ハンドガンに使用するアーマーピアシング弾(AP弾)は連邦法で輸入や販売が規制されていますが、この法律には例外事項があり、スポーツ用、工業用、テスト用に使用する場合はATFに許可申請すれば合法的に購入可能です。
また、1986年以前に輸入や製造されたAP弾は売買(トランスファー)が可能です。
SS190は法律施行後に登場した弾薬なのでこれには該当しませんが、州法で規制されている場合にはその限りではありませんし、州法でAP弾が合法であれば所持可能です。
SS190の場合は少し複雑で、連邦法ではハンドガンカートリッジのAP弾が規制されているものの、ライフル弾の場合は規制がありません。以前に記事「SIG MPXの問題と違法化したAK弾薬」や、「5.56mm弾(M855 “グリーンチップ”)規制の動き」で触れたことがありますが、法律で指定された条件を満たしていないAP弾は法律上のAP弾ではありません。
そこでSS190はハンドガンカートリッジなのか?それともライフル弾なのか?という定義の問題も含めて、2004~2005年頃にFNファイブセブンが販売されることを切っ掛けにしてアメリカで論争になりました。そして2005年にATFはSS190やSS192の輸入と民間への販売を規制し、SS196は販売OKと判断しました。
現在ではSS190の輸入がストップしているため、アメリカ国内に存在するSS190がプレミア価格(一箱数百ドル)で取引されています。
州によっては販売や所持が合法ですので、動画の主は恐らくATFの許可を得ているか、AP弾規制の無い州でテストしているのかもしれません。