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発射された弾は重力の影響によって放物線を描いて飛びます。
そのため、遠くのターゲットに命中させるには銃口(銃身軸)を斜め上に向けて発射する必要があります。
ところが、銃に対しスコープを平行に搭載すると、使用弾薬やスコープの仕様の違いによっては、銃口を斜め上に向けるとターゲットがスコープの視界の外に出てしまうことがあります。
これを補正するためにスコープの後部を持ち上げて、銃に対してスコープが下へ向くように搭載されます。
もう少し詳しく説明すると、スコープに備わったダイヤル(エレベーションノブ)を回してレティクルの上下を調節しますが、この調節可能な上下幅の限界を仮に60MOAとすると、距離や弾頭の落下量(ドロップ)に合わせて実質的に30MOA分の調節が可能になります。
しかし、ターゲットの距離が遠かったり弾頭の落下量が大きいなどの理由から40MOA分エレベーションノブを回さなければならない場合、60MOAのスコープでは対応できません。
そのため、スコープ本体の角度を変えることで足りないMOAを稼ぐことが可能になります。
この角度を稼ぐにはいくつかの方法があり、最も安くて簡単なのは、後部のマウントリングにスペーサーを入れて角度を調節する方法です。これを「シミング」と言います。
他には、前後で高さが異なるテーパードマウントや、マウントレールの角度を調節できるアジャスタブルマウントなども使用されます。
また、チャーリーTARACのような、スコープの先にミラーを搭載して視界の角度を変える方法もあります。
しかし最近では長距離専用スコープで400MOAを得られるスコープも存在するため、長距離射撃であっても銃とスコープを平行に搭載可能な場合もあります。
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