ボルトが前進した状態でマガジンを挿入するべきではない理由は3つあります。
【理由1】
フルロードのマガジンはマガジンスプリングが強く縮められた状態になっています。
マガジンを挿入すると最上部の弾薬がボルトと接触し、正しくマガジンを定位置でロックするには更に押し込んでマガジンスプリングを縮める必要があります。
定位置まで挿入するにはかなり強い力を必要とするため、ロックされず使用中にマガジンが脱落する恐れがあります。
これはAR15などでも同様で、30連マガジンであれば28発装填するとマガジンスプリングを縮められる余裕が生まれるため挿入しやすくなります。
【理由2】
マガジンを定位置まで挿入しようと強く挿入するとマガジンリップが変形することがあります。
マガジンリップが変形するとマガジン上部の弾頭の位置が低くなるためジャムが発生しやすくなります。
【理由3】
稀なケースですが、マガジンを強く挿入する方法を長年継続すると弾薬が接触したボルト底面にクラックが生じることがあります。
以上の理由がありますが、お気づきの通り、いずれもローラーディレードブローバックとは関係ありません。
ローラーディレードブローバックでやってはいけないこととは、ボルトをゆっくり前進させて薬室を閉鎖することです。
ローラーディレードブローバックはボルト閉鎖時にローラーを定位置に収めなければジャム(排莢不良)が発生しやすくなるため、ボルトオープン状態からチャージングハンドルを叩いてボルトを前進させる、いわゆる「HKスラップ」が必要とされます。
ボルトが強く前進することでローラーが定位置に収まり、完全な薬室閉鎖状態になります。