallas 68.0%
Denver 73.6%
El Paso 79.5%
Ft. Worth 62.4%
Houston 73.7%
Indianapolis 54.7%
Los Angeles 57.1%
New York 77.4%
Seattle 60.6%
https://www.apmreports.org/episode/2019/05/09/when-tasers-fail
テーザーは一定の条件下で有効な非致死性武器ではあるのですが、ターゲットまでの距離が近すぎても失敗し、逆に遠すぎても失敗するため、状況次第では扱いが難しいのが難点です。
2本の針(電極)を飛ばして2本とも皮膚に刺さる必要があり、近距離で射撃し2本の針の間隔が狭いと効果が薄れ、逆に離れすぎても効果が得られません。
例を挙げるとX26Pテーザーの推奨される理想の使用距離は7~15フィートですが、統計ではテーザーの使用距離は3フィート以内が過半数を上回る状況となっています。
また、レザーコートのような厚手の衣服を着ていると針が届かない場合もあれば、バッテリーの電力不足で失敗する場合もあります。
確実な効果を得るために電荷量を上げる方法もありますが、メーカーはモデルによって電荷量を上げたり下げたりと調整しています。
電荷量を上げると無力化効果が高まるものの、人体への危険性が上昇し、訴訟リスクも高くなります。
また反対に電荷量を下げると無力化効果が低くなり、効果のないテーザーを使用した結果、代わりに実銃を使用せざるを得ない状況となり事態がより悪化するリスクがあります。
麻薬中毒者に対しては健常者と同様にテーザーの効果がある場合と無い場合がありますが、麻薬の影響で脳が電気信号を受け取らない状態となることでテーザーによる激痛を知覚しにくくなり、効果が得られない場合があるようです。
アルコールや麻薬の影響を受けている人物に対してはテーザーは状況を悪化させるだけで使用するべきではないという現場の声もあります。
本来、テーザーは万能ではないため、テーザー使用時にはテーザー使用者と実銃使用者の二人一組で対応するべきなのですが、1人でテーザーを使用し反撃を受けて危険な状況に陥るケースが多々あります。