最も大きな理由はコストの問題です。
ボックスマガジンは高価ですが、ストリッパークリップなら安価に大量生産が可能です。
ピストルやサブマシンガンは比較的少量生産ですが、主力ライフルは大量に必要とされるためコストの負担が大きくなります。
イギリスのリーエンフィールドMK1は着脱式マガジン採用時にマガジン脱落による紛失を懸念し、銃とマガジンをチェーンで繋いで対応したうえで兵士1人につき1本のマガジンが支給されていました。
こうしたマガジンの脱落はマガジンと弾薬の両方を失うため物資が不足した時代には無視できない問題です。
また、ソ連のSVT-38はマガジン脱落が原因で製造終了し、SVT-40でマガジンリリースが改良されたものの主に精鋭部隊での採用に留まり、大量に必要とされる主力ライフルは固定マガジンのモシンナガンでした。
アメリカはショーシャ1915やBARで着脱式マガジンを利用しましたが、支援火器としての運用に限定されたため主力ライフルより少ない製造数です。
ドイツのStG44やアメリカのM1カービンといったオートマチックライフルが登場した頃から次第に機動性を活かした戦術が生まれ、着脱式マガジンが重要視されるようになっています。