ご指摘の通り、FMJであっても銃によっては相性が存在します。
ワルサーP38の場合は当時と現代の9mmルガーに差があるため相性問題が顕著に表られることがあります。
また現代でも、ピストルによっては弾薬メーカーの異なる9mmルガー間で相性問題が出ることがあります。
米陸軍がMHS(モジュラーハンドガンシステム)要求していた条件は、「2000発の射撃で平均95%以上が正常に発射できること」でしたが、結果は以下のようになりました。
【M17(銃身長:4.7インチ)】
XM1153(ホローポイント)= 95%
XM1152(FMJ)= 75%
【M18(銃身長:3.9インチ)】
XM1153(ホローポイント)= 96%
XM1152(FMJ)= 60%
結果を見る限り、ホローポイント弾よりFMJの方がジャムのリスクが高いという、一般的な傾向の逆の結果が出たといえます。
これがもし民間市場での出来事であれば、詳細な情報が共有されて問題点が分かりやすいのですが、陸軍は詳細情報を公開していないので原因が聞こえてきません。
私の勝手な推測ですが、XM1152とM17/M18に相性問題があるように思えます。
一般的には、ジャムの原因はマガジン不良によるものが多いのですが、もし銃やマガジンに問題があるとすれば、同じ銃でFMJとJHPの結果にこのような差が表れるのは不自然にも思えます。
XM1152は先の尖ったFMJではなく、先端が平らなフラットノーズ弾頭のFMJのため、一般的なFMJよりもジャムのリスクが高いといえます。(フラットノーズは相対的に薬室へ装填される際に失敗してスライドとブリーチの間に挟まりやすい形状です)
記事では「発射前の弾が排出される問題」にも触れていますが、これはフラットノーズが影響している可能性も考えられます。スライドが前進する際に弾の先端がフィードランプで跳ねて、そのままストーブパイプジャムとなったり、排出されているのかもしれません。
もしXM1152が民間市場で販売されていればP320でテストできるのですが、現状では本当の原因がよく分かりません。