不発は銃と弾の両方に原因が考えられますが、遅発(ハングファイア)は弾薬に原因があります。
原因はいくつかあり、「成型不良でケースのフラッシュホールが規定より小さい」、「長期保存によって湿気や劣化によってパウダーが燃焼しにくい」、「外部のガンオイルがプライマーポケット経由で弾薬内部まで浸透した」、「製造時に不良パウダーが混ざって使用された」などがあります。
導火線に火をつけると一瞬で燃焼することなく徐々に連鎖反応で燃焼しますが、弾薬内部でも似た状況になることがあります。パウダーが燃焼しにくい状態だとプライマーで着火されても燻った状態が続き、わずかな火種が正常な状態のパウダーに到達した時点で爆発的に燃焼して発射されます。
私の個人的体験ではスモークレスパウダーでは一度もありませんが、ブラックパウダーでは頻繁にありました。パーカッションキャップが正常でも、パウダーの状態が悪いと遅発が起こりますし、元々ブラックパウダーの燃焼速度は遅い性質があるので、パウダーの密度や並び方といった状態次第で遅発になりやすいリスクがあります。