HB-PLAZA 入門者にやさしい実銃解説 › フォーラム › 実銃フォーラム(休止中) › MP5SDは低威力?
-
投稿者投稿
-
2019年4月10日 8:04 AM #68831
みがも
ゲストいつもお世話になっております。
H&K-MP5SDについてなのですが、日本のガンファンの界隈では「優れた消音能力と引き換えに弾速低下で威力が低下しているのが欠点」と語られがちです。しかしこのサイトの記事で消音器は弾速を低下させないと教えていただいてから、ならば何故威力が低下するのか?と理屈がよく分からなくなってしまいました。MP5の標準モデルよりも銃身が大幅に短いですが、それでもHK公式サイトによれば約5.7インチありますから、9mmの拳銃弾なら充分な性能を引きだせる銃身長だと思われます。低速のサブソニック弾薬の所為かとも思いましたが、9mmで147grの重量低速弾ならほぼそのままで亜音速でしょうし、これで低威力とは思われません。冷静に考えると威力が低下しているとは思えなくなってきたのですが、界隈では「9mmの標準程の威力も出ない」「380ACP程度の威力になってしまっている」とあちこちで威力低下が解説されています。実際のところはどうなのでしょうか?2019年4月10日 1:56 PM #68834ポル
キーマスターご指摘の通りだと思います。
アメリカの法執行機関で使用されるMP5SDは、超音速の115グレインや124グレイン弾頭が使用されるのが一般的でした(です)。
MP5に亜音速弾を使用しない理由についてですが、MP5は反動を利用して作動するため、低速弾では作動の信頼性が低下する(ジャムが発生しやすい)という問題があります。
低速の亜音速弾でも147グレインや158グレインといった重い弾頭重量であれば必要な反動を得られますが、低速すぎてストッピングパワーで劣る他、ホローポイント弾を使用した場合、弾速が不足し正常に拡張されない問題があったため、このような理由からMP5SDには超音速弾が必要でした。
現在のホローポイント弾は昔の時代と異なり、性能が向上し拡張性も高いため、147グレインのホローポイント弾でも作動しますし、必要なストッピングパワーも得られますが、それでも相対的に超音速の115グレインや124グレイン弾頭より作動の信頼性が劣ると言われています。
また、MP5SDのサプレッサーが影響して弾速が低下することはありません。
MP5SDのサプレッサーに使用されるバッファーはアルミ削り出しで分割できないというメンテナンス性の悪さが難点ですが、減音の原理は現在の一般的なサプレッサーと同じです。
結論としては、本来MP5SDは124グレインのNATO弾を想定して設計されたため、超音速の124グレイン弾頭を使用するのがベストです。
>「9mmの標準程の威力も出ない」
これは他モデルのMP5A5等と比較して銃身長が短いからという意味かもしれませんね。
弾薬メーカーの公表値(一般的には4インチバレル)を「標準」とするなら、「MP5SDでは9mmの標準程の威力も出ない」ということはありません。2019年4月10日 10:50 PM #68841みがも
ゲスト回答ありがとうございます。やはり威力が極端に落ちるわけではないのですね。また、消音と相性の良い亜音速弾ではなく、寧ろ軽量高速の超音速弾の方が(SDでも)推奨されるというのは驚きました。9mm拳銃弾でもNATO弾は本来SMG用と言われているのを聞いたことがありますが、そういう理由があったのだと腑に落ちました。
2019年6月7日 10:51 PM #70363未来の小説家だと思うレブランファプナー
ゲスト45APCをそのまま使った方がいい
最初から亜音速弾だから2019年6月7日 10:52 PM #70364未来の小説家だと思うレブランファプナー
ゲスト追加9mと45APCはほとんど同じくらいの
パワーだから2019年6月11日 12:05 PM #70418三等兵
ゲストリコイルの低さ、装弾数、貫通力等の総合的性能で9㎜が優れていること、超音速弾でもサイレンサーの恩恵を受けられる事もMP5SDが使われ続けられる要因じゃないのでしょうか。
2019年6月15日 12:46 AM #70586しんぺー
ゲスト初めて書き込ませていただきます。
mp5sd のバレルってチャンバーに近いところに穴が空いているそうですが、それも威力の評価に関係しているのではないでしょうか。
ただ私も気になったのですが、SDの穴開きバレルで普通のmp5と同じような弾薬を使った時でもボルトを後退させるには充分なリコイルなのですか?2019年6月15日 11:00 AM #70597ポル
キーマスター>mp5sd のバレルってチャンバーに近いところに穴が空いているそうですが、それも威力の評価に関係しているのではないでしょうか。
仰る通りですね。
触れ忘れていましたが、短い銃身と銃身上のガスポートによって超音速弾を亜音速化しています。元々、直径6mmの穴を4つ開けてガスを逃がしていましたが、6mmは大きすぎて弾頭にダメージを与えるなど問題があったため、直径2.5mmの穴を30個開けて改められています。
また初期のMP5SDではガスポートを閉鎖するガスブロックが備わったモデルも存在します。
>ただ私も気になったのですが、SDの穴開きバレルで普通のmp5と同じような弾薬を使った時でもボルトを後退させるには充分なリコイルなのですか?
その点は問題ありませんが、作動の信頼性の面では弾頭重量124グレインが良いと言われていますし、140グレイン以上になると低速すぎてパワー不足になる他、ジャムも発生しやすくなるようです。
2019年7月20日 2:17 PM #71196三等兵
ゲスト本件に関して少し疑問に感じた事がありますが、超音速弾を亜音速弾化させるという事は殺傷力こそ変化しないものの、有効射程や貫通力に少なからず影響を与えるという事なのでしょうか?
こちらのサイト及び利用者の様に、「貫通力=威力(貫通力が不足すると殺傷力も落ちるのは確かですが)」という認識が広まってしまっているのもあるのでしょうか。
http://mgdb.himitsukichi.com/pukiwiki/index.php?%C3%BB%B5%A1%B4%D8%BD%C6/HK%20MP5SD2019年7月20日 3:51 PM #71198ポル
キーマスター>超音速弾を亜音速弾化させるという事は殺傷力こそ変化しないものの、
弾速が低下すれば殺傷力も低下する可能性があります。
「殺傷力」という言葉は曖昧なので個人的にあまり使いたくないのですが、ターゲットの行動を停止させる能力は、口径、弾頭重量、弾頭の種類などが同一条件下では弾速が速い方がより高くなります。
(ただし着弾と同時に弾頭が砕けるほどの高速の場合は逆に効果が低くなりますし、口径や着弾後の弾頭直径の大きさによっても効果が異なります)とはいえ、現実的には必要とされる貫通力が維持されていれば亜音速弾でも実用上問題ないと判断できます。
>有効射程や貫通力に少なからず影響を与えるという事なのでしょうか?
口径や弾頭重量などの条件が同じとき、弾速だけが低下すると有効射程は短くなり、貫通力も低くなります。
有効射程については弾頭重量の違いなどで少し弾速が低下した程度では殆ど影響ありませんが、極端な低下は影響があります。>「貫通力=威力(貫通力が不足すると殺傷力も落ちるのは確かですが)」
「貫通力=威力」と考えてしまうとホローポイント弾は不要でフルメタルジャケット弾で十分となってしまいそうですが、実際はそうではありませんね。
着弾後の弾頭の拡張が大きいほど効果がありますが、拡張が大きければ抵抗となり貫通力が失われるため、一方に偏らないバランスが必要になります。
-
投稿者投稿
- フォーラム「実銃フォーラム(休止中)」には新規投稿および返信を追加できません。