Wikiの内容は正確ではないというか、誤解を生むような記述になっているので整理して簡潔に解説したいと思います。
アメリカでは「ガンスミス・ライセンス」というものはありません。
※ガンスミスの証明書は存在します。
個人であれ企業であれ、ガンショップなど銃を扱う事業を行う場合はFFL(フェデラル・ファイアーアームズ・ライセンス)というライセンスが必要になり、これにガンスミスも含まれます。FFLは9種類(タイプ01~03、タイプ06~11)のライセンスに分類されており、ガンスミスの仕事をする場合はFFLのタイプ01(ディーラー・ライセンス)が必要になります。
銃を扱う質屋はタイプ02、アンティーク銃の収集はタイプ03、弾薬製造はタイプ06、銃製造はタイプ07、銃の輸入はタイプ08、グレネードランチャー等を扱う場合はタイプ09、グレネードランチャー等の製造はタイプ10、グレネードランチャー等の輸入はタイプ11という様に、事業内容によってライセンスのタイプが異なります。
Wikiのガンスミスの日本語ページで紹介されているライセンス(クラスI~IIIなど)は、SOT(スペシャル・オキュペーショナル・タックス)と呼ばれるステータスに分類されているものです。これらはNFA(ナショナル・ファイアーアームズ・アクト)という法律で規制されたNFAウェポンを事業で扱うために必要なライセンスです。NFAウェポンとは、ざっくりと言えばフルオートの銃、サプレッサー、ショートバレルライフル、ソードオフショットガン、ペンガン、グレネードランチャーなど、法規制により売買や所有には特別なライセンスや納税が必要なタイプの銃器です。
もしガンスミスでNFAウェポンを扱う場合は、扱う銃器の種類によってクラス別のライセンスを取得する必要がありますが、一般的なピストル、リボルバー、ライフル、ショットガンを扱う場合は、基本となるFFLのタイプ01だけでも事業が可能です。