>なぜ湿度を考慮する必要があるのでしょうか?
考慮が必要な理由は、湿度が変化すると、飛翔中の弾が空気中で受ける抵抗の大きさが変化するからです。
よく誤解されやすいのですが、湿度が高いと空気中の水分の抵抗によって着弾地点(POI)が下がると考えられがちなのですが、実際はその逆で、湿度が高いと弾道が伸びて着弾地点が上がります。(弾道がよりフラットになる)
一方、湿度が低いと弾が落下する量(ドロップ量)が大きくなり、従来より下に着弾します。
一般的に、湿度が約40%変化すると約1MOA変化すると言われており、ターゲットの距離が離れるほど湿度による命中率への影響が大きくなります。
これは水分子の質量が窒素などの分子の質量よりも小さいため、湿度が上がると空気の密度が小さくなる現象によるものです。
>雨や雪などでスコープが濡れてスコープが見えずらくなることと、射撃したあとに降っている雨や雪などで弾道がかわってしまうから
視界が悪くなるのはその通りですが、雨や雪による弾道への直接的な影響は殆どないので、考慮する必要はありません。
それよりも湿度の方が影響が大きいので、気温と湿度は長距離射撃で重要になります。
気温の寒暖差で飽和水蒸気量が変わるため影響がありますし、気温が上がると腔圧が上昇し弾速が速くなり、気温が下がると弾速が低下します。
この影響は弾薬の性質によって異なるので、長距離射撃においては、使用する弾薬が気温の変化によってどれほど弾道に影響があるか知っておく必要があります。